<figure id="attachment_72242" aria-describedby="caption-attachment-72242" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e9b13fcc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/f3a1515c4695a208aed6c4d21f74a105.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-72242" class="wp-caption-text">ボールを抱えながら突進する姫野。後半13分にはドライビングモールから押し込み、最後は姫野がトライを決めた</figcaption></figure>
<p>突っ込んだ！　絡んだ！</p>
<p>悲願の準々決勝進出に向け、勝つだけでなくボーナスポイント獲得が求められたサモア戦。日本は苦戦した。後半に入って16対12と差を詰められ、もどかしい時間が続いた。</p>
<p>そんな時間帯に日本代表のナンバー８、姫野和樹(25)が牙を剥(む)いた。</p>
<p>後半９分、サモアがボールを持ちこんだが、そこで&#8221;ジャッカル姫野&#8221;が獲物を捕らえた。ジャッカルとは、倒した相手から立ったままボールを奪う行為のこと。姫野が最も得意とするプレーである。</p>
<p>タックルにより生まれたポイントに姫野は突っ込み、ボールに絡んだ。サモアの選手が姫野を剥(は)がそうと猛烈な勢いで突っ込んでくるが、動じない。</p>
<p>するとレフェリーが長い笛を吹いた。サモアがボールを離さない反則だ。このあと、田村優がペナルティゴールを決め、日本は19対12とリードを広げた。</p>
<p>姫野の渾身の&#8221;ジャッカル&#8221;が苦しい局面を救い、しかも３点を呼び込んだのである。</p>
<p>まだまだ姫野の勢いは止まらない。後半13分、日本は相手ゴール前のラインアウトからFW、BKが一体となって押し込み、最後はボールをしっかりキープしていた姫野がトライ。すると、豊田スタジアムでは期せずして、「姫野！　姫野！」の大合唱が起きた。ラグビーで個人の名前が連呼されるのは極めて珍しい。</p>
<p>姫野は日本のトップリーグ、トヨタ自動車でプレーしており、豊田はいわば地元。試合後、姫野は「ファンの皆さんの声援が後押しになりました」と語り、熱狂的なスタンドがチームの力になっていることを喜んだ。</p>
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<p>このW杯、姫野の活躍は圧倒的だ。ジャッカルだけではなく、ボールを持ってどれほど走ったかを示すランメーターでもトップ級。まさにワールドクラスの活躍で、世界に対して&#8221;HIMENO&#8221;の名前が轟き始めた。</p>
<p>ラグビー専門サイトのrugbypass.comでは10月７日のコラムで「ベストフィフティーン」を選出。姫野も堂々と選ばれているが、その説明が彼のプレーの魅力を表している。</p>
<p><span class="strongInContent">「秘密兵器が覚醒。ここまで3試合すべてプレー、世界でもよく知られる日本代表の他の第３列のメンバーよりも光り輝いている。ボールハンドリング、フィジカル、そして何よりボールを乗り越え、奪う能力に秀でている」</span></p>
<p>&#8220;ジャッカル姫野&#8221;はW杯で世界デビューを果たしたといってよい。</p>
<p>それを支えるのは、大学時代から地道な努力を重ねてきたからだ。いまではベンチプレスでは180㎏を持ち上げる怪力を誇り、ボールをつかんだら離さない。</p>
<p>この先、いよいよ重要な戦いの舞台を迎える。これまでの疲労の蓄積もあるだろう。しかし、日本が勝って歴史を創るためには、姫野のリーダーシップ、突進、そして何よりジャッカルが欠かせない。</p>
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<h3>9月20日　対ロシア戦</h3>
<figure id="attachment_72525" aria-describedby="caption-attachment-72525" style="width: 4153px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-72525" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/853e13fb4015c302407c9fc0efcc4907.jpg" alt="" width="4153" height="2769" data-expapp-media-credit="撮影：渡部薫" data-expapp-watermark-gravity="south_west"><figcaption id="caption-attachment-72525" class="wp-caption-text">姫野は攻撃・守備いずれにおいてもチームの要となる重要なポジション。W杯初出場ながら高いパフォーマンスで観客を魅了し、チーム内MVPに輝いた</figcaption></figure>
<h3>９月28日　対アイルランド戦</h3>
<figure id="attachment_72526" aria-describedby="caption-attachment-72526" style="width: 5433px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-72526" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/e3a1df74e47b3c006d5f0bf193f126b2.jpg" alt="" width="5433" height="3623"><figcaption id="caption-attachment-72526" class="wp-caption-text">試合前に胸元の桜のエンブレムを指して笑顔を浮かべる姫野。この試合で繰り出した”ジャッカル”が相手チームの反則を誘い、窮地をしのいだ</figcaption></figure>
<h3>10月５日　対サモア戦</h3>
<figure id="attachment_72527" aria-describedby="caption-attachment-72527" style="width: 3648px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-72527" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/22c9c28747d4ff0cdeb04b6587aaf3ba.jpg" alt="" width="3648" height="5472" data-expapp-watermark-gravity="north_east"><figcaption id="caption-attachment-72527" class="wp-caption-text">地元・名古屋に凱旋。大勢の観客から送られる”姫野コール”に後押しされ、自身初となるW杯でのトライを決めた</figcaption></figure>
<h3>10月５日　対スコットランド戦</h3>
<figure id="attachment_72529" aria-describedby="caption-attachment-72529" style="width: 5472px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-72529" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/1f3a89ea941ad1c7f5cec39777093d88.jpg" alt="" width="5472" height="3648" data-expapp-watermark-gravity="none"><figcaption id="caption-attachment-72529" class="wp-caption-text">姫野は４試合連続で試合に出場、決勝進出をかけた大一番でも躍動した。一進一退の攻防を続け、ジャッカルも飛び出した。最後までリードを守り切った日本は、決勝進出を果たす</figcaption></figure>
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<div>『FRIDAY』2019年10月25日号より</div>


渡部薫（メイン、ロシア戦、アイルランド戦、サモア戦）、佐貫直哉／JMPA（スコットランド戦）

悲願の決勝トーナメント出場に向け、勝利だけではなくボーナスポイントが求められたサモア戦。そんな大一番で躍動したのは、W杯初出場の姫野和樹だった。世界に知らしめた「ジャッカル」で、W杯を戦い抜く――。

ラグビー日本代表のピンチを救った“ジャッカル”姫野の「将来性」

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