オリラジ中田も実践中「1日1食」は健康的か…?専門家の見解 | FRIDAYデジタル

オリラジ中田も実践中「1日1食」は健康的か…?専門家の見解

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昨年12月上旬、港区の一角にある雑居ビルから出てきた「ユーチューバー」中田敦彦(38)。確かにすっきりとした体型をキープしている
昨年12月上旬、港区の一角にある雑居ビルから出てきた「ユーチューバー」中田敦彦(38)。確かにすっきりとした体型をキープしている

緊急事態宣言下、どうしても運動不足になりがちな日々。オリラジの中田敦彦がYouTubeチャンネルで「『1日1食』で体調がいい」と話し注目を集めたが、その実際の効果はどうなのだろう。1日3食という食生活は、本当に健康につながっているのか。いま話題の本「空腹こそ最強のクスリ」の著者、医学博士の青木厚氏に聞いた。

本来、人類は「飢餓」状態が普通?

人類が誕生して440万年。その間は、常に飢餓との闘いでした。稲作の始まりを弥生時代とすれば、人間がお米を食べるようになったのはたかだか3000年ほどしかありません。江戸時代までは1日2食、好きなものを好きなだけ食べられるようになったのは、昭和40年以降です。

飽食の時代を迎え、生活習慣病や悪性腫瘍は右肩上がりで増加してしまいました、糖尿病はこの50年で50倍にまで増えました。1日3食による食べすぎが、内臓を疲れさせてしまっているケースがあるんですね。

現代人は食べ過ぎて病気になっているわけです。

人間の血糖値を低下させるホルモンはインスリン1種類のみですが、血糖値を上昇させるホルモンには、成長ホルモン、グルカゴン、コルチゾール、カテコラミンと4種類もあります。この事実は、人体は飢餓に適応するようにできていることを示しています。

私が提唱する「半日断食」とは、1日1回、それが無理なら週1回、ひと月に1回でもよいので、意識して飢餓状態になってみましょうというものです。食べ過ぎている毎日を見直すことで、様々な効果が期待できます。

「空腹」に注目したきっかけは?

私は今から10年前、40歳の時に舌癌を患いました。適切な治療で命はとりとめましたが、舌癌の再発や新たな癌の発生を考えると、とても暗い気持ちになりました。生活習慣の改善が癌の予防にならないかと論文などを調べる中で、「半日断食」にたどり着きました。

医師として糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者さんを診察し、「どのような食事の仕方であれば、もっとも無理なく、ストレスなく、病気を遠ざけるか」を考え続けてきましたが、そのヒントは「空腹」に注目することでした。

当時の私は、お腹に内臓脂肪がついたメタボリック体型でしたが、「空腹」を取り入れてから78センチあった腹囲は70センチになりました。身体が軽くなり、疲れなくなったと思います。いまのところ癌が再発する気配もありません。

「空腹」のメリットとは?

空腹の時間を作ると、内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。最後にものを食べてから10時間ほどで肝臓に蓄えられた糖がなくなり、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになります。空腹が16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。

オートファジーは「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」ことで、お掃除のように細胞が刷新されます。「オートファジー」によって、古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ老化の進行を食い止めることができるんです。

「オートファジー」に加え、人間の身体は飢餓状態になると全身の細胞がブドウ糖代謝から「ケトン体代謝」に切り替わります(メタボックスイッチ)。全身の細胞がケトン体代謝になると、抗酸化作用やDNA修復作用も上昇してきます。

空腹の効果を一言でいえば、病気を遠ざける究極のアンチエイジングだと思います。

初心者が「空腹」を取り入れるには?

最初は週1回、連続した16時間の空腹から試してはいかがでしょうか。8時間の睡眠を入れればそれほど大変ではないと思います。平日が難しければ、休日でもいいでしょう。ここでは面倒なカロリー計算はいりません。空腹に設定した時間にどうしてもお腹が空いたら、ナッツ類などは食べてもOKです。

空腹状態になると、体が軽くなり、意識が研ぎ澄まされ、なんとなく爽快感が得られます。みなさんもぜひ、この“空腹ハイ”を体感してみてください。

「規則正しい時間に食べる」「栄養豊富なものを食べる」など、とかく「食べる」ことにばかり注目していた食による健康に、「空腹」という視点を提唱する青木氏の「半日断食」は新鮮だ。

コロナ禍というかつてない生活の激変の中で、私たちの生活を支える様々なものの見直しが進んでいる。自分にとって「健康な身体を維持するための食事」とは、どういうものか。「空腹」というキーワードとともに、考えてみてはいかがだろう。

青木厚 医学博士。あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病が専門。

糖尿病患者の治療に本書の食事術を取りいれ、インスリン離悦やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してガンの再発を防いでいる。ライザップの医療監修ほか、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)、「直撃! コロシアム! ズバッとTV」(TBS)などメディア出演多数。

  • 取材・文浜千鳥

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