「２人一緒にディズニーランドで被り物」吉田正尚＆岡本和真の仲良しコンビが準決勝進出を決める７打点

野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック（以下、WBC）で2009年以来の優勝を目指す日本代表は16日、準々決勝でイタリア代表と対戦し、９-３で勝利。準決勝進出を決めた。

０-０で迎えた三回一死一塁から、１次ラウンド４試合で打率５割と大当たりだった大谷翔平がバントでチャンスを広げ、今大会初めて４番に座った吉田正尚のショートゴロの間に１点を先制。さらに二死一、二塁から岡本和真がレフトスタンドに３ランを放った。プライベートでは一緒にディズニーランドに行くほど仲がいい２人の４打点で主導権を手繰り寄せた。

１次ラウンド４試合で10打数２安打１打点。慣れ親しんだ巨人の本拠地・東京ドームで待望の一発が出た。試合後、ヒーローインタビューで岡本は棒読みに近い独特の受け答えで笑いを誘った。

――いつも東京ドームで浴びる大歓声はどうですか？

「最高です」

―――今日のホームラン、あの打席を振り返ってください。

「最高です」

―――ダイヤモンド１周はどうでしたか？

「最高です」

―――アメリカに行きますが、この大歓声どうですか？

「最高です」

ダイヤモンドを回り切るまで白い歯をみせなかったのは、これまでのふがいなさへの怒りだろうか。それでもベンチに戻って仲間から祝福されたとき、そして東京ドームの大歓声を聞くと、表情が崩れた。

先制タイムリーの吉田とリードを広げた岡本。朴訥とした雰囲気を漂わせる２人はプライベートでもすごく仲がいい。WBC開幕前に行われた３月７日、オリックスとの強化試合を放送した「Prime Video」で解説を務めた井端弘和氏が面白いエピソードを“暴露”した。井端氏は巨人時代に岡本と選手、コーチとして接してきた間柄だ。

「２人でよくディズニーランドとか行ってたんですよ。その写真をよく見せてもらいました。東京の岡本選手の家にも（吉田選手が）泊まりに来るって言ってました。結婚する前ですけど……。結婚後も（２人の）仲はいいと思いますけどね」とコメント。さらに井端氏はこう続けた。

「（２人で）何話すの？　って聞いたら、『同じ空間に無言でいるだけ』って言ってました」と明かすと、実況するアナウンサーを含めた中継スタッフは笑いに包まれた。

さらに、このオリックス戦の番組MCを務めたお笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹はこう突っ込んだ。

「その２人が行っているディズニーランドに参加したいですね。ミッキーよりその２人の方が見たいかもしれない」。そこで井端氏が「（ディズニ―ランドの）現場には行ったことないんですけど、（画像で）被り物はしてましたよ」とさらなる秘話を暴露。アナウンサーが思わず「２人で結婚してもいいぐらい」と返すと、野球中継とは思えない笑いに包まれた。

岡本はさらに５-２で迎えた五回にも２点タイムリー。さらに吉田も７-２で迎えた七回にライトスタンドにソロホームランを放ち、吉田と岡本の２人だけで７打点。一度はイタリアに傾きそうになった流れを、最後まで渡さなかった。

この日、WBCで２度目となる「３番・投手兼ＤＨ」で出場した大谷翔平は試合前日の会見で「球数は決まっているが、先のことを考えずに１人１人投げていくことが一番大事かなと思います」と明かした通り、１球１球声を出しながら初回から飛ばした。栗山英樹監督も「何とかしたい、という思いを初回から感じた。その思いは僕を含めて全員に伝わっていました」とコメントした。だが大谷は五回に２失点。一時２点差に追い上げられた。

しかし、２番手・伊藤大海、３番手・今永昇太を挟んで、さらに七回からダルビッシュ有が２イニング登板。WBCの東京ラウンド最終戦で、大谷とダルビッシュが同時にマウンドにあがる“リレー”も実現させ、侍ジャパンはこの日の夜、アメリカへ飛び立った。栗山監督は４万人以上集まった東京ドームの観衆にこう誓った。

「日本の大先輩方、野球を作ってくださった方の思いを持ちながら戦いたいと思いましたが、本当に野球が発展するためにはアメリカに行って、アメリカでやっている選手たちに勝たなければ前に進まないとずっと思っていた。勝ちきれるように頑張ってきます」

日本の野球ファンに示した夢を、マイアミの地で３大会ぶりの世界一という形で結実させたいところだ。