とんねるず 石橋貴明の愛車が8番の理由
そこまでフジテレビに媚びなくてもいいんじゃない?
木曜の深夜0時半過ぎ――東京・有楽町のニッポン放送前には黒山の人だかりができていた。お目当ては、間もなくオンエアされる『岡村隆史のオールナイトニッポン』のゲスト、『とんねるず』の石橋貴明(56)。前身番組を含めて31年間続いたフジテレビの看板番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』が今月末に終了。岡村の冠番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジ系)もまた今月末で22年の歴史に幕を閉じるとあって、大物二人が何を語るのか、注目が集まっていた。
番組開始10分前、黒いレクサスがニッポン放送の駐車場に到着。『みなおか』のプロデューサー二人を引き連れ、石橋が車から出てきた――。
「元巨人軍、村田修一です」
放送開始早々、巨人をクビになり、独立リーグ『BC栃木』に移籍した村田に自らをなぞらえた石橋。「野球がやりたくても、できないんだよ」と嘆く石橋を岡村が「まだまだできますよ」とフォローするも「どこで?ないよ」と半笑い。
その後、石橋は『笑っていいとも!』最終回で『ダウンタウン』との不仲説を気にしたフジテレビ側から「ダウンタウンと同じ舞台には上がらないでくれ」と言われたエピソードを披露。
「だからフジテレビはダメなんだよって思ってた」「昔のフジテレビの何が凄かったかって、(共演NGなど気にせず)ゴッチャゴチャでお祭りみたいだった」
と斬りまくったのは周知の通りだ。
よほど恨み骨髄なのね……と思っていた本誌は思わず目を疑った。
深夜3時、大盛況の中、『オールナイトニッポン』が終了。石橋はニッポン放送前で待たせていたレクサスに乗り込んだのだが――なんと、ナンバーがフジテレビの「8」番だったのである!
『オールナイトフジ』に始まり『夕やけニャンニャン』、『ねるとん紅鯨団』、そして『みなおか』。思えば、石橋の台頭は常にフジとともにあった。そしてそんな石橋の庇護者となっていたのがフジテレビのドン、日枝久氏だった。
「日枝氏が編成局長時代、『夕ニャン』に『とんねるず』がレギュラー出演し、爆発的な人気を集めた。日枝氏が社長になってからは『みなおか』が高視聴率を獲得。『とんねるず』は絶頂期のフジを支えた功労者となりました。とくに石橋は、食事やゴルフを通じて、個人的にも日枝氏と親しい。ナンバーの8番は日枝氏への忠誠の証(あかし)でしょう」(フジ関係者)
そして日枝氏が寵愛する『とんねるず』をフジもなかなか切れずにいた。
「’00年代までは構成作家やフリーのディレクターの都合に合わせて、深夜でも番組の会議をやっていましたけど、タクシー代が出せないのか、激減しました。この春の改編ではスタジオトーク番組が急増。改編の目玉である坂上忍と梅沢富美男のギャラは相当安く叩いているといいます。ところが、制作費を削る一方で、『とんねるず』には1本200万円といわれる高額ギャラを払い続けていた。視聴率は1ケタ続きだというのに……」(バラエティ番組ディレクター)
昨年5月、日枝氏が相談役に退いたのはひとつのタイミングだったのだろう。
ニッポン放送を出た石橋は「8番」のレクサスで西麻布のバーへ。ラジオで「銀座のクラブのすげーカワイイ子とアフターに行こうって話になっている」と豪語していたから、バーで合流するのかと思いきや――お供はなんと、『みなおか』のプロデューサー二人。朝5時、石橋は一人寂しく、店を出るのだった。
石橋は4月から深夜のトーク番組のMCを務めることになったが、もちろん、放送局はフジテレビである。
撮影:高塚一郎(1枚目)、西原秀
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