「クリーンアップ」本塁打列伝を語ろう!最多記録はあの年の…

懐かしい名前がズラリ。日本球界を彩った「クリーンアップトリオ」がコチラ!

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1985年の阪神で打線の中心を担ったランディ・バース

2020年の球春は当分、やってきそうにない。ここは「プロ野球のいろいろな話題」に花を咲かせるしかない状態ではある。

日本では打順の3、4、5番を「クリーンアップトリオ」と言う。アメリカでは4番を「クリーンナップ」とは言うが、「クリーンアップトリオ」とは言わない。

しかし、伝統的に3、4、5番の打者が打点を稼ぎ出すのが、野球というスポーツだった。

1チームの3人の打者のシーズン合計本塁打数のランキングを出してみた。

1位 1985年/阪神/129本
R・バース54本、掛布雅之40本、岡田彰布35本
2位 2001年/近鉄/127本
T.ローズ55本、中村紀洋46本、吉岡雄二26本
2位 2010年/巨人/127本
A・ラミレス49本、阿部慎之助44本、小笠原道大34本
4位 1950年/松竹/124本
小鶴誠51本、岩本義行39本、大岡虎雄34本
4位 2002年/西武/124本
A・カブレラ55本、松井稼頭央36本、和田一浩33本
6位 2004年/巨人/119本
T・ローズ45本、小久保裕紀41本、阿部慎之助33本
7位 1978年/広島/117本
山本浩二44本、A・ギャレット40本、J・ライトル33本
7位 2004年/ダイエー/117本
松中信彦44本、J・ズレータ37本、城島健司36本
9位 1968年/巨人/114本
王貞治49本、長嶋茂雄39本、柴田勲26本
9位 1990年/西武/114本
O・デストラーデ42本、清原和博37本、秋山幸二35本

最多は今も語り草になっている1985年、阪神タイガースのランディ・バース、掛布、岡田がたたき出した129本塁打。この年の4月17日の甲子園での巨人戦では、バース、掛布、岡田が槙原寛己からバックスクリーンに3連発を叩きこんだ。その勢いを持続して阪神は1964年以来21年ぶりのリーグ優勝、勢いを駆って日本一にもなった。バースは三冠王、MVP。またこの年は、真弓明信も34本を打っている。

同一チームで4人の30本塁打者が出たのは、これを含め7例ある。

続いて2001年の近鉄と2010年の巨人の127本。2001年はタフィ・ローズが当時のNPB記録だった1964年王貞治の55本塁打に並んだ年。中村紀洋も46本塁打を打った。合わせて101本。同一チーム2人の打者の本塁打数が合計で100本を超えたのは、NPBではこの一例だけ。

2010年は、アレックス・ラミレス、阿部、小笠原の3人で127本塁打を打った。1985年の阪神と2001年の近鉄はリーグ優勝しているが、2010年の巨人は3位だった。

4位は1950年の松竹と2002年の西武の124本。1950年はプロ野球がセパ両リーグに分裂した1年目、小西得郎監督率いる松竹がセの初代優勝チームとなった。この年は、ラビットボールと言われる反発係数の高いボールが使われ、空前の打高になったシーズンだった。

2002年の西武、アレックス・カブレラは前年のタフィ・ローズに続いて王貞治の55本に並んだ。カブレラ、松井稼頭央、和田一浩の3人で124本を打っている。

6位の2004年巨人119本は近鉄から移籍したタフィ・ローズが核となった。

7位は、赤ヘルになって強豪チームになった広島の山本浩二+ギャートルズ(エイドリアン・ギャレット、ジム・ライトル)が打った117本。山本、衣笠祥雄のコンビでは1980年の75本(山本44本、衣笠31本)が最多。

もう一つの7位は、2004年ダイエーの117本。松中信彦が三冠王をとった年だ。

そして9位にようやくONがランクイン。王貞治はNPB史上1位の通算868本塁打。長嶋茂雄も444本塁打を打っているが、長嶋のキャリアハイは39本。二人合計では88本が最多だ。そして当時の巨人にはON以外に長距離打者はいなかったのだ。

9位タイは1990年の西武。オレステス・デストラーデ、清原、秋山が合わせて114本を打った。

ちなみに通算本塁打数2位、657本塁打の野村克也が絡んだ数字としては、1963年南海の106本が最多(野村52本、ケント・ハドリ30本、バディ・ピート24本)

NPBのシーズン最多本塁打は2013年、ヤクルト時代のウラディミール・バレンティン(現ソフトバンク)の60本だが、この年、チームでこれに次ぐのはラスティングス・ミレッジの16本、続いて畠山和洋の12本で、3人合計では88本に過ぎなかった。

MLBでは、1961年のヤンキースが143本で最多。ロジャー・マリスが61本塁打でベーブ・ルースの60本を破った年。チームメイトのミッキー・マントルが54本、ビル・スコウロンが28本だった。マリスとマントルは「MM砲」と言われたがこの年2人合わせて115本。これもMLB最多だ。

続いて、2001年のジャイアンツの132本。バリー・ボンズがMLB記録を更新する73本塁打、リッチ・オーリリアが37本、ジェフ・ケントが22本。ボンズとオ―リリア合わせて110本はMLB史上2位だ。

「フライボール革命」が続いているMLBでは、本塁打数が急増している。昨年のツインズは、史上初めて5人が30本塁打以上を記録(ネルソン・クルーズ41本、マックス・ケプラー36本、ミゲル・サノ34本、エディー・ロサリオ32本、ミッチ・ガーヴァー31本)

「フライボール革命」は、MLB打者の「平均本塁打数」を押し上げている。2009年、MLB打者の平均本塁打数は16本だったが、2019年には22本になっている。

しかし本塁打王の本塁打数は増えていない。

「フライボール革命」が進行したとしても、クリーンナップトリオの本塁打数が増加するとは言えないのが、現状だ。

いずれにしても早く新型コロナウイルス騒動が終わって、景気のいいホームランを見たいものだ。

  • 広尾 晃(ひろおこう)

    1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイーストプレス)、『球数制限 野球の未来が危ない!』(ビジネス社)など。Number Webでコラム「酒の肴に野球の記録」を執筆、東洋経済オンライン等で執筆活動を展開している。

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