フリーアナウンサー・神田愛花「合コンは何事にも勝る!!」前編

「出会いの場にはよく行ったの？」と聞かれたら、私は必ず「合コンには行きました！」とハッキリ答える。

昨今、異性と知り合う場はマッチングアプリやインターネットが主流になったと聞く。たしかに、わざわざ時間と場所と人数を合わせて開催する合コンは面倒だ。でもそこをグッと堪えて、可能な限り合コンを開催してほしい。一対一になってしまうマッチングアプリよりも、短時間で多くの方の話を聞くことができる。普段出会えないような人たちとの出会い、新たな発見があるのだ。

合コンに行っていた私なりの理由も三つある。

一つ目は、「先輩の誘いは絶対に断れないから」。ＮＨＫ入局５年目の27歳の時、初任地の福岡放送局から東京に異動した。女性アナウンサーの在籍数が多い東京では、人知れず開催されている”ご飯会”という名の合コンの数も、地方に比べると圧倒的に多い。先輩の言うことは絶対な時代。先輩に気を配りつつお相手の人となりを短時間で見極める。この時は仕事並みの集中力で乗り切った。

二つ目は、「栄養が摂れるし食費が浮くから」。私が参加した会はフルコースのフレンチやイタリアンの高級レストランが多かった。お腹いっぱいになる上、すべてお相手の男性陣がお支払いをしてくれた。こんなありがたい状況が続くのなら、１ヵ月のうち何日間、夜ご飯にお財布を出さずに過ごせるんだろう!?　と思い、毎月”無料夜ご飯チャレンジ”をした。結果、最高記録は16日。それ以上はもうヘトヘトで仕事が疎(おろそ)かになってしまう。しかし月の半分以上の夜を３時間近く人と会話し続け、脳みそフル回転で過ごしていたら、いつの間にか人を観察する力が鍛えられていた。

三つ目は、「”その時歴史が動いた”を目の当たりにしたから」。ある日の合コンは、会社の社長さん３人がお相手だった。今「へ〜、やっぱり社長って遊んでるんだねぇ」と思ったそこのアナタ。違うんです。魅力的な社長さんは多忙な日々を過ごしている。合コンは女性と出会うだけでなく、社長同士の出会いの場としても重要な役割を担っているのだ。

御三方は「初めまして、お会いしたかったんです」とか、「ようやくゆっくりお話しできますねぇ」などと言い合っていた。そして女性陣とお喋りする合間に社長同士でビジネスの話を進め、具体的に会社の提携話に発展。それがその場だけの話で終わらず現実となったようで、後日Ｙａｈｏｏ！ニュースの経済欄に掲載されていた。（これだから合コンはやめられない！）と興奮した出来事だった。

実録！　愛花が出会った男たち

お相手の男性たちを観察し蓄積したデータを私なりに分析した、職種別の特徴がある。一部を紹介していこう。

●外資系金融サラリーマン

常にお金を稼ぐことを考え、すべてはTime is money。家の掃除や料理などお金で解決できることは他力に任せ、お付き合いする女性が家庭的でなくても特に問題はない。あまりに財力を持ち過ぎたせいで親族から金を無心され、何年も疎遠になっている人も。難点は、寄ってくる女性はお金目当てだと思い込み、自分の身の回りのことには高額を費やすが、女性へのプレゼントやお土産は安価な物にしておいて、様子を見る傾向があること。ちなみに「スポーツカーとエコカー、僕が新しく買うならどっちがいいかなぁ？」という質問には、「エコカー！」と答えるとイチコロだ。

●既婚者であるにもかかわらず積極的に参加する社長

会の冒頭で「いつもお世話になっている◯◯君を助けたくて」と言って”僕はついでですから感”を出してくる。そして100％と言っていいほど「仕事場」と称する別宅がある。都心のマンションの一室であることが多く、会話の節々でそこからの景色を見せたがる。大抵すでに愛人がいて、奥様と愛人にバレないようにさらにお付き合いする女性を探している。”器用に不倫ができる男＝仕事ができる男”と信じ、そう口にする。いつもつるんでいる既婚者の仲間たちと頻繁に旅行やゴルフに行き、奥様にもそう伝えているが、実はお互い愛人も連れて来ていて口止めし合っている。

……と、まだまだこれだけでは終わらない！　後編では大企業の御曹司、若手ＩＴ企業の社長、政治家の特徴について紹介したい。

かんだ・あいか／1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』（フジテレビ系）にメインMCとしてレギュラー出演中

次週予告！
神田愛花が合コンに行きまくって得たものとは……!? 後編に続く！

『FRIDAY』2023年9月1日号より