予測!日本アカデミー賞「万引き家族」vs「カメラを止めるな!」 | FRIDAYデジタル

予測!日本アカデミー賞「万引き家族」vs「カメラを止めるな!」

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「万引き家族」(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
「万引き家族」(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

まれに見る混戦と言われた本家の第91回アカデミー賞。結果は実写映画の18個の部門賞を10作品で分け合う、という熾烈な戦いになった。

わが日本では、今日3月1日に「第42回日本アカデミー賞」が発表となる。こちらの関心は『万引き家族』(是枝裕和監督)の圧勝を、他作品がどの程度食い止められるのか? に尽きる。

作品賞の候補作は『カメラを止めるな!』『北の桜守』『孤狼の血』『空飛ぶタイヤ』そして『万引き家族』(五十音順)の5作品だ。

是枝作品は前回の第41回日本アカデミー賞でも圧勝だった。『三度目の殺人』が作品賞、助演男優賞(役所広司)、助演女優賞(広瀬すず)、監督賞(是枝裕和)、脚本賞(是枝裕和!)、編集賞(是枝裕和!!)の6部門に輝いている。

今回の『万引き家族』はカンヌ映画祭パルム・ドール(最高賞)に輝き、受賞は逃したが米アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた――。

「他のノミネート4作品や是枝監督自身の『三度目の殺人』と比べても『万引き~』の実績は圧倒的です。カンヌで審査委員長を務めた女優のケイト・ブランシェットが安藤サクラの演技を大絶賛しました。最優秀主演女優賞も安藤で決まりでしょう」(映画関係者)

『万引き~』の最優秀作品賞と監督賞、主演女優賞は揺るぎない状況だ。脚本賞、編集賞までも是枝監督が2年連続で受賞するのか、さすがに他の作品に譲るのか、くらいしか見所はないのかもしれない。

「カメラを止めるな!」 (C) ENBUゼミナール
「カメラを止めるな!」 (C) ENBUゼミナール

実はそんな中、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督にも注目だ。制作費300万円、公開2館で始まった自主製作映画が、監督賞はもちろん、脚本賞(上田!)、編集賞(上田!!)でもノミネートされており、是枝監督とまっこう勝負なのだ(逆に言うと是枝監督がインデペンデント映画的な作品創りをしている、ともいえる)。だが大健闘とは言え、是枝監督の牙城を崩すのは相当に難しい。

『万引き~』は主演男優賞でリリー・フランキー、助演女優賞で松岡茉優と故・樹木希林さん、さらに撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞でもノミネートされている。

「助演女優賞は『日日是好日』でもノミネートされている樹木希林さんで決まりでしょう。リリー・フランキーは、本人の問題ではなく“主演”というには、役柄がやや小さい。モントリオール国際映画祭で最優秀主演男優賞を獲った『終わった人』の舘ひろしに、分があるのでは。他の部門賞では、37分間のワンカット撮影が売りのひとつとなった『カメラを止めるな!』にも可能性はあります。唯一『万引き~』がノミネートされていない助演男優賞は、松坂桃李が優勢です」(映画ライター)

ちなみに本家の米アカデミー賞では、実写映画の部門賞(外国語映画賞を除く)は17部門があるが、日本アカデミー賞は13部門だ。かつて日本人がアカデミー賞を受賞しているメイクや衣装の部門はない(辻一弘氏:メイクアップ&ヘアスタイリング賞『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』、衣装デザイン賞:石岡瑛子氏『ドラキュラ』、ワダ・エミ氏『乱』)。

また、米アカデミー賞では、今回、生中継の番組時間を短縮するために撮影賞、編集賞、短編実写映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の授与をCM中に発表する、としたが、巨匠監督、名優、業界関係者の猛反発を受け、撤回された。日本はといえば、そもそも、授賞式当日の収録短縮放送となっており、技術系の部門賞結果は簡単に紹介されるだけだ。それに反発する声もない。

お祭りとして楽しみつつも、映画賞のラストを飾る賞として、本当に権威ある存在になるには様々な点での改善が必要といえそうだ。

最後に、アカデミー賞最優秀候補と共に、主な映画賞の結果を発表順に列挙した。皆さんも予想をしてみては如何だろうか。

◆第42回 日本アカデミー賞(優秀賞受賞:最優秀賞候補)五十音順

作品賞
・「カメラを止めるな!」
・「北の桜守」
・「孤狼の血」
・「空飛ぶタイヤ」
・「万引き家族」★受賞

監督賞
・上田慎一郎「カメラを止めるな!」
・是枝裕和「万引き家族」★受賞
・白石和彌「孤狼の血」
・滝田洋二郎「北の桜守」
・本木克英「空飛ぶタイヤ」

脚本賞
・池上純哉「孤狼の血」
・上田慎一郎「カメラを止めるな!」
・是枝裕和「万引き家族」★受賞
・那須真知子「北の桜守」
・林民夫「空飛ぶタイヤ」

主演男優賞
・岡田准一「散り椿」
・舘ひろし「終わった人」
・濱津隆之「カメラを止めるな!」
・役所広司「孤狼の血」★受賞
・リリー・フランキー「万引き家族」

主演女優賞
・安藤サクラ「万引き家族」★受賞
・黒木華「日日是好日」
・篠原涼子「人魚の眠る家」
・松岡茉優「勝手にふるえてろ」
・吉永小百合「北の桜守」

助演男優賞
・岸部一徳「北の桜守」
・ディーン・フジオカ「空飛ぶタイヤ」
・西島秀俊「散り椿」
・二宮和也「検察側の罪人」
・松坂桃李「孤狼の血」★受賞

助演女優賞
・樹木希林「日日是好日」
・樹木希林「万引き家族」★受賞
・篠原涼子「北の桜守」
・深田恭子「空飛ぶタイヤ」
・真木よう子「孤狼の血」
・松岡茉優「万引き家族」

音楽賞
・小椋佳/星 勝/海田庄吾「北の桜守」
・加古隆「散り椿」
・鈴木伸宏/伊藤翔磨/永井力「カメラを止めるな!」
・細野晴臣「万引き家族」
・安川午朗「孤狼の血」
・安川午朗「空飛ぶタイヤ」

撮影賞
・木村大作「散り椿」
・近藤龍人「万引き家族」★受賞
・曽根剛「カメラを止めるな!」
・灰原隆裕「孤狼の血」
・浜田毅「北の桜守」

照明賞
・宗賢次郎「散り椿」
・藤井勇「万引き家族」★受賞
・川井稔「孤狼の血」
・高屋齋「北の桜守」

美術賞
・今村力「孤狼の血」★受賞
・西村貴志「空飛ぶタイヤ」
・原田満生「散り椿」
・都谷京子「北の桜守」
・三ツ松けいこ「万引き家族」

録音賞
・浦田和治「孤狼の血」★受賞
・小野寺修「北の桜守」
・栗原和弘「空飛ぶタイヤ」
・古茂田耕吉「カメラを止めるな!」
・冨田和彦「万引き家族」

編集賞
・上田慎一郎「カメラを止めるな!」★受賞
・加藤ひとみ「孤狼の血」
・川瀬功「空飛ぶタイヤ」
・是枝裕和「万引き家族」
・李英美「北の桜守」

◆第43回 報知映画賞(2018年11月28日発表)
・主演男優賞:役所広司「孤狼の血」
・主演女優賞:篠原涼子「人魚の眠る家」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」
・助演男優賞:二宮和也「検察側の罪人」
・助演女優賞:樹木希林「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是好日」
・特別賞:「カメラを止めるな!」

◆第73回 毎日映画コンクール(2019年1月23日発表)
・日本映画大賞「万引き家族」(是枝裕和監督)
・日本映画優秀賞「菊とギロチン」(瀬々敬久監督)
・監督賞:上田慎一郎「カメラを止めるな!」
・男優主演賞:柄本佑「きみの鳥はうたえる」
・女優主演賞:安藤サクラ「万引き家族」

◆第92回 キネマ旬報ベストテン(2019年2月4日発表)
・日本映画ベスト・テン第1位「万引き家族」
・監督賞:瀬々敬久「菊とギロチン」「友罪」
・脚本賞:相澤虎之助、瀬々敬久「菊とギロチン」
・主演女優賞:安藤サクラ「万引き家族」
・主演男優賞:柄本佑「きみの鳥はうたえる」「素敵なダイナマイトスキャンダル」「ポルトの恋人たち 時の記憶」
・助演女優賞:木野花「愛しのアイリーン」
・助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
・特別賞:樹木希林

◆第61回 ブルーリボン賞(2019年2月6日発表)
・作品賞「カメラを止めるな!」
・主演男優賞:舘ひろし「終わった人」
・主演女優賞:門脇麦「止められるか、俺たちを」
・助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
・助演女優賞:松岡茉優「万引き家族」など

◆第28回 東京スポーツ映画大賞(2019年2月24日発表)
・作品賞「万引き家族」
・監督賞:上田慎一郎監督「カメラを止めるな」
・主演男優賞:リリー・フランキー「万引き家族」
・主演女優賞:安藤サクラ「万引き家族」
・助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
・助演女優賞:松岡茉優「万引き家族」
・新人賞:しゅはまはるみ「カメラを止めるな」

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