嵐活動休止会見に見たチーム力 5人の絆こそ「進化するアート」だ

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国民的アイドルグループとして活躍し続け、結成20周年のアニバーサリーイヤーを走り抜けようとしていた「嵐」が1月27日の夕方、突然の活動休止発表をして世間を揺るがした。デビュー以来彼らのライヴを見続けてきた、ジャニヲタ歴25年のライター喜久坂京がレポートする。

何かとても美しいものに出会えた気がした。心が浄化されていくような。

昨年の12月25日。東京ドームで、嵐の「ARASHI Anniversary Tour 5×20」を観終わったときの、それが最初の印象だった。

日本で最も手に入りにくいライヴチケットと言われて早10年――。嵐のライヴに足を運ぶたびに、それが日常から隔絶した“地上の楽園”であることを実感してきた。もちろんそういった“楽園性”は、誰のライヴにもつきものである。大好きな人たちが目の前にいて、大好きな音楽を全力で届けてくれるのだから、ライヴとは幸福以外の何物でもない。でも、この日の嵐のライヴは、その幸福の迫力がケタ違いだった

なぜそんなに心が揺さぶられたのか。筆者なりに分析すると、一つには、通常のアルバムツアーとは異なるため、予習の必要がなく、思い出深い曲ばかりで構成されていたことが大きかったと思う。だからこそ、曲ごとに感じられる一体感が強烈な多幸感につながり、また、ライヴで聴きたかった曲がほとんど全て聴けたことの満足感もあった。一曲一曲の演出やアレンジ、全体の構成が、これこそ嵐のライヴの集大成、決定版であり、キャリアの絶頂であることがヒシヒシと感じられたこともある。

それにしても、この感じ、何かに似ている――。そう思って記憶を辿ってみると、半年前に同じ東京ドームで観た、安室奈美恵のファイナル公演での景色がふと思い浮かんだ。内容的にも、気迫的にも、規模的にも、それ以上を望めないスーパースペシャルなライヴ。何一つ出し惜しみせず、全身全霊で、“頂点”を目指して作られたライヴ。ファンも「これが最後!」「全てを目と耳に焼き付けよう」と意気込んで臨んだ安室奈美恵のライヴに通じるような、美しさと楽しさ、一抹の切なさを体感させてくれた。その時には素直に、「ライヴアーティストとして、嵐はすごいところに到達したんだな」と思った。237万人を動員するための説得力が、このライヴにはあった。

年末のライヴに、そんな印象を持っていたせいかもしれない。1月27日、嵐の活動休止を知ったとき、もちろん驚きはしたし、ショックだったけれど、「ああ、だから1ヵ月前のライヴが、あんなに気迫のこもったパフォーマンスだったのか」と、どこかで納得する自分がいた。最後の挨拶で相葉雅紀が「嵐は、みんな優しいよね」と語っていた、そのシーンが脳裏にまざまざと蘇った。会見で、櫻井翔は、「嵐の絆は、過去最大に深くなっている」と語っていたけれど、「ARASHI Anniversary Tour 5×20」で、最も美しかった景色はまさにその“5人の絆”そのものだった。会見を通しても感じたことは、5人の優しさと、チーム力こそが彼らの最大の武器で、それこそが誰も模倣できない“進化するアート”だということだった。

仕事柄、取材のためにライヴに足を運ぶことも多い筆者の場合、ライヴを観るときは、「そのアーティストならではの独自性があるか」「いかにそのステージに誠実に真剣に取り組み、自分たちの“今”をさらけ出しているか」に注目するようにしている。シンプルな言葉に置き換えれば、“オリジナリティ”と“物語性”と“全力感”。ライヴは、そこにこそ価値があると筆者は思う。嵐に限らずジャニーズのライヴは、いつもちゃんとその3つを兼ね備えているから、観ていて飽きないのだが、先日の嵐の会見を見たときは、「まるで、歌っていないライヴみたいだ」と思った。「コトバノチカラ」を信じる彼らは、あのとき全力で、自分たちの物語と心とを言葉に置き換えていたし、彼ら一番のオリジナリティであり嵐のアイデンティティーである“仲の良さ”と“絆”、“5人で嵐”ということが鮮やかに浮き彫りになった。あの会見を見て、嵐のファンでなかった人でも、「嵐って、いいな」「仲間って、いいな」と感じたはずだ。

80分にもおよんだ会見で、あの、和やかな空気を作り出せた彼らは、本当に、仲間を思いやり、ファンを思いやる、そんな優しさに満ち溢れた人たちなのだと思う。でも、だからこそ“活動休止まであと2年ある”“解散ではない”と言われても、ファンの喪失感は深い。多くのファンにとって、嵐は、日常を生き抜くために必要不可欠なエネルギー源だ。“彼らが笑っているから頑張れる”。“年に1度、ツアーで会える、その時まで、恥ずかしくない私でいよう” ――そんな風に、嵐によってエネルギーをチャージされてきた日々を、嵐がいなくなったらどうやって乗り越えていけばいいのか、と。

でも、その答えを、今出す必要はない。気持ちを切り替える必要もない。嵐の絆は、嵐との絆は、今この瞬間にも進化している。本気で泣いて、本気で笑って。本気で悩んで、本気で生きて。だからこそ、今があって、未来がある。嵐の存在には、いつも“学び”がある。“気づき”がある。

今あらためて「5×10」の歌詞を噛みしめる。10年前よりももっと強く、美しく深化した彼らの絆がそこに映し出される――。

 

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  • 喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。広くジャニーズの素晴らしさを知ってほしいと思い、FRIDAY デジタルにジャニーズのコラムを寄稿することに。

Photo Gallary1

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