山下達郎が「ジャニーズ性加害」への〝ナマ釈明〟で犯した「2つのNGワード」
大物シンガーソングライターの山下達郎が、スキャンダルの渦の中に飛び込んだ――。
山下と言えば、歌い手としてもヒット曲多数。作詞・作曲でも多くのアーティストに楽曲提供するなど、昭和から令和を跨いで音楽と向き合ってきた。
当然、スキャンダルやゴシップ誌のターゲットになることは皆無。ただただ音楽に没頭してきたわけだが、ここにきてジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏の性加害問題に巻き込まれてしまった。
発端は音楽プロデューサーの松尾潔氏が山下の所属事務所『スマイルカンパニー』から〝契約解除〟されたこと。原因は松尾氏がジャニーズ事務所の性加害問題に苦言を呈してきたからで、同氏は7月1日にツイッターで
《山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと》
と明らかにした。スマイルカンパニーとジャニーズ事務所は昵懇で、山下は近藤真彦やKinKi Kidsなどのジャニーズタレントに楽曲提供している。
そうしたなか、山下は9日放送のTOKYO FM『山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック』に出演。松尾氏の契約解消について、もともと同氏との間に雇用関係はなく
「契約終了については事務所の社長の判断」
「契約を終了するよう促したわけではない」
と否定した。
さらに、性加害問題については
「漠然としたウワサでしかなくて」
と述べ、週刊文春とジャニーズ事務所が争った’99年の裁判も
「知らなかった」
とコメント。
「性加害は許しがたいこと」
としながらも
「音楽業界の片隅にいる私に、ジャニーズ事務所の内部事情などまったくあずかり知らぬこと。まして性加害の事実について知るすべはまったくありません」
と語った。
この〝知らなかった〟発言にファンは敏感に反応。ジャニーズ事務所現社長の藤島ジュリー景子氏が発した言葉と同じだったからだ。
ネット上では
「本当に知らなかったのか」
「ウワサで聞いていたのなら、なぜ真偽を確かめなかったのか」
という指摘が噴出。仮に〝知らなかった〟としても、すでにジャニー氏の性加害は事実認定されており、それに苦言を呈した松尾氏を〝切った〟のなら
「性加害は許されない」
という自身の主張と矛盾するといった意見もある。
「言い分としてはジュリーさんとほぼ同じ。このタイミングで『知らなかった』はNGワードですね。音楽業界の〝良心〟と思われていただけに、山下さんには幻滅の声が上がっています」(スポーツ紙記者)
もう1つ、山下は〝NGワード〟を発してしまった。終盤に
「ま、このような私の姿勢をですね、忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」
と述べたのだ。
「独特の〝ほんわかボイス〟でしたが、言っていることはエゲつなかった(笑)。意訳すれば、自分と意見の異なる人は〝客とは思わない〟ということですからね。古参のファンの中にも『ガッカリした』という人がチラホラ見られます」(同・スポーツ紙記者)
これもひとえに山下がスキャンダル慣れしていないことが挙げられる。番組冒頭
「今の世の中は、なまじ黙っていると言ったもの勝ちで、どんどんウソの情報が拡散しますので、こちらからも思うところを、正直に率直に、お話ししておく必要性を感じた次第であります」
と言ってのけたが、結果的に〝NGワード〟に触れたことでマイナス効果の方が大きくなってしまった。中堅レコード会社のプロモーション担当は
「この手の〝火消し〟は事務所と入念にリハーサルするのが定石ですが、山下さんクラスになってしまうと、事務所は口出しできません。本人的にも『逃げも隠れもしない』という意識が強かったのではないでしょうか」
と推察する。
大手プロダクション幹部も
「山下さんのキャラクターからして、この問題に関しては事務所に対応を任せることがベターだった」
と断言する。山下の〝本心〟を聞けたのは良かったが、余計な〝色〟が付いてしまった感は否めない。ジャニーズ性加害問題は各方面に影響を及ぼしている――。