セクゾ松島聡と関ジャニ∞安田章大 ジャニーズ「天使枠」の今後 | FRIDAYデジタル

セクゾ松島聡と関ジャニ∞安田章大 ジャニーズ「天使枠」の今後

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ジャニーズにおいては、グループの中に“天使枠”とでも呼ぶべきポジションがある。

ジャニーズにハマったことのない人からすれば、「盲目」とか「お花畑」と捉えられてしまいそうだが、ジャニーズの魔法に一度でもかけられたことがある人なら思い当たるフシがあるはずだ。この世には、途方もない純粋さを抱えたまま大人になる少年がいることを。

そんな“天使枠”を担うメンバーのひとり、Sexy Zone(以下セクゾ )松島聡の活動再開が発表された。彼が突発性パニック障害の療養のためにアイドル活動を休止したのは一昨年秋のことなので、1年9ヵ月ぶりの復帰ということになる。

Sexy Zoneのメンバー最年長で、グループを牽引する存在の中島健人
Sexy Zoneのメンバー最年長で、グループを牽引する存在の中島健人

デビューから7年、人気急上昇中の活動休止

2011年にデビューしたセクゾ は、メンバー5人の平均年齢が14.4歳。当時松島は13歳の中学2年生、最年少のマリウス葉にいたってはわずか11歳、小学生でのデビューとなった。

若いながらも芸達者の多いセクゾ の中でも松島は歌やダンスのスキルが高く、しかも行動や発言がピュアピュアで、同じくピュアピュアなマリウスとのコンビは“聡マリ ”と呼ばれ、グループ内でも人気の“シンメ”(ダンスのポジションで、センターを中心にして左右対称=シンメトリーにいるコンビを指す)だった。

その後2014〜15年は、ジャニー喜多川氏の方針により佐藤勝利、中島健人、菊池風磨の3人だけがセクゾ として活動し、松島とマリウスは、それぞれにJr.のメンバーとチームを組んでいたこともある。しかし、’15年末には元の5人体制に戻り、’18年夏には5人で「24時間テレビ 愛は地球を救う」のメインパーソナリティを務めた。デビューから7年。人気、知名度ともにこれから急上昇していくと誰もが期待した矢先の活動休止は、本人もさぞかし無念だったに違いない。

セクゾはジャニーズイズムの塊のようなグループ

セクゾ のコンサートに行ったことがある人、バラエティなどで彼らを好きになった人なら、聡マリの2人が“天使枠”であることにたぶん異論はないだろう。世間的には芸能界を「欲望が渦巻くドロドロとした世界」と見る向きもあるが、普通じゃない世界だからこそ、途方もない純粋さを一つの個性として、表現に昇華できる面もある。メンバーがそれぞれの役割の中で、繊細で純粋な魂を守ることができるのもボーイズグループの優れた点の一つである。

セクゾ は、松島が休んでいる間も、彼が帰りたくなるような魅力的な空気感を守り続けた。

8月12日にファンクラブ公式サイトで公開された8分間の動画には、ジャニーズのグループの中では、そこまで仲良しアピールをしない彼らの、でも5人それぞれが心から喜んでいる様子が、ユーモアたっぷりに映し出されている。彼らは、今年になって世界進出を視野に入れ、所属レコード会社がポニーキャニオンからユニバーサルに変わったばかり。移籍後の第一弾シングル「RUN」も初週24万枚超えと、前作「麒麟の子」に10万枚ほど上乗せした形の、上々の出だしとなった。

ここ1〜2年は、後輩たちの活躍も目覚ましいが、早すぎたデビューや“天使枠”が2人もいること、トンチキ曲が比較的多く歌われていることなども含め、セクゾ は、ジャニーズイズムの塊のようなグループである。

このタイミングでの松島復帰とそれに伴うセクゾ の飛躍は、これから先、デビューを目指すJr.はもちろん、アイドルになりたいと願うJr.予備軍にとっても大きな希望になるのではないだろうか。筆者を含め、セクゾ のファンはこの先の松島の活動から感じとりたいのだ。パフォーミングアートの世界では、純粋な魂こそがとてつもない大きな光を放つことを。仲間がいれば、その繊細で美しい精神は、決していたずらに消費されたりはしないことを。

昨年3月、自身が主演する音楽劇『マニアック』の公演を終え、劇場を後にする安田章大
昨年3月、自身が主演する音楽劇『マニアック』の公演を終え、劇場を後にする安田章大

関ジャニ∞の“天使枠”安田章大が発表した写真集の中身

さて、そんな嬉しいニュースが届いた直後、さらに、筆者が関ジャニ∞の“天使枠”と捉えていた安田章大の写真集が出版されると発表があった。安田といえば、脳腫瘍の一種である髄膜炎を患い、2017年2月に手術。翌’18年の4月、その後遺症から転倒して骨折し、渋谷すばるの脱退会見を欠席したという経緯がある。ただ、病気のこと、その後の経過について公表されたのは、’18年7月、夏のツアーが始まる直前だった。

病気のことが公表された後、筆者がすぐ思い出した安田の舞台がある。2017年5月に赤坂ACTシアターで上演された安田主演の舞台「俺節」だ。この舞台での安田の芝居は、上手いとか役に憑依しているとかそういうレベルではなく、“全身全霊”とはこういうことを言うのか、とあらためて思うほど、鬼気迫るものがあった。「すごいものを観た」と思ったし、安田が人としてどこか違うステージへ向かっているようにも感じた。

そうか。あれは、文字通り命がけのステージだったのか。それに気づいた時、「この人は、自分の人生そのものをアートとして提示しているんだなぁ」と思った。

安田の写真集「LIFE IS」出版の発表にともない、安田はこんなコメントを寄せている。「命のこと、輪廻のこと、読み手によっては語れば語るほど押しつけがましくなるものだと感じています。ただ、経験値は独り占めしておくものではない、共有し、共鳴してこそ意味がある。伝えたい信念は全て写真集の中に詰めました」

写真集には、闘病中の写真を収録したミニブックがつくという。関ジャニ∞は昔からよく、「なんでもやるのがアイドル」と語っていて、弱さも葛藤も全部曝け出すのが彼らの面白さであり強みだと筆者は感じていたのだが、生と死に向き合った経験すら表現に昇華しようとする安田の強さと優しさと純粋さ、ある種の貪欲さには、頭が下がる思いだ。

コロナ禍で、様々な価値観が変化する中、自分の人生を曝け出すことで、生きることの厳しさ、美しさ、儚さ、尊さを伝えようとする安田は、やはり神様がこの世に遣わした“天使”なのかもしれない。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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