オダギリ、桃李、佐藤健…。「特撮出身」俳優が大活躍するワケ | FRIDAYデジタル

オダギリ、桃李、佐藤健…。「特撮出身」俳優が大活躍するワケ

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『時効警察』の高視聴率を支えるオダギリジョー(左から3人目)、麻生久美子、吉岡里帆ら出演陣
『時効警察』の高視聴率を支えるオダギリジョー(左から3人目)、麻生久美子、吉岡里帆ら出演陣

ドラマ『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)の初回視聴率が深夜帯ながら7.7%をマーク。前クールに放送されていた『セミオトコ』のほぼ2倍となる高視聴率が話題となっている。

「ポイントは主演のオダギリジョーです。前シリーズ以来、12年ぶりの『時効警察』なんですが、見た目もテンションもまったく衰えていない」(テレビ誌記者)

今期ドラマの特徴は、オダギリを筆頭に『仮面ライダー』シリーズなどのいわゆる特撮ヒーローもの出身の俳優の活躍が目立っていること。『4分間のマリーゴールド』(TBS系)には福士蒼汰(26)、横浜流星(23)に伊藤あさひ(19)と実に3人もの特撮出身者が出演している。「ここ最近、特撮出身者のニーズが高まっている」と芸能プロ幹部は言う。

「かつて、芸能プロダクションにとって特撮ものは優先順位の低い仕事でした。風向きを変えたのが件(くだん)のオダギリです。’00年に放送された平成ライダーの最初の作品『仮面ライダークウガ』で主演を務めた直後にオダギリが大ブレイクして、芸能プロの見る目が変わった。’06年には大手芸能プロダクションの研音に所属していた水嶋ヒロが『仮面ライダーカブト』に出演。翌’07年には、やはり大手のアミューズ所属の佐藤健(たける)が『仮面ライダー電王』で主演を務めて人気が爆発。いまでは大手がこぞって期待の新人を投入する”若手俳優の登竜門”となっています」

特撮のメリットのひとつは、子供とその保護者である母親層での知名度が上がること。もうひとつは「拘束期間が1年以上と長いことで俳優自身が鍛えられること」だとドラマ制作スタッフは言う。

「特撮に出演する俳優は撮影のほか、遊園地などで行うヒーローショーにも登場する。子供たちの夢を壊さないよう、私生活が管理されたり、プロ意識を徹底的に叩き込まれます。世界観を壊さないよう、演技指導も厳しくて、何度も撮り直しがある。演技未経験で『侍戦隊シンケンジャー』の主演に抜擢された松坂桃李なんて、序盤はボロボロでしたが、1年経(た)ち、撮影が終わるころには別人のように成長していましたから。特撮があったからこそ、いまがあるんです」

対照的なのが、平成初期から中期にかけて人気を博したモデル出身の俳優たちだ。前出の芸能プロ幹部が嘆く。

「元モデルの俳優といえば、阿部寛や米倉涼子、沢村一樹ら主役クラスが多数いますが、彼らは長い下積みを経ていまの地位にいる。ところが、最近のモデルたちは演技に挑戦してもなかなか結果が出ないとなると、すぐに心が折れてモデルの仕事に戻ってしまう子が多い。いまの時代、何ヵ月も拘束されるドラマや映画より、SNSで商品PRの投稿をするほうが稼げたりするので、無理に俳優に転身する必要はないってわけですよ」

『モトカレマニア』(フジテレビ系)で新木優子(25)、『チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』(日本テレビ系)では本田翼(27)が主演していて、いずれもモデル出身だが、「演技力には疑問符がつく」とキー局プロデューサーは言う。

「いかに美しく見せるかを極めてきたモデルは俳優としての表現力が乏しく、引き出しも少ないので、オーバーアクションに走りがち。見ていて痛い」

令和のドラマ界を才色兼備の特撮出身俳優たちがリードしつつある。

『FRIDAY』2019年11月8日号より

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