フリーアナウンサー・神田愛花「合コンは何事にも勝る!!」後編

東京勤務となった27歳から夫と出会うまで、合コンに行きまくっていた私。その理由は前編で述べた。

前編はこちら【フリーアナウンサー・神田愛花「合コンは何事にも勝る!!」前編】

前編に続き、「私が合コンで出会った男性たちの職業別特徴の分析」を紹介しよう。

●代々続く大企業を継ぐ御曹司

歴史ある会社を継ぐ重みを幼少期から感じ、社員やその家族、さらには株主の人生まで想像して仕事をするよう教育されている。その想いを共有できるのは似た境遇にある者のみ。本音を話せる友達が少ないので、とても孤独だ。株主に納得してもらう必要があるため、妻の候補となる女性の勤め先や肩書にも敏感。難点は、お父様やお祖父様に妾がいることを知りながら育ったため、自分にも妾がいる人生が当たり前だと思っている節があること。

●ＩＴ企業の若手社長

社員やその家族の人生は本人たちが責任を持つという考え。会社をできるだけ高額で他社に売り、その利益で新たな会社を起業することが自分の使命だと信じ、安定とはほど遠い人生を楽しんでいる。難点は、女性は″連れて歩いた時にどう見えるか″が重要だと考えていること。外見はもちろん、華やかなイメージの職業の女性を求めがち。「◯◯さんは女優の△△と付き合っている」など、他のＩＴ企業の社長さんの交際情報をよく知っていて、だったら自分はこのくらいのレベルの女性と付き合うべきだ……と、他者との比較で恋人を選ぶ傾向がある。

●政治家
後々厄介なことが起きないよう、合コンに参加する女性を事前リサーチしがち。女性陣の出身地や出身校などをよく調べていて、私がコメンテーターのお仕事で発言した政治に対する意見までチェックしていた。全員揃ったところでサラッと、録音や隠し撮りをしていないかを確認。あまり深い話はせず、子供がするような下ネタがお気に召していた。24時間頭の中は仕事でいっぱいで、とても疲れている様子。プライベートにまで気を回せないからと、自立した女性を探す。

経験を活かすか殺すかは自分次第

これらは私が参加した合コンで観察し、感じた特徴であり、すべての方がこれに当てはまるわけではない。ただこの経験は後々、仕事にも活きた。

たとえば経済番組を担当していた時、歴史ある企業の創業家の社長さんにインタビューをした際、日々感じているであろう重責に寄り添うことで、表面的ではない、気持ちのこもった声色のインタビューを録ることができた。

ＩＴ企業の若い社長さんにインタビューした時は、感情的な言葉よりも、無機質で論理的な質問をすることで、テンポ良く進められた。結果的に、会社を手放すタイミングや今後の展望をスムーズに聞き出すことに成功した。

またある時、とある社長さんに「そのプロジェクトはどのような経緯でスタートしたのですか？」と質問するも、抽象的で曖昧な答えが返ってきた。でも私は合コンで″その時歴史が動いた″（前編を参照）を経験しているので、（あら！　合コンの場でスタートしたのかしら？）とすぐさま想像。（話しにくいのかなぁ）と解釈し、（お察ししますぅ）という顔で対応ができた。あの時のあの社長の（あなたデキル女ですね！）と言わんばかりの表情が忘れられない。

合コンに行きまくっていたと話すと、「品がない」とか「遊び人だ」と言う人がいる。確かに多少ハメを外したこともある。が、合コンを否定するのは、たいてい品のない会話やゲームをする合コンにしか行ったことがない人だけだ。

私がこれまで合コンでお会いした男性はどの方も、私にはない発想や視点を持っていた。そして異なる立場に身を置いているからこそ、違いが生まれることにも気づかされた。

私の世間での立ち位置や役割は何なのか？　何を目標にしたら楽しく過ごせるのか？　何を大切にしたら輝けるのか？　自分の今後を見つめ直す良いきっかけになった。つまり合コンは、参加する側の姿勢次第では人生の勉強の場にもなり、何にも代え難い経験が得られるのだ。

注：でも、これを読んでくれた女の子たち、油断は禁物よ。″質の良い合コン″をするためには、自分を高め、相手を見極めて。男はいつだって獣になるってことを忘れないでね。

かんだ・あいか／1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』（フジテレビ系）にメインMCとしてレギュラー出演中

『FRIDAY』2023年9月8日号より