英BBC「ジャニー喜多川氏の性加害告発」もテレビ、新聞の“大マスコミ”は忖度で「ダンマリ」
芸能界に衝撃が走った――。
イギリス公共放送「BBC Two」が制作したドキュメンタリー番組『Predator:The Secret Scandal of J-Pop(捕食者:Jポップの秘密のスキャンダル)』が現地時間で3月7日21時に放送された。
’19年7月に亡くなったジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏(享年87)を〝プレデター=捕食者〟と厳しい言葉で形容した当番組。内容は生前にジャニー氏が行っていたとされる少年たちへの性加害について、切り込む内容だ。
「番組は’99年に『週刊文春』が報じたジャニー氏の性加害報道を切り口に、実際に被害にあった元少年たちにインタビューしています。
そこではマッサージと称してジャニー氏に下腹部を触られたり、それ以上のことをされたと証言する人もいました。途中で言葉に詰まってしまうシーンもありましたね」(ワイドショー関係者)
BBCといえばイギリスの公共放送で、日本でいえば「NHK」のような存在。そんな影響力のある放送局が、ゴールデンタイムで日本芸能界の“恥部”を放送したのだ。
そんな状況でも、BBCの放送について報じているのは、文春などの一部週刊誌だけ。テレビや新聞などのマスコミ各社は、見事なまでの〝ダンマリ〟だ。
「当然ながら、BBCが放送した内容は、メディア関係者なら注目していました。ですが、ドラマやバラエティ番組に数多くのジャニーズタレントが関わっているので、テレビ局は編成的に取り扱いNGなんです。
なので、ジャニーズサイドに問い合わせすらしていないですし、ジャニーズ側から〝報じないで〟とか言われたわけじゃないです。日ごろからコンサート取材などで親密関係にあるスポーツ紙などもそうでしょうが、自分たちから忖度して扱わないことにしてしまっているんです」(テレビ局関係者)
週刊文春が過去にジャニー氏の性加害について報じた際、ジャニーズ事務所は名誉棄損で訴えている。ジャニー氏や被害少年も出廷して証言し、東京高裁は性的虐待を認定。最高裁は上告を棄却し、’04年に判決は確定している。
番組の最後でBBCのリポーターは、
「この取材で警察、メディア、テレビ局に連絡したが、すべて取材拒否をされた。喜多川は死んでも守られている」
と、〝大マスコミ〟がこの事実から目をそむけてきたことを批判している。いち芸能事務所へのメディアの忖度ぶりが、海外からは異様に映っているのは間違いないだろう――。
PHOTO:結束 武郎