ジャニー喜多川氏「性加害報道」に…ベテラン芸能レポーターが語る「後悔と責任」 | FRIDAYデジタル

ジャニー喜多川氏「性加害報道」に…ベテラン芸能レポーターが語る「後悔と責任」

芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”

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ジャニー喜多川氏の性加害報道について謝罪した藤島ジュリー氏(左)とベテラン芸能レポーターの石川敏男氏(右)
ジャニー喜多川氏の性加害報道について謝罪した藤島ジュリー氏(左)とベテラン芸能レポーターの石川敏男氏(右)

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界〝あの出来事のウラ側は……〟》

ジャニーズ事務所の元社長・ジャニー喜多川さんによる「性加害問題」は、大きくなる一方だ。

「お前らマスコミは、もっともっと前から知っていたはずなのに、知らん顔してきたんだろう。お前らにも責任がある」

という声も、日に日に大きくなっている。

確かに、長く芸能記者をしてきたオレも、具体的なことはともかく、ジャニーさんの性的なウワサは知っていた。

かつて東京・麻布十番のはずれにあった24時間営業の薬局には、若い子を連れたジャニーさんの姿が何度も見られたという。超高級栄養剤を若い子に買わせていた。

そこの店員は、オレの情報源でもあった。彼はジャニーさんたちがどういう使い方をするのかも教えてくれたが、一度も記事にすることはなかった。

この問題が表面化したのは’88年だった。

元『フォーリーブス』の北公次さんが、ジャニーさんからの性被害を自著の告白本で明らかにしたからだ。しかし、その出来事は、ものの見事に消えてしまった。

そして、平成に入った’99年に雑誌「週刊文春」が、ジャニーさんの性被害を告発することになるが、事務所側は名誉棄損で裁判を起こした。

ジャニーさんや被害少年も出廷して証言し、東京高裁は性的虐待の「事実を認定」することに。裁判は最高裁まで進んだが、判決は変わらず’04年に判決は確定している。だが、メディアもオレも報じることはなかった。

当時、レポーターだったオレには「長いものに巻かれろ」的な忖度があった。ただ、オレだけではなく、番組関係者からは誰一人として

「報じるべきではないか!」

という声は上がらなかった。

上層部からNGが出るのが分かっているからだ。だから、〝報じるかどうか〟という話し合いの場にすら、この件は上がらなかった。今さらながら情けない話だ。

’19年5月にジャニーさんが逝去。今年、議会に一度も出席せずに参議院議員資格を剝奪された暴露系ユーチューバーのガーシー氏と元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんとの生配信でジャニーさんによる性被害が再び明るみに出ることになった。

そして英国BBCが、性被害者のドキュメンタリー番組を放送し、オカモトさんが記者会見を開くことになった。それを受けた形で、現社長の藤島ジュリーさんが謝罪動画とコメントを発表する。

芸能界に長く君臨してきたジャニーズ事務所。あの〝顔出し〟謝罪は、芸能界の歴史が大きく変わる瞬間でもあった。

「まず、被害を訴えておられる方々にどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる極めて深刻な問題だと受け取りました。当然のことながら問題は一切なかったとは思っておりません。(中略)目の前に被害にあった方がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております」

と謝罪した。現社長がどこまで知っていたかはわからないが、気づいてはいただろう。

被害者たちが発言できない環境があったことも事実だが、腰抜けのオレたちにも被害者を生んだ責任はあるだろう。

  • 石川敏男(芸能レポーター)

    ‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中

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