『水曜日のダウンタウン』も「スポンサー向け企画」多数? スポンサーの顔色をうかがう地上波テレビ | FRIDAYデジタル

『水曜日のダウンタウン』も「スポンサー向け企画」多数? スポンサーの顔色をうかがう地上波テレビ

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側《連載 第251回》

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スポンサーの商品を劇中で使いすぎてニュースになってしまった『#家族募集します』のロケに臨む主演の重岡大毅(30・左)と仲野太賀(30)
スポンサーの商品を劇中で使いすぎてニュースになってしまった『#家族募集します』のロケに臨む主演の重岡大毅(30・左)と仲野太賀(30)

4月30日に放送されたABEMAのバラエティ番組『チャンスの時間』の、思い切った試みに注目が集まっている。

番組内の企画「第2回大パチンコ大会!芸能界最強パチフェッショナルは!?」の合間に、柴咲コウ(41)を起用したパチンコメーカー37社で構成される日本遊技機工業組合による「KIBUN PACHI-PACHI委員会」のCMが集中的に流されたのだ。

「『チャンスの時間』のパチンコ、パチスロ企画は視聴者人気が高い。そこにリーチさせたいスポンサーの意向が働いたのでしょう」(広告代理店関係者)

ABEMAでは、「スポンサーの意向を汲(く)んだ番組作りは珍しくない」という。

「ボートレース振興会の買い取り枠でレース中継番組を放送しています。″若者の車離れ″を食い止めるべく、TOYOTAがたくさんのCMを打っているのを受けて、企画段階から″TOYOTAの車を利用した企画や番組″の募集がよく行われています」(放送作家)

スポンサーを意識した番組作りは、地上波でも行われている。「攻めた企画で人気の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、スポンサー向けの企画が多数放送されている」と指摘するのは、前出の広告代理店関係者だ。

「1月に放送された『愛煙家対抗 負け残りタバコ我慢対決』は″ニコチン依存の怖さがよく伝わる啓蒙的作品″と一部で絶賛されましたが、同番組のスポンサーにJT(日本たばこ産業株式会社)が入っているのがポイントです。大食い企画でジャイアント白田(44)の喫煙シーンが必ず使われるなど、『水ダウ』で出演者がタバコを吸う場面が散見されるのは、大口スポンサーであるJTを立てるためだといいます」

YouTubeや見逃し配信の定着もあって、テレビ局はインターネットに広告を奪われる一方だ。広告費の減少は制作費の削減に直結するため、制作会社ディレクターは「少しでもスポンサーを離さないよう、テレビ局は試行錯誤している」と解説する。

「情報番組内で、スポンサーやタイアップ費を貰っている企業の商品をさりげなく紹介したりしますね。SNSやネット上ではPR表記がないと″ステマ(ステルスマーケティング)″に該当してしまいますが、テレビなら番組の最後に流れるエンドロールに″番組協力″としてクレジットすることで、グレーゾーンに持ち込むことができる」

ドラマでは、劇中で出演者がスポンサー企業の商品を使うことが″定番″となっているが、スポンサーに阿(おもね)りすぎて失敗したケースもある。

「’21年にTBS系で放送された『#家族募集します』で、スポンサーの『Airdog』の空気清浄機がやたらとアップで映されたため、″何かの伏線では?″と視聴者の間で話題になってしまったのです(笑)。この件はネットニュースで取り上げられ、以後、露骨にスポンサーの商品を使うドラマは減りました。しかし、それぐらい民放ではスポンサーの顔色をうかがいながら番組作りが進められているのです」(キー局プロデューサー)

ここ数年、優秀なテレビマンの独立や退社が相次いでいるのも、むべなるかな、なのである。

『FRIDAY』2023年6月9日号より

  • PHOTO近藤裕介

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