「カラダぐぅ〜」誕生秘話 「さんまモノマネ芸人」ほいけんた 還暦間近でたどり着いた“イジられ芸” | FRIDAYデジタル

「カラダぐぅ〜」誕生秘話 「さんまモノマネ芸人」ほいけんた 還暦間近でたどり着いた“イジられ芸”

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100点満点を叩き出し明石家さんまのモノマネで喜ぶほいけんた
100点満点を叩き出し明石家さんまのモノマネで喜ぶほいけんた

「カラダぐぅ〜 夏にナ〜ル」

「あ〜君は〜〜〜くるっく〜!」

これらのフレーズで、大バズりしている芸人がいる。ほいけんた(58)である。明石家さんま(68)のモノマネ芸で人気を博しているが、若いお笑いファンにとっては、“鬼レンチャンでバズった人”と言った方がわかるかもしれない。

「鬼レンチャン」とは、人気バラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)のこと。挑戦者が特定のテーマに沿った「連続クリア・連続正解」にチャレンジし、その模様をスタジオの千鳥とかまいたちがモニターで見ながら「より多くの連チャン(連続成功数)を重ねられるのはどちらか」を予想し、その合計数で勝敗を競うゲームバラエティだ。その中の音程を外さない「カラオケチャレンジ」で「10曲連続成功」すれば、「鬼レンチャン」となる。

ほいは、’20年に放送された『鬼レンチャン』の前身番組に出演。その時は、5連チャン止まりだった。

「当時は、真剣に歌って5連チャンで終わったんです。面白いことはできなかったけれど、歌には自信があったのに納得がいかなかった。でも、まさかその時の映像がきっかけで、今の流れができるなんて想像していませんでした」

通常放送は’22年5月から始まったが、ほいがすぐに出演することはなかったという。

「放送開始前にプロデューサーから、『ほいさん、とりあえず前回(’20年)出た時の映像を使わせてもらっていいですか』と言われたので、僕は家で毎週オンエアを観ていたんです。そうすると、3回に2回くらいのペースで僕の写真や動画が番組で使われている。誰かが歌った時に、千鳥やかまいたちが、『ほいけんたはな…』とか、『ほいけんたの方がええなあ』とか言ってくれて、僕の歌っている映像が流れる。僕はそれを観てびっくりするわけです。

その映像というのが、背の高い(182センチ)僕が低い位置にあるモニターを見るために少し屈んで、モニターを凝視しながら歌っている。それを千鳥のノブが、『この人は背中釣られとんのか?』とか、大悟が『ほいけんたの目はパンティーを覗く時の目やな』とか、すごく面白くイジってくれて。僕が出ていないところで勝手に盛り上がって、鬼レンチャンの準レギュラーみたいになっていたんです」

ほいが2度目の出演を果たしたのは、’22年9月。この時に鬼レンチャンを果たすのだが、話題になったのはそこではなかった。5曲目に河村隆一の『Glass(グラス)』を歌った後、歌詞の『このこ〜こ〜ろは〜』の部分についてスタッフから、「こ〜こ〜ろう〜と歌ってましたよ」と指摘されたのだ。

「そもそも僕はウケるためではなく、音程バーに音が引っかかるために『う〜』にしたんです。でも、視聴者にもインパクトが大きかったようで、その時の動画を切り抜いて皆さんが勝手にYouTubeにあげ始めたんです。その数は100パターン以上で、その一つ一つが再生数を稼いでいました。

それをまた大悟がイジってくれたんです。『ほいけんたのYouTubeもすごいぞ。登録者数今何人おるん?800人?えー!?少なっ』って。その日の夜に2000人になりましたよ。だから、すぐに登録してくれた視聴者のために映像を作ってアップしました。『こ〜こ〜ろう〜!』と歌った動画をアップしたんです。すごく叩かれました(笑)。『何調子乗ってんだ!番組でやってるから面白いんだ!』って。でも、炎上したことで100万再生いきました。叩いても観たくなる中毒性があったんでしょうね。気がつけばそういう変なバズり方をしているんだけど、僕にとってはオイシかった」

ほいの経歴は、芸人としてはかなり特殊だ。デビューはアクション俳優だった。3年ほどして芸人に転向するも、趣味だったマジックの腕を買われて、プリンセス・テンコー主演のミュージカルに出演。一緒に海外公演などにも同行した。芸人としても日本だけでなく海外でもパフォーマンスを披露。’93年に『発表!日本ものまね大賞』(フジテレビ系)に出演し、初めてさんまのモノマネを披露。以来、モノマネ芸人として活躍するが、’99年にはバルーンアートの第一人者として、作品集や書籍を発売。’01年からはコメディアンとしてディズニーシーホテルミラコスタのブライダルのショーに7年間出演している。

「だから、自分は今でもこれがお笑いというつもりはないんです。ショーかエンターテインメントをずっと考えてやってきたので、面白いことを喋るのは好きだけれど、カラオケに関しては勝手にイジられてこうなったというか…」

そして、今年の1月、『T.M.Revolution』の『HIGH PRESSURE(ハイプレッシャー)』で「からだが〜夏になる」のところを「からだぐ〜」と歌い、ほいの知名度は若い人たちにも一気に広まった。

「普段から、さんまさんのモノマネをしているので声帯がかなり弱っていて、『からだが』の母音が『あ』で、最後は高音の『が』という濁音なので声がもたない。だから、ちょっと喉を絞って『グァ』と歌った。すると、かまいたちが『こんなん失格やろー!』なんて言いながら笑い転げてくれて。これが『からだぐ〜』の始まりです」

だからと言って、営業でこのネタを披露しても全くウケなかったという。

「一回だけ、高校の卒業式前のイベントに呼ばれた時にやったんですけど、ものすごくスベりました(笑)。やっぱり、置きに行ったらダメですね。そこで気づいたんです。やっぱりこれはMCにイジられてる僕が面白いんだなって」

ピークは、7月22日に放送された『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)だった。布施明の『君は薔薇より美しい』のザビの部分で、「あ〜君は〜変わった〜!」を「あ〜君は〜くるっく〜!」と歌ったことがウケて多くのネットニュースに取り上げられた。ほいの知名度は一気に全国区となったのである。

「『からだぐ〜』も、声がそうしないと出ないからそうやっているだけで。空耳アワーじゃないけれど、テレビで画面に『ぐ〜』って書かれたら、自分もぐ〜に寄ってっちゃうんですよ。『くるっく』も最初は『くるっく』じゃなかったんですよ。でも、そこまでウケたら完全に『くるっく〜』でやった方がいいんじゃないかと」

だからと言って、この流れがいつまでも続くとは毛頭思っていないという。

「僕はこれまで、バルーンアートとかマジック、さんまさんのモノマネで目の前にいるお客さんを楽しませようと思ってやってきました。エンターテインメントショーがメインだという気持ちは変わりません。ただ、これはテレビから頂いた運ですから、需要がある限り、しっかりご期待通りに歌わせてもらいます」

ほいの快進撃は、まだまだ続きそうだ。

インタビューの間も、たびたび明石家さんまになって語ってくれた
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完全にさんまが憑依した表情、声、仕草
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カラオケを真面目に歌う表情も面白いとウケた
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絶対音感があるので、絶対に音を外すことはないという。予言通り、一曲目でいきなり100満点を叩き出した
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普段のほいの声は、かなり渋い。ナレーションの仕事もこなしているという
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  • PHOTO小檜山毅彦

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