ラグビーのルール 初心者でもW杯を楽しめる10のポイント

ラグビー中継でよく登場する専門用語を分かりやすく解説

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

最低限これだけ覚えよう「ラグビーの基本ルール」

いよいよ今年9月末に迫った「ラグビーワールドカップ(W杯)2019」。「トライ」や「スクラム」といった基本ルールがさっぱり分からないという初心者でも、十分に楽しめるように「ラグビーワールドカップ2019が10倍楽しくなる」ポイントを紹介します。

①ポジションは大きく分けて2種類「フォワード&バックス

ラグビーは1チーム15人でプレーするスポーツだが、そのポジションは大きく分けて「フォワード」と「バックス」の2つがある。

フォワードとは、背番号1から8までの選手で、相手とぶつかり合いながらボールを獲得するのが主な仕事。スクラムを組むのはフォワードの8人の選手たちで、がっしりした体格の力持ちが務めるポジションといえる。

一方バックス、背番号9から15までの選手で、フォワードが獲得したボールをパスやキックでつないで、大きく前進を図るポジション。フォワードに比べ小柄な選手や細身の選手が多いが、そのぶんスピードと様々な技術が求められる。なおフォワードはFW、バックスはBKと略して表記されることもある。

ポジションとラインの名称/ラグビールール解説

②ラグビーの華にして最高の見せ場「トライ

ラグビーの最大の得点方法でボールを持った選手が相手のインゴール(ゴールラインを超えたエリア)の地面にボールをつけると5点が得られる。1本のトライで試合がひっくり返ることもある、いわば「ラグビーの華」。ちなみに「トライ」という用語は、後述するコンバージョンの権利を得られる(Try)ことから名付けられた。

トライ/ラグビールール解説

一般的にトライを取るのは足の速いバックスのプレーヤーが多く、俊足選手が務めることの多いウイングは、サッカーにおけるストライカーと同じような意味で「トライゲッター」と呼ばれることもある。現在の日本代表では福岡堅樹選手がその典型。

なお、相手の不正なプレーによってトライが妨げられたと判断された場合は「ペナルティトライ」となり、コンバージョンは行わず自動的に7点が与えられる。

③五郎丸でおなじみ「コンバージョンペナルティゴール

ラグビーにはゴールキックによる得点方法が3つある。「コンバージョン」「ペナルティゴール」「ドロップゴール」で、いずれもHポールの上半分のエリア(ポストの間かつクロスバーの上)を通過すれば成功となり、それぞれ2点、3点、3点が与えられる

コンバージョン/ラグビールール解説

コンバージョンはトライをした後に得られる追加得点のチャンスで、キッカーはトライをした地点から縦の延長線上なら、どこからでもゴールを狙うことができる。

一方ペナルティゴールは、相手の反則があった地点から縦の延長線上の好きな位置で狙うキック。

ドロップゴールはプレー中にゴールを狙うキック。ワンバウンドさせたボールを蹴って狙うプレーで、3つのゴールキックの中ではもっとも難しいキックになる。

日本代表のキッカーでは、2015年のラグビーワールドカップで大ブームを巻き起こした五郎丸歩選手が有名で、代表戦において歴代最多の162コンバージョン、99ペナルティーゴールを記録している。現在の日本代表では、スタンドオフの田村優選手、松田力也選手がキッカーを務める。

④ラグビーのもうひとつの華であり勇気の証「タックル

タックルとは、防御側がボールを奪うために、ボールを持った選手を捕まえて倒すプレー。相手の胸より下の部分に、しっかりと腕を回してタックルするのが基本的なルールだ。

タックル/ラグビールール解説

・胸より上の部分にタックル
・ジャンプした選手にタックル
・ボールを持っていない選手にタックル
・腕を回さずショルダーチャージのようにタックル
以上は、すべて危険なプレーとしてペナルティになる。

また、タックルを受けた攻撃側の選手はすぐにボールを放すか、パスしなければならない。倒れたままボールを放さないと、「ノット・リリース・ザ・ボール」のペナルティをとられる。

全力で走ってくる筋骨隆々の相手プレーヤーにタックルにいくのは、非常に勇気がいる。トップレベルのタックルの衝撃は、軽自動車にぶつかった時に匹敵するといわれるほど。それだけに、大柄な相手を押し返したり、トライ寸前の相手を阻止するようなタックルをした選手には、トライをした選手以上に大きな声援と拍手が送られる。

⑤もっともよく起こるエラー「ノックオン

ボールを前に落としたり、弾いたりすること(後方はOK)。ラグビーでもっともよく起こるエラーで、軽微な反則として相手ボールのスクラムとなる。ボールを前にパスするのは「スローフォワード」というエラーで、同様に相手ボールのスクラムで再開される。

ノックオン/ラグビールール解説

スクラムでの再開になるため、簡単なノックオンをしたバックスの選手に対し、味方のフォワードが「スクラム組んでみるか!」と怒る場面がしばしば見られる。逆に「気にするな、お前のミスは俺が取り返してやる!」とフォワード陣が奮起するのは、強いチームの証だ。

なお、相手のパスを故意にはたき落とす行為はNG。「インテンショナル・ノックオン」となり、通常のノックオンより重いペナルティが科される。

⑥フォワード8人が組む「スクラム

ノックオンやスローフォワード等の軽度の反則や、プレーの中断があった後、プレーを再開する際に行われるプレー敵味方8人ずつで組み、押し合う。その際、最前線の選手たちには、1トンを軽く超える衝撃が加わるといわれている。

スクラム/ラグビールール解説

スクラムでボールを獲得した側は、スクラムの最後尾に位置するフォワードの選手(主に8番)が持ち出したり、9番の選手(スクラムハーフ)がバックスにパスを出したりして攻撃を仕掛ける。また、スクラムをそのまま押し込んで前進してもOK。ただしスクラムが停止し、レフリーから「ユーズ イット」(ボールを動かしなさい)というコールがかかった場合は、すぐにボールを出さなければならない。

⑦「ラックモール」の違いはボールで見分けられる

ラグビーが「見ていてわかりにくいスポーツ」と言われる理由のひとつに、“敵味方が密集してボールがどこにあるかわからない”というものがある。スクラム以外でそのように選手が集まる局面(密集)は、「ラック」と「モール」の2つに大別できる。

ラックとは、地面にあるボールの上で敵味方が組み合うプレーを指す。ポイントは「ボールが地面についていること」。タックルが起こった後に形成されることがほとんどで、倒れたプレーヤーの上を乗り越えて相手を押し込み、味方側にボールを出すことが目的だ。

一方モールは、どちらかのチームがボールを保持した状態で相手と組み合い、押し込むプレーを指す。ラックと異なり、ポイントは選手がボールを持っているという点。そのため、ラックは前進することができないが、モールはそのまま押し進むことができるという違いがある。

⑧最高到達点4メートル超の空中戦「ラインアウト

ボールがタッチラインの外へ出た時、プレーを再開する際に行われるプレー。タッチラインを割った地点で敵味方のフォワードが列を作って並び、その間にまっすぐ投げ入れたボールをジャンプして奪い合う。ボールは両チームの列の真ん中に投げ入れなければならず、どちらかに曲がると「ノット・ストレート」という反則。またラインアウトに何人参加するかは投入側が決め、相手はその人数に合わせる。

ラインアウト/ラグビールール解説

ボールを投入する選手(スローワー)は誰でもいいが、背番号2のフッカーが務めることが多い。またキャッチするジャンパーは背の高い4番や5番の選手(ロック)が多く、トップクラスの最高到達点は4メートルを優に超える。ボールを獲得するために、投入側は暗号(サイン)を使って投げる位置やスピードを伝え、それに合わせてジャンパーが動いたりタイミングをずらしたりして相手を惑わせる。

なお、スクラムやラインアウトなど、敵味方がセットした状態から行われるプレーを総称して「セットプレー」と呼ぶ。重さがモノをいうスクラムが陸のセットプレーなら、高さが重要になるラインアウトは空のセットプレーといえる。

⑨国の誇りをかけた国際試合「テストマッチ」と「キャップ」

ラグビーでは、国代表同士の正式な国際試合を「テストマッチ」と呼ぶ。“テスト”と付くため練習試合のような印象を受けるが、「力を試す場」が語源であり、国の誇りをかけた最高峰の試合を意味する。

テストマッチとは両国協会が正式に代表チーム同士の試合と認めた試合のみを指し、テストマッチに出場した選手には、栄誉を称え「キャップ(帽子)」が贈呈される。テストマッチの出場回数はキャップ数としてカウントされ、キャップ数が多い選手ほど、国際舞台での経験が豊富な実力者として尊敬される

ちなみに、かつて強豪国は日本代表との試合をテストマッチと認めておらず、日本協会は独自に「キャップ対象試合」を認定して、出場した選手に代表キャップを与えていた。そのため、格上なら相手が国代表でなくてもキャップ対象試合になったり、逆に格下の場合は相手が国代表であってもキャップ対象試合にならなかったりといったケースがあった。

⑩ラグビー精神を象徴する言葉「ノーサイド

試合が終われば敵味方のサイドがなくなるとの意から、ラグビーでは試合終了のことを「ノーサイド」という

もっとも、かつては試合終了という意味でノーサイドが広く使われていたが、現在も使っているのは日本だけで、世界的には「フルタイム」のほうが一般的。一方で、激しく体をぶつけ合う過酷なスポーツだからこそ、“試合後は勝った側も負けた側も関係なく健闘を称え合う”という精神は、ラグビーに欠かせないものといえる。

今回のラグビーワールドカップ2019では、日本ラグビーに脈々と受け継がれるノーサイドの精神を、あらためて世界に発信する機会としても期待されている。

  • 直江光信

    1975年熊本市生まれ。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)

  • 写真アフロ

    photo by Kieran Galvin/REX Shutterstock(コンバージョン写真)

Photo Gallary8

share icon記事をシェアする

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事