西武・山川穂高〝わいせつ致傷〟のウラに「何とかなる」大甘体質と「後手後手」の球団対応
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にも出場した西武ライオンズ・山川穂高の〝わいせつ致傷報道〟が波紋を広げている――。
5月11日の「文春オンライン」が伝えた内容によると、’22年に都内ホテルで20代の知人女性Aさんに性的暴行を加え、警察に強制わいせつ事件として被害届が受理されたという。手荒く扱われたAさんは出血し、山川に対し処罰感情を持っているという。
山川が在籍する西武球団はトラブルの報告は受けているとした上で、現在は代理人に対応を一任。当の山川はAさんと男女の関係にあったことは認めたが、報じられている「無理矢理」という部分は強く否定している。
「山川は妻子持ちで、長女はまだ幼い。文春の直撃取材にAさんとは『同意の上だった』という主張を繰り返していますが、浮気自体は非を認めています。山川は西武の看板選手。野球選手を目指す子どもたちの模範にならなければいけないのに……」(スポーツ紙野球担当記者)
文春記者の直撃取材に逃げなかったのは良かったが、時系列を遡っていくと、スキャンダルの当事者としての緊迫感が感じられない。
文春オンラインに記事が掲載されたのは11日。記者の直撃取材は9日夜に受けたという。
にもかかわらず、山川は翌10日のロッテ戦に「5番・一塁」で先発出場。5回に反撃ののろしを上げる右中間を破る適時二塁打を放った。
「山川は開幕から絶不調で、これまでノーアーチ。4月には『下半身の張り』で二軍調整を経て、5月2日の日本ハム戦から一軍に復帰しました。故障理由の『下半身の張り』も、いまではネット上でイジられる始末です」(同・スポーツ紙記者)
この試合で山川は
「打ったのはストレートです。打てて良かったです!」
と頬を緩めていた。
前日9日にはスランプ脱却を見据え、こんな〝野望〟も口にしていた。
「ホームランを打てる気はしない。でも、1本打った瞬間に、打てる気しかしなくなる状態になることが経験上多々ある。そういう成分が脳から出るんでしょうね」
「40本ぐらい打ちたいと思っているんで。そういう意味では残り試合が少ないなと思う。ただ、いま(本塁打)1位のラオウ(オリックス・杉本裕太郎)が40発を何度か打っていて、あのペースで打たれたら負けですけど、本人は今(肉離れで)離脱していて、シーズンの最高本塁打が32本ということを考えると、まだチャンスがあるのかなと思います」
Aさんとのトラブルが表面化していないとはいえ、警察から事情を聴かれるなか、〝明るい未来〟について語っているのだ。
そこはプロスポーツ選手の〝強メンタル〟と言えばそれまでだが、心の奥底で「何とかなる」と考えていたのではないか。
それを裏付けるように、球団の対応も後手後手だった。
文春に報じられた11日も山川を一軍で起用して大ヒンシュクを買った。慌てた球団は翌12日に山川の二軍落ちを発表。その際の理由は
「総合的に判断してコンディション的に抹消」
だった。野球ライターが厳しい言葉を投げかける。
「直前に山川が復調に向けた手応えを話していますからね。いやいや、それ(コンディション不足)はないだろ…と誰もが思いましたが、それを堂々と発表しちゃうのが西武含めた〝野球村〟たる所以なんです。
それで何とかなるだろう、と。担当記者も『俺らは野球の取材をしている』という自負があるので、プライベートな話にはなかなか切り込みません。シーズン中に下手なことを書くと〝出禁〟を通達されることもありますからね。巨人や阪神などの人気球団ではその傾向が顕著です。だから野球選手は〝俺らは守られている〟と錯覚し、増長するんです」
Aさん側とは代理人を通じてやりとりしており、示談できればクビの皮一枚つながるが、交渉決裂となれば、警察が動く可能性もある。このご時世、〝性加害〟はキャリアに大きな傷をつける。球団サイドも隠蔽体質と思われれば、ファン離れを招きかねない。
一体今後西武、そして山川はどう動くのか――。
PHOTO:CTK Photo/アフロ