<figure id="attachment_385813" aria-describedby="caption-attachment-385813" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6211f9b9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/7197953bb08056512b079a671db3ae79.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385813" class="wp-caption-text">首を伸ばし威嚇するコブハクチョウ。成鳥になると天敵がいないといわれることから「無敵の鳥」とも呼ばれる</figcaption></figure>
千葉県・手賀沼の水辺に佇むコブハクチョウ。レンズを向けるとクチバシを大きく開き「シャーッ」と威嚇(いかく)してきた――。
外来生物のコブハクチョウは欧州が原産で、クチバシ上部に黒いコブ状の突起があるのが特徴だ。日本には1950年代に輸入され、皇居外苑の濠(ほり)で放鳥飼育されていたものが逃げて野生化。羽を広げると２ｍにもなる。そのコブハクチョウが、現在ジワリと増加中だという。鳥類調査などを行うＮＰＯ法人『バードリサーチ』研究員・神山和夫氏が語る。
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「少なくとも500羽が国内に生息し、ペースに波こそあれ全国的に少しずつ数を増やしているようです。とくに多いのは利根川とその流域にある手賀沼や牛久沼（茨城県）で全体の４割を占めます。人からエサをもらえ水草が豊富なためです」
今では北海道や九州でも確認されるが、個体数の増加で問題も起きている。
「水辺近くの水田に植えたばかりの稲を食べてしまうのです。千葉県によると’22年度の被害額は約310万円。’20年度には東京ドーム2.3個分に相当する10万7800㎡の田んぼが荒らされ、被害額は1245万円にのぼりました。連絡を受けると市の職員が駆けつけ、水田にロープを張って追い出したり捕獲して沼に放します。しかし、縄張り意識があるので戻ってしまうこともあり、頭を悩ませています」（千葉県内の自治体職員）
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さらに深刻なのは、凶暴化して人を襲うケースもあることだ。北海道の湖ではバードウォッチャーが攻撃され骨折。米国イリノイ州では、コブハクチョウの世話をしていた男性が池で襲われ溺死(できし)するなどのトラブルが報告されている。
「羽で叩かれると人が軽く吹き飛ばされるほどの威力があります。彼らが凶暴化する事情の大半は、雛(ひな)や幼鳥を守るためです。農作物への被害を減らすためには個体数を減らすことが必要です。行政も給餌(きゅうじ)をしないよう呼びかけるなど対策していますが、根本的な解決には至っていません」（同前）
子連れのハクチョウは見るからに可愛いが、近づく際は十分な注意が必要だ。
<figure id="attachment_385814" aria-describedby="caption-attachment-385814" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0355dcb0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/90c03ab1e66b381537c29e31d0b93f2c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385814" class="wp-caption-text">手賀沼の水辺には多くのコブハクチョウが。エサを与えられることから、あまり人を恐れず近寄っても逃げない</figcaption></figure>
<figure id="attachment_385816" aria-describedby="caption-attachment-385816" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="49809502"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/e6fa2c465aa7c65f0c6b0feb24647b32.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385816" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　本当は危険生物? 凶暴化するハクチョウの「特殊事情」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_385817" aria-describedby="caption-attachment-385817" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6ffed968"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/276f627bc1cb8f0fbdf3be2191b3d0c8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385817" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　本当は危険生物? 凶暴化するハクチョウの「特殊事情」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_385818" aria-describedby="caption-attachment-385818" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="23c9bd39"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/f3945c58f63f6e67dad30a2bef5578b2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385818" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　本当は危険生物? 凶暴化するハクチョウの「特殊事情」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_385819" aria-describedby="caption-attachment-385819" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="25810e7e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/b94b49a94483f6d6f67302a7c5cb6fa4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-385819" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　本当は危険生物? 凶暴化するハクチョウの「特殊事情」</figcaption></figure>
『FRIDAY』2024年8月16日号より

形山昌由（ジャーナリスト）

昨今野生のコブハクチョウが、現在ジワリと増加中だという。さらに深刻なのは、凶暴化して人を襲うケースもあることだ。「羽で叩かれると人が軽く吹き飛ばされるほどの威力がある」とのことだが、凶暴化の原因とは…

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