米倉主演『ドクターX』続編を巡る攻防 | FRIDAYデジタル

米倉主演『ドクターX』続編を巡る攻防

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『ドクターX』は第1シリーズが’12年にスタート。米倉が演じるフリーランスの天才外科医・大門未知子の名セリフ、「私、失敗しないので」は流行語に

第5シリーズのラストが最終回を思わせる描き方だったことから、続編の有無が取り沙汰された米倉涼子主演の人気シリーズ『ドクターX』(テレビ朝日系)。ひとまず年内の新シリーズ放送はないことが明らかになったが、10月スタートのドラマで米倉が弁護士を演じる作品を放送した後、第6シリーズを放送することが「ほぼ決まっている」とテレビ朝日関係者は言う。

「来年10月の枠で米倉のスケジュールが押さえられているようです。局としては毎年、『ドクターX』シリーズを放送したいが、米倉には『大門未知子以外の役もやりたい』という強い思いがある。米倉のご機嫌を取るため、今年10月期に一旦、彼女主演の別のドラマを挟むことで、本人に続編の制作を了承してもらったとか」

平均視聴率20%を叩き出す同ドラマは、テレ朝にとって手放したくないキラーコンテンツだ。

「昨年放送された第5シリーズの打ち上げには、テレ朝の早河洋会長が顔を出し、米倉をヨイショし続けたそうです。会長がドラマの打ち上げに参加するなんて、聞いたことないですよ」(プロダクション関係者)

テレ朝といえば、他にも『科捜研の女』などシリーズものが多く存在する。それはドラマを立ち上げる段階で、続編を想定した作品が多いからだとか。

「テレ朝には子会社である東映京都撮影所(通称・太秦)を年に何日間以上使わないといけないというルールがあるんです。そのため太秦での撮影を想定して、いくつか新ドラマを始め、数字が高かったものをシリーズ化する。そうすれば太秦のスケジュールが組みやすくなるというワケです」(ドラマ制作スタッフ)

しかし、『科捜研の女』のような人気作でも、「現場の状況は厳しい」という。

「予算削減のため、最近は2クール分を半年で撮りきります。ドラマを1クール撮るとなると通常は4ヵ月かかるから、これは相当タイトです。登場人物も減らすなどして、年間で数千万円の予算を削減しています」(前出・スタッフ)

『半沢直樹』(TBS系)など、続編が期待されながら、いまだに実現していないヒット作品も多い。


「放送後の反応を見て続編を検討するのですが、主演クラスだと1年後のスケジュールがすでに押さえられていることがザラ。『作品の固定イメージがつくと困る』と断る役者も多く、なかなか実現化しないんです」(キー局プロデューサー)

逆に放送前に続編を決定してしまうと、悲惨な状況になることも……。

「’15年に放送されたAKIRA主演の『HEAT』(フジテレビ系)は劇場版を制作することが発表されていたが、2.8%という歴史的低視聴率を叩き出し、オジャンに。現在放送中の長澤まさみ主演『コンフィデンスマンJP』も映画化が決まっているそうですが、視聴率が伸び悩んでいるため、早くも劇場版の苦戦が予想されています」(テレビ誌記者)

人気シリーズとしてお茶の間に定着する作品は、ほんの一握りなのだ。

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