「舞の壁になる…」NHK朝ドラ『舞いあがれ!』で福原遥を飛躍させた「永作博美と菅田将暉」の存在 | FRIDAYデジタル

「舞の壁になる…」NHK朝ドラ『舞いあがれ!』で福原遥を飛躍させた「永作博美と菅田将暉」の存在

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最終回まであと1週間となった『舞いあがれ!』ヒロインの福原遥
最終回まであと1週間となった『舞いあがれ!』ヒロインの福原遥

福原遥が主演する朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK)も、残り1週間。最終週を迎え、ネット民からは逆風を乗り越え成長を遂げたヒロインの姿に、称賛の声が寄せられている。

今回の朝ドラは、ヒロイン舞がものづくりの街・東大阪で育ち、大空を飛ぶ夢に目覚めパイロットを目指すも父が急死。母・めぐみと共に父の残した町工場を立て直し、やがて新たな夢に出会い羽ばたく姿を生き生きと描いている。

「幼い頃は体が弱く、自分の気持ちが言えなかった舞が、壁を乗り越えるごとに新しい自分を発見していく。実は、福原自身も『自分の意見の言えない子供』だったと告白しています。

オーディションで福原を選んだ制作統括の熊野律時CPは『舞を演じたいという強い意志は伝わってくるものの、その伝わり方は熱くエネルギッシュな感じというよりも、あくまで柔らかくほっこりするような明るさ』であることから、舞の人物像と重なったと話せば、チーフ演出も福原が『私たちが考えるヒロイン像を自然体で演じてくれている』とコメント。舞は、まさに福原のハマり役というわけです」(制作会社プロデューサー)

福原は『舞いあがれ!』のクランクアップ後、3月17日に放送された生番組『あさイチ』(NHK)の〝プレミアムトーク〟に出演。共演者との思い出話をする中、母親・めぐみ役の永作博美がVTRに登場。舞との記憶に残るシーンについて聞かれ、実家の町工場をたたもうと決心するシーンをあげ、思わず涙を見せる一幕もあった。

舞「ほんまに工場、やめるの」

頷く、めぐみ。

舞「ずっと工場、守るって頑張ってきたんやん。今売ってしまったら」

めぐみ「他に方法があれへんの」

鬼気迫る表情で、苦しい胸の内を打ち明ける母に問いただす舞。その演技を見た永作は

「初めて舞と喧嘩して」

「本気できたなと思った。舞の成長もそうだけど、福原さんの意志が感じられて、彼女が一番成長したなって思ったシーン。きちんとこっちに届いた、気持ちが」

と当時を振り返り、天を見上げる永作博美の涙には心奪われた。

福原といえば、10歳から15歳まで子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK教育)に〝まいんちゃん〟役で出演して一世を風靡。その後、人気アニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)でキュアカスタードの声優を担当するなど、透明感溢れる美少女として注目を集めてきた。

しかし、そのイメージが本格女優を目指す上で邪魔になることを、福原は身をもって経験する。

「’16年のドラマ『レンタル救世主』(日本テレビ系)では慣れないラップや胸にタオルを詰めてEカップバストを揺らすなど、振り切った演技に挑戦。初主演となった’17年のドラマ『グッドモーニング・コール』(フジテレビ系)では、キスシーンに何度も挑み、20歳を前に大人の女優への脱皮を図ります。

さらにW主演を務めた配信ドラマ『ふたりモノローグ』(AbemaTV)ではコメディエンヌの道を模索するなど、試行錯誤の連続。しかしどれも、いまひとつインパクトに欠けていました」(前出・ディレクター)

このままでは、爪痕を残す女優にはなれない。そんな福原の思いを吹き飛ばしてくれたのが、ドラマ『3年A組—今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)。この作品で、福原は視聴者の心を鷲掴みにする。

「本作は、卒業間近の高校を舞台に3年A組担任の柊一颯(菅田将暉)がクラス全員を人質に取り、クラスメート景山澪奈(上白石萌歌)の死の真相を生徒たちに考えさせる学園ミステリー。福原が演じるのは、ダークな恋愛体質の元水泳部員・水越涼音。水泳部を理不尽な理由で退部させられた過去から、顧問が澪奈自殺に関わるフェイク動画の黒幕であると決めつけ、告発動画をネット上に投稿しようとする。

しかし顧問は黒幕ではなく、告発動画も未然に阻止できたことから『よかったぁ』とつぶやく涼音に、一颯は怒りをあらわにする。菅田の鬼気迫る迫力に福原は顔をくしゃくしゃにして震え、涙が溢れでる迫真の演技には〝ガチ泣き〟〝破壊力半端ない〟といった反響が寄せられました」(前出・プロデューサー)

それ以来、木村拓哉主演のスペシャルドラマ『教場II』(フジテレビ系)でも爪痕を残すと、’21年に発表された『ネクストブレイキング〜女優編〜』で1位を獲得。その後もドラマ『ゆるキャン△』シリーズ(テレビ東京系)、『アンラッキーガール!』(日本テレビ系)、『正直不動産』(NHK)で主役やヒロインを演じると朝ドラ『舞いあがれ!』でついにヒロイン役を射止め、国民的な女優へと成長を遂げている。

〝舞の壁になる〟と自分に言い聞かせながら、めぐみを演じてきたという永作。女優・福原遥には菅田将暉、永作博美に勝るとも劣らない〝さらなる壁〟が必要なのかもしれない――。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

  • PHOTOPasya/アフロ

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