<figure id="attachment_48269" aria-describedby="caption-attachment-48269" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f9c7c398"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/05/137ba03306929229b320cc7e84be6a03.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-48269" class="wp-caption-text">山形県酒田市の「久村の酒場」。ここで飲むためだけに旅をしたくなる一軒</figcaption></figure>
<p>北は札幌、南は鹿児島。日本全国、いろんな街で、ぶらりぶらりと飲み歩いてきた。</p>
<p>雑誌『おとなの週末』誌上で、「のんべえライター」として飲み歩きの記事を書き続け、気づけばはや15年余り。約3300軒の飲み屋を訪れたことになる。</p>
<p>そのうち約２年間は、月に一度「その街の銭湯に浸かり、飲み歩く」という、夢のような仕事であった。自分がしてみたい企画をダメ元で出したら、なんと通してもらえたのだった。</p>
<p>谷中、神田、人形町、亀戸、錦糸町、北千住、立石、神楽坂、銀座、青山、月島……。</p>
<p>下町から都心まで、それぞれの銭湯と街に味があり、愉快に飲み歩いた。</p>
<figure id="attachment_48270" aria-describedby="caption-attachment-48270" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="de02b06c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/05/6c7ea54baf7f911c01339bc9a889506e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-48270" class="wp-caption-text">神田神保町「兵六」。時が止まったような酒場でしみじみと一杯</figcaption></figure>
<p>友人やネットから前もって居酒屋情報を仕入れる時もあるが、街をそぞろ歩き、直感で入ってみた店がよかったときのうれしさと言ったらない。ビールをくいっと飲みながら、ふふふ、と思わずほくそ笑むのである。時々、そんな店の壁に某飲み歩き番組のシールや出演者のサインが貼ってあると、「先を越された」感があり、ちょっと悔しいのだが……。</p>
<p>この仕事のおかげで、いい店を見つける「嗅覚」はだいぶアップしたと思う。「使用前」「使用後」的に言えば、8割増しくらいか。まあ、のんべえのご同輩であれば、体感していることかもしれないが、まとめてみると……。</p>
<h4>外観がさっぱりしている</h4>
<p>電光掲示板を使ったり、看板がやたらでかかったりというより、万事控えめがよい。また、よくある「がんこ親父が仕込み中」など、既成の札などは使っていないほうが好感度高し。</p>
<h4>大通りや駅前すぐ、または駅ビルなどの一等地は避ける</h4>
<p>地価が高い、つまり家賃が高いはずなので、当然ながら料理の質に比べて割高になる可能性が高い。もちろん、持ち家（店舗）で、数十年もそこで営んでいるような店は別格。</p>
<p>また、地下の店は一見入りにくいものの、ある居酒屋オーナーによれば「家賃が安いから、地下ばかり狙って出店している」という。家賃が安い分、いい料理や酒を良心的に提供している可能性は高い。狙い目かもしれない。</p>
<figure id="attachment_48273" aria-describedby="caption-attachment-48273" style="width: 2448px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6c13a612"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/05/5a97aa34f09f30a465aac79e6e80a9e0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-48273" class="wp-caption-text">岩手県盛岡市「平興商店」は、女将さんが注いでくれる「もっきり酒」が楽しめる</figcaption></figure>
<h4>店名が当て字系ではない。</h4>
<p>もちろんすべてではないのだが、いわゆる「族っぽい」当て字の店は避けたい。</p>
<h4>古くても手入れがきちんとされている。</h4>
<p>古い建物をきちんと手入れしてあり、玄関先などがきちんと掃除してあること。新しい建物より、むしろ古い建物のほうが長く続いている可能性が高いので、いい店確率アップ。</p>
<h4>味のある提灯とのれん</h4>
<p dir="ltr">シブイ提灯、縄のれんが下がった店は入ってみるべし。<wbr></wbr>縄のれんでなくとも、堂々と店名や、「酒」<wbr></wbr>などとと染め抜かれたのれんが下がる店は「いい店度」が高い。</p>
<h4>お品書きに季節のものがある</h4>
<p>お品書きが表に出ているなら、旬の素材が使われているかを見る。春ならフキノトウ、菜の花、アサリ、夏なら茄子やミョウガ、秋なら銀杏、サンマ、いろんなキノコ……ああ、飲みたくなる！　季節感は大事ですよね。</p>
<figure id="attachment_48669" aria-describedby="caption-attachment-48669" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f6856ebb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/05/f72060a2e185bb007c83a191ec66b90f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-48669" class="wp-caption-text">名酒場、浅草橋「むつみ屋」のすばらしいお品書き</figcaption></figure>
<h4>お品書きが短冊に書かれている</h4>
<p>短冊にお品書きが書いてあり、壁にびっしりという店は、かなり高い確率でよい店だと思う。字は必ずしも上手でなくともよいのだが、いい店のお品書きは、なんとなく「味のある文字」で書かれていることが多い。</p>
<h4>客がみんな楽しそうに飲んでいる</h4>
<p>これはもう間違いない！　店の中はぜひのぞいてみたい。見えなければ、失礼してガラリとドアを開けてみてもいい。</p>
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<p>&nbsp;</p>
<p>「人は見た目が……」ではないが、お店も一緒。外見が好ましいと思ったら、おつきあいしたい。とはいえ、たまに「ここ、教わらなかったら絶対入らなかったわ～」という、外見イマイチなのにすばらしくいい店もあることはある。だが、この８か条があれば、いい店に当たる確率はアップするはず。まず店に「出会ってみる」ときの道しるべになると思う。</p>
<p>爽やかな、気持ちのよいこの季節、ぜひぶらぶらと飲み歩きをしてみてはどうでしょう。</p>
<figure id="attachment_48275" aria-describedby="caption-attachment-48275" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5e467f76"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/05/46dd652db8ea55b591312b3ce663a3fc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-48275" class="wp-caption-text">美しく味わい深い煮こごりをアテに日本酒が進む（「むつみ屋」）</figcaption></figure>
<p>&nbsp;</p>
<p><span class="strongInContent">本郷明美著　『ブラ酒場　女も酔う奇跡の55店』は<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07QBNZ86N/ref=as_li_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=B07QBNZ86N&amp;linkCode=as2&amp;tag=fridaymag-22&amp;linkId=3f6dd979af573bb8ff4c1f3d733a1b08">こちら</a>から購入できます。</span></p>
<p><a href="#" data-ident_hash="bc047b71"><img src="https://res.cloudinary.com/gsjebzejhjubm/image/private/s--GVSMYb0T--/t_article_image/h_300,w_192/v1558423608/unnamed_zcmwrt.jpg" alt=""></a></p>


1967年福島県古殿町生まれ。専門商社、編集プロダクション勤務を経て1993年からフリーライターとなる。バリアフリー関連、歴史、教育などの分野を取材する一方で、自他共に認める根っからの酒好きを活かし、自称「のんべえライター」として記事を執筆。著書に『どはどぶろくのど　失われた酒を訪ねて』、『ブラ酒場』（ともに講談社）など

本郷明美

良い居酒屋に出会いたい。しかし、旅先などの見知らぬ土地や日頃訪れないエリアではなかなか難しい問題だ。これまで取材を含め3300軒以上の店を訪れた飲んべえライターが伝授する間違わない居酒屋選びを紹介する

3300軒以上飲み歩いてわかった「いい居酒屋との出会い方」

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