低コストで高視聴率 テレビ東京が狙うポスト『孤独のグルメ』

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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有力候補は『きのう何食べた?』だが難題も……

仕事の合間に立ち寄った店で、旨い大衆料理を一人で味わい尽くす――シンプルなコンセプトと細かい心理描写が『孤独のグルメ』のウリだ

テレビ東京で大晦日から1月2日にかけて、『孤独のグルメ』、『きのう何食べた?』、『忘却のサチコ』という人気グルメドラマのスペシャル版が『美食晩餐会』と題して放送された。

「’12年にスタートした『孤独のグルメ』は深夜ドラマながら、主演・松重豊の食べっぷりが食欲をそそると話題になり、いわゆる〝食テロ〟ドラマ人気の火付け役となりました。古くは『王様のレストラン』、『ランチの女王』など、食が絡む作品はそもそも人気がありましたが、『孤独のグルメ』以降、料理にフォーカスする作品が増加。登場人物が少なくて済むから制作費を抑えられる。しかも安定した数字が見込めるとあって、経費削減を求められている昨今、非常にありがたい存在です」(テレビ東京関係者)

主要4局より予算的な制限が大きいテレ東がグルメ路線に力を入れるのも、むべなるかな、なのである。

制作会社プロデューサーによれば、「テレ東はグルメがテーマであれば、攻めた企画でも通りやすい」という。

「台湾マフィアや米国ギャングら、ヤバい人たちの食事を紹介する『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』も話題になりましたね。グルメは世界の共通言語だから、Netflixなどの動画配信サービス企業にも売りやすい。ワールドワイドな優良コンテンツなんです」

1月24日からは、映画『カメラを止めるな!』で脚光を浴びた濱津隆之主演のグルメドラマ『絶メシロード』がテレ東でスタートする。

「精力的に新作を投入するのには理由があります。実はテレ東のグルメドラマの看板である『孤独のグルメ』が終了の危機に瀕しているんです。主演の松重さんは本来、小食。このドラマは完食が基本なので、身体的な負担が大きい。関係者は続編に後ろ向きだといいます。原作の漫画を描いていた谷口ジロー氏が亡くなったのも痛い。今後、新ネタは生み出されないわけですからね。テレ東は『孤独のグルメ』に代わって、シリーズ化できそうなグルメの新作探しに必死なんです」(制作会社ディレクター)

ポスト『孤独のグルメ』の最有力候補とされているのが、西島秀俊と内野聖陽のW主演による『きのう何食べた?』だ。

「見逃し放送が全話で100万再生超え。再現されたセットや劇中で使われた小道具を展示する『きのう何食べた?』展は東京、名古屋、大阪で開催される盛況ぶりでした。当然、テレ東はシリーズ化を熱望しているのですが、主演の二人が売れっ子でスケジュール確保が難しい。加えて、原作者のよしながふみ氏は原作の世界観を大事にする人だから、調整に時間がかかる。続編を作るためのハードルが非常に高い」(前出・テレ東関係者)

救いは「グルメドラマは演者人気が高いこと」だと芸能プロ幹部が言う。

「テレ東のグルメドラマは深夜に放送されるから数字が悪くても叩かれない。それでいて業界視聴率が高いから、インパクトを残せれば他局から出演オファーが来るし、食品系のCMの話が舞い込むこともある。テレ東としても人気俳優が安いギャラで出てくれるので、まさにウィン・ウィンの関係なんですよ」 

テレ東から令和を代表する食テロドラマの名作が生まれる日は近い?

『FRIDAY』2020年1月24日号より

  • 写真時事通信社

Photo Gallary1

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