<figure id="attachment_299117" aria-describedby="caption-attachment-299117" style="width: 719px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="09130e08"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/862efc0b86acffc87e158e05be79128a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-299117" class="wp-caption-text">警視庁に逮捕された船岡アナ。北海道への異動はショックだったのだろうか……（NHKホームページより。現在は削除）</figcaption></figure>
<p>NHKは2月1日、テレビ放送70年を迎えた。報道をはじめ大河ドラマ、子供向けの教育番組など放送界の中核を担ってきたが、ここにきて不祥事が発覚したうえに、有能な人材の流出が止まらない。</p>
<p>それを象徴するような事件が2月17日に発生した。同僚の女性アナが住む東京都内のマンションに無断で侵入したとして、札幌放送局の船岡久嗣容疑者（47）が逮捕（その後釈放）された。船岡アナといえば、大相撲やフィギュアスケート中継をはじめ、2021年の東京五輪では開会式のラジオの実況を務めるなど第一線で活躍してきた。船岡アナの若い頃を知る、ある局員はこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「彼は仕事に対して非常にまじめでアナウンサーという仕事に対して真摯な人間でした。絶対にミスは許されないというプロ意識が高かった」</span></p>
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<p>その後、船岡アナは功成り名を遂げたが、それでもストーカー行為に走ってしまった。もちろん行為自体は許されることではないが、局内には「スポーツ・アナの第一線から外されたショックが大きかったのでは」と見る向きもある。</p>
<p><span class="strongInContent">「件の女子アナとは不倫関係でもないのに周囲から噂され、札幌へ飛ばされてしまった。彼をかばうわけではないが、誰かに“刺された”のかもしれない。『スポーツ・アナのイス取り合戦』や『マイク取り合戦』は激しいですから」</span></p>
<p>一方、災害報道で冷静沈着な対応をみせて「NHKの顔」と高い評価を受けていた武田真一アナ（55）が2月末で退局、4月から日本テレビの情報番組のMCになる。NHKでは東京から大阪に転勤となり、すっかり出番が少なくなっていた。別のNHK関係者はこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「ウチはいまだに東京がすべてなんです。武田さんだって、渋谷の放送センターにいたら、民放から億単位の金を積まれても辞めなかったでしょうね」</span></p>
<p>NHK職員は若い人だけでなく、ベテランも転勤を命じられることが多く、地方に行くことは珍しくないが、東京から離れると局員の多くは“花形ルート”から外れた、という感覚を抱くという。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="平均年収1000万円以上と言われながら離職する訳"></div>
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<figure id="attachment_299334" aria-describedby="caption-attachment-299334" style="width: 2566px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="79627245"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/aflo_212835896.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-299334" class="wp-caption-text">4月から日テレに移籍する武田真一アナ。社内に残る「東京偏重」の考え方が解消されない限り、優秀な人材の流出は止まらないかもしれない（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<p>人事に対する不満は、画面に登場しない制作部門にも広がる。業界内で敏腕プロデューサー、ディレクター、カメラマンといわれる人材が民放に移ったり、独立したりしている。</p>
<p><span class="strongInContent">「例えば、スポーツカメラマンです。野球やゴルフ中継でボールの行方を追うカメラワークは習熟度を問われます。先輩から受け継いだ技術に磨きをかけて一人前になっていく。一朝一夕ではできません。いわば、職人技です。そんな高度なテクニックを持った職員が辞めていっています」（NHK関係者）</span></p>
<p>民放に比べれば低いかもしれないが、平均年収1000万円以上と待遇面では恵まれているのに、なぜ人材が流失してしまっているのだろうか？</p>
<p><span class="strongInContent">「辞めていく理由は人事制度です。仕事そっちのけで上ばかり見ている〝ヒラメ〟が増殖しているんです。これでは現場で這いずり回りながら苦労している職員はやってられません」（前出のNHK関係者）</span></p>
<p>2020年に就任した前田晃伸会長（78）は「NHK改革」として、タテ割り、年功序列の排除を看板に掲げた。時代遅れの慣習にメスを入れ、風通しを良くしようと能力重視のために昇進試験を導入した。しかし、客観的に能力を判断する目的で導入された試験とは名ばかりで、実際はゴマすりの情実人事が行われる傾向が強く、「抜擢」という美名のもと、能力、実績に欠ける者が位の高い役職に就くことが増えている。</p>
<p><span class="strongInContent">「今までは経験豊富なベテラン社員が局長になっていましたが、前田会長のもとで行われた人事制度により、その器にふさわしくない人が局長に赴任した地方局では、現場が混乱し、ベテランから若手までがやる気を失ってしまった例もあるようです」（NHK関係者）</span></p>
<p>武田氏の日テレ移籍、そして船岡アナの逮捕も、奇しくも東京を離れた後に起きた。2人は、それぞれの持ち場で実績を残すも、地方への異動を命じられたことで、少なからずプライドに傷がついたのだろうか。2人以外にも、一朝一夕では身につかない職人技を習得していても重用されず、“ゴマすり上手”で力のない人が上の役職に就き、おもしろくない思いを抱いている人もいるという。そういった不満が社内にうずまき、閉塞感が漂っている。</p>
<p>「築城3年落城1日」という言葉がある。所管する総務省からは受信料値下げの外圧をかけられ、局内からは人事への不満で瓦解が始まっている。今年1月に元日銀理事の稲葉延雄会長が就任し、前任者が実行に移した人事制度について早急に見直す意向を示したが……。公共放送としての責務を果たしながら再生できるのだろうか。</p>
<p>どうする、NHKである。</p>
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<h4>流出を防ぎたいアナウンサーの面々</h4>
<figure id="attachment_65486" aria-describedby="caption-attachment-65486" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f1c4eee5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/742b5bff21451616eddbe2a5a07cc81f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-65486" class="wp-caption-text">２次会会場の前で友人と談笑する和久田アナ。隣にいる元駅伝選手の新郎は俳優の市原隼人似のイケメンだ。19年８月撮影</figcaption></figure>
<h2><a href="#" data-ident_hash="d2568bda"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/616282b9d9e1b49381fe1b5f5f16b939.jpeg" alt=""></a></h2>
<p>鈴木奈穂子アナのマンションを出た和久田アナ（左）と桑子真帆アナ。終始、会話は弾んでいる様子だった。19年９月撮影</p>
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NHKアナウンサーの人材流出、不祥事が次々と発覚している。それは画面に写っている人にとどまらない。背景を追っていくと、NHKの中に残っているある特殊な考え方に行きつくという。

“顔”が日テレに移籍、ストーカーアナまで出現…情実人事の横行でヒラメが大量発生「どうするNHK」

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