<p>ここ、一軍球場？　４月下旬のジャイアンツ球場（神奈川・川崎市）では、そう見紛（みまご）うほどのビッグネームたちが汗を流していた。菅野智之（33）に梶谷隆幸（34）、そして今季ソフトバンクから新加入の松田宣浩（39）。練習をこなすベテランたちは時折笑みを浮かべていたが、チームはまるで笑えない状況にある。巨人は開幕７カードを終えて８勝12敗、中日と最下位争いを繰り広げているのだ。原辰徳（64）政権17年目の開幕大コケ――そこには「５つの原因」があった。</p>
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<h3>″全権監督″原辰徳</h3>
<figure id="attachment_308876" aria-describedby="caption-attachment-308876" style="width: 1349px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2b0c9046"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/2023041815635.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308876" class="wp-caption-text">今季は投手交代の際、自らマウンドに駆けつける。時間短縮のためというが、若手投手にはプレッシャーだろう</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">①エース・菅野の調整失敗</span></p>
<p>先発ピッチャーのコマ不足は明らかだ。菅野と戸郷翔征（23）のダブルエース構想も、菅野の離脱で霧散。ヒジや腰と故障続出でここ数年働けていないエースに、野球評論家の伊原春樹氏はこう手厳しい。</p>
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<p><span class="strongInContent">「見るからにボテッとしている。身体に負担がかかるのは当然でしょう。20代の頃のような投球はもう難しいのではないでしょうか。日ハムの新庄剛志監督（51）は清宮幸太郎（23）に減量を厳命、今季活躍しています。菅野にモノ言えるコーチがいればいいのですが……」</span></p>
<p><span class="strongInContent">②中継ぎ陣のテコ入れなし</span></p>
<p>最大の補強ポイントだったはずの中継ぎには、なぜかテコ入れゼロ。デラロサ（34）やビエイラ（30）が退団し、むしろ戦力ダウンとなった。守護神・大勢（23）以外「日替わりリリーフ」なのは、今シーズンも変わっていない。</p>
<p><span class="strongInContent">「『マシンガン継投』は原監督の肝入りで、曲げるつもりはないとか。当然ブルペンに負担がかかり、’20年に移籍して以来、中継ぎを支えてきた高梨雄平（30）も勤続疲労が見えて二軍落ちしました。元日本代表ながらケガで育成契約となったセットアッパー中川皓太（29）も、復帰のメドは立っていない」（夕刊紙デスク）</span></p>
<p>当然のようにチーム防御率はリーグワースト。投手陣からさらに離脱者が出れば、夏前にＢクラスが決まるだろう。</p>
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<p><span class="strongInContent">③コロコロ替わるオーダー</span></p>
<p>開幕20試合で18通りの打線を組んだ原巨人。得点はリーグトップながらゲッツーも頻発し、チームに流れを呼び込めない。打率１割台に沈む坂本勇人（34）や丸佳浩（34）の不振がその一因だ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「現役ドラフトで獲得したオコエ瑠偉（25）が１番で開花したのは奇跡に近い。４番岡本和真（26）の前に置く打者が現状いないのが苦しいところです。坂本や丸の代わりが務まる中堅野手を育てられなかったのが原因」（巨人ＯＢ）</span></p>
<p>打順を固定しないのではなく、できないというのだ。途中出場するのは、出戻りの長野久義（38）や松田などロートル選手。球場は盛り上がるが、結果は――。</p>
<p><span class="strongInContent">④ミスしたら「即二軍」で若手が萎縮</span></p>
<p>昨季５勝を挙げ、ローテの一角を期待された赤星優志（23）も結果を出せず、ファーム落ち。チームの不調は若手のアピールチャンスだが、当人たちは萎縮しているという。スポーツ紙巨人番の弁。</p>
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<p><span class="strongInContent">「原さんはとにかく我慢して使うということができない。だから、赤星ら若手は一軍に上がれても、『ここで四球を出したら二軍行きか』という重圧の中で投げている。ハッキリ言ってファームの空気は悪いですね。『他の球団に出してもらいたい』とコボす若手選手が多くいます」</span></p>
<p><span class="strongInContent">⑤「原のイエスマンだらけ」の首脳陣</span></p>
<p>超長期政権で、チーム首脳は阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ（44）ら”全権監督”のイエスマンだらけになった。</p>
<p><span class="strongInContent">「菅野の調整不足やマシンガン継投を諫（いさ）めるスタッフがいない。唯一原監督にＮＯと言えたのが桑田真澄（55）ですが、ファーム総監督という監督から遠いポストに”更迭”されてしまった」（同前）</span></p>
<p>「日本一を奪って勇退したい」と周囲に漏らしているという原監督だが、その青写真は実現しそうにない。</p>
<h3>菅野智之 年俸:5億円</h3>
<figure id="attachment_308878" aria-describedby="caption-attachment-308878" style="width: 1236px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="46eb13d9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/8a6754066d1fcc3454d5694da238827c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308878" class="wp-caption-text">フォームチェックを繰り返す菅野。３月のオープン戦で緊急降板して以降、今シーズン一軍での登板はまだない</figcaption></figure>
<h3>梶谷隆幸 年俸:2億円</h3>
<figure id="attachment_308881" aria-describedby="caption-attachment-308881" style="width: 1919px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="014e1ed7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/929fe5a488b51ef9bab507624f46ccd7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308881" class="wp-caption-text">’20年にFAで加入も、ケガが重なりフルシーズンで活躍を見せていない。実績と現状のギャップを埋められるか</figcaption></figure>
<h3>松田宣浩 年俸:2000万円</h3>
<figure id="attachment_308879" aria-describedby="caption-attachment-308879" style="width: 1572px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="971e0256"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/6219c9a611bef7b9ddd27b004a37634b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308879" class="wp-caption-text">初のセカンド守備で話題になった”熱男”も、移籍早々背水の陣。三塁には不動の４番、岡本がいるが……</figcaption></figure>
<h3>坂本勇人 年俸:6億円</h3>
<figure id="attachment_308877" aria-describedby="caption-attachment-308877" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a3a509b7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/jpp044856102-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308877" class="wp-caption-text">中絶騒動などでファンの支持も失った前主将。レジェンド級のバッティングセンスを取り戻すことはできるのか</figcaption></figure>
<h3>桑田真澄 ファーム総監督</h3>
<figure id="attachment_308880" aria-describedby="caption-attachment-308880" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="72cc464a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/319f050cf5f1aeae90bf213784fc72cb.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308880" class="wp-caption-text">ファームで打撃投手を積極的に務める桑田。若手選手の支持も厚いが、その声はなかなか原監督に届かない</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年5月12・19日号より</p>


西原 秀

ジャイアンツ球場で練習をこなすベテランたちは、汗を流し、時折笑みを浮かべていたが…チームはまるで笑えない状況にある！原辰徳政権17年目の開幕大コケ――そこには"５つの原因"があった…

全権監督の″大暴走″でチームはガタガタ

「昔のビッグネーム」をかき集め「中継ぎ不足」は放置…今年の原巨人がとにかく弱すぎる「５つの原因」

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