平成元年生まれの新Pに聞く『新婚さんいらっしゃい!』の舞台ウラ | FRIDAYデジタル

平成元年生まれの新Pに聞く『新婚さんいらっしゃい!』の舞台ウラ

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リニューアル後も継承された番組名物「椅子コケ」!

桂文枝&山瀬まみが司会を務めて来た長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送テレビ)が、この度、二人の卒業をもってリニューアル。

4月3日放送分から藤井隆&井上咲楽を新MCに迎え、新たなスタートを切った。

初回放送では、藤井隆が序盤で番組名物「椅子コケ」を披露。井上咲楽とのWコケも含めて計4回も「椅子コケ」をするという「伝統の継承」を見せてくれた。

1971年から続く長寿番組を引き継ぐのは、大変なプレッシャーだったろう。しかし、そうしたプレッシャーを感じていたのは、藤井&井上コンビだけではない。

昨年からディレクターを務め、4月1日にプロデューサーに就任した、平成元年生まれ、現在32歳の”ピカピカの新人P“三田秀平氏も、その一人だ。

「私も小さい頃、家族で観ていた番組ですし、リニューアルのタイミングということもあり、最初は自分などに務まるのかという不安もありました。 

でも、逆に先人の方々が作り上げた番組に追随させていただくことが第一で、僕が何かを作るのはまだ先の話。今はこの歴史ある番組に自分の身を投じ、今までの歴史・伝統・イズムを、今後100年続く番組にしていくための分岐点に際して引き継いでいくことが僕の仕事だと思っています」 

番組のスタートは、1971年! 写真の梓みちよさんは、2代目アシスタント
初回放送では、藤井隆が序盤で番組名物「椅子コケ」を披露。井上咲楽とのWコケも含めて計4回も「椅子コケ」をするという「伝統の継承」を見せてくれた

「コケる練習もありません(笑)」

そう語る三田氏のプレッシャーも、見事打ち破ってくれたのが、藤井隆だった。

「藤井さんは初回序盤で椅子コケし、重圧から解放された様子でした。文枝師匠の時から我々がコケて下さいとお願いすることは一切なく、あくまでちょっと転びやすい椅子がスタジオにあるだけで、おそらく藤井さんも転ぼうと思ってこけたわけじゃなく、笑ったら傾いて転がっちゃった感じと思うんです。 

それに、基本的にはオンエアにのせた藤井さんと井上さんが椅子に座って確かめる場面が初めての着席で、事前にお二人は椅子に全く触っていません。当然、コケる練習もありません(笑)。でも、番組開始早々に藤井さんの額に光るものがあり、相当緊張されているなと感じていましたし、ものもらいができていて、かなり事前にプレッシャーも感じていらっしゃると思いましたが、一組目のトークが始まると、さすが藤井さん。番組の歴史の長さ・大きさに圧倒されながらも、全力で楽しいトークを披露してくださいました」 

1ヵ月に全国から200組くらい応募いただいています 

この番組の主役である「新婚さん」たちの応募資格は、リニューアル後も変わらず、「結婚3年以内」。昔から不思議なのは、どこでこんな面白一般人を見つけてくるのかということだ。

「出場者は基本的に公募で、自薦・他薦両方アリとして予選会を行っています。主役が一般のご夫婦で、生活を赤裸々に語っていただくという特性もあるので、応募してきてくださった熱量と思いの強さを、予選会では見せていただきます。予選会は毎週のように、番組スタッフがいろいろな地域に行き、応募して下さった方と対面でお話を伺うスタイルで続けているんですよ。 

我々が応募条件として、ぶっ飛んだエピソードや特殊なクセを提示しているわけではなく、あくまでご夫婦がどれだけお互いに愛情を持っているか、また、番組に出演したいという思いをお持ちなのか、人前でハキハキ元気にお喋りいただけるのかを、事前アンケートをもとに、一次予選では見させていただいています」

そこから、出会い、プロポーズ、新婚生活の悩み事や面白いエピソードがある場合、それをどうしたらより楽しく視聴者に伝えられるかを、作家も含めて夫婦からヒアリングしていく。さらに2次予選で、より深く聞いていく流れだという。

「1ヵ月に全国から200組くらい応募いただいていますが、基本的には自薦が多い印象ですね。プライベートな話を赤裸々にするわけですから、この番組に出たいという覚悟がないと、なかなか……。 

全国まんべんなく応募がありますが、関西の方は少し多めで、トークの面でもかなり盛り上げてくれる傾向はあると思います。また、東北や九州など、特徴的な方言がある方は、あえて探しているわけではないですが、登場されると、視聴者が盛り上がる印象があります」

出場者には、国際結婚や歳の差婚、晩婚が多いイメージもあるが。

「国際結婚に関しては、日本人同士のご夫婦よりも感情表現が豊かだとか、自分の言葉を外に出すことを厭わないようなマインドの方が多く、それが結果的に応募につながっているのではないかと思います。実際、国際結婚の方々は、興味深いエピソードを多くお持ちの方が多いんですよ。 

また、かつては新婚というとどうしても20代などのイメージがありましたが、30・40・50代、それ以上の方の応募が増えている気がします。ここ10年ほどで結婚の年齢が上がっていることから、晩婚の方がテレビに出ようと思えるハードルが下がっているのではないでしょうか。結婚は若くなくてもいい、歳を重ねても幸せな結婚生活を過ごせることが当たり前になっていますから」

最近は、コロナ禍ならではの傾向も見られると三田氏は言う。

「コロナで会えないことで、オンラインで愛を育んで結婚される方が予選会には多くいらっしゃいますね。日本と外国でのオンラインもあれば、国内でもなかなか会えないカップルもいます。ここ数年、男女の出会いの半分くらいがマッチングアプリや、婚活パーティーになっていること、特にこの2、3年はそれが顕著で、出会いの仕方も時代に沿って変化していることを感じます」 

リニューアル後に始めた新しい試みのひとつが、「新婚さんサポーター」のシステム。写真は、オズワルドの伊藤俊介

「藤井さんと井上さんは本番までご夫婦に一切会わない」

もともと予選会で選ばれた出場者だとはいえ、あそこまで赤裸々に下ネタなどが飛び出すのは、引き出し方のコツもあるのだろうか。 

「僕らが能動的にきっかけを作っているわけではないですが、それが自ずとプライベートの夜の営みの話など、下ネタ寄りになるところはありますね。男女のことなので、切っても切れないというか。我々としては、お昼と言えどもご夫婦のお話はご本人の言葉でできるだけお届けしたい。 

ただ、そのあたりは不快に思われる方もいると思うので、放送するまでには客観的に毎回見極めながら進めています。お話しいただく内容に関して、何かしら我々が制限することはないですし、良識の範囲内であれば、特にNG事項を設けていることもありません」 

個人情報の問題で、一般人の顔出し・名前出しには難しさも付きまとう時代。それでも、毎月200人以上も応募があり続ける秘訣は何なのだろうか。 

「これは今となってはのことですが、これだけ長い間、日本の隅々までご覧いただいている信頼感や信用、番組内容を誰もがご存じだというブランドイメージが大きいかと思います。 

そこが、テレビというものの力では。SNSやネットでいろいろさらけ出すのは、どうしても怖いところがあると思いますが、番組内でタレントであるMCさんがしっかりと話を受け止めてくれる安心感は大きいのではないかと思います」

ところで、リニューアル後に始めた新しい試みも2つある。一つは不定期で登場する「新婚さんサポーター」のシステムだ。

「藤井さんと井上さんとのトークの中では出てこないような要素を、夫婦サイドの情報を事前に知っているサポーターさんが引き出すことで、より夫婦の魅力を伝えられたらという狙いで立ち上げました。 

文枝師匠とまみさんもそうでしたが、藤井さんと井上さんは基本的に本番までご夫婦に一切会わないんです。ファーストインプレッションでお話をしていくことを大切にしているので、事前に知っておかないとできないようなサプライズや悩みごとの解消など、その場をもうひと盛り上がりさせる役割を担っていただきます」

もう一つはTikTokの公式アカウントを立ち上げたこと。従来の番組視聴者層は中高年も多いため、意外な試みに思えるが、三田氏はその狙いと今後の抱負を語る。

「新婚のご夫婦のエピソードは、SNSのメディアと相性がいいと思うんですよ。 

特に番組に出られる方には、ご夫婦の楽しい動きやダンス、家でやっているおなじみの求愛行動などを披露される方が多いので、そういったものをオンエア以外の部分で世の中にもっと届けたいなと。これまで番組を知らなかった若い人たちに番組を認知してもらうきっかけとしてTikTokから入っていただく。そうすれば、観てもらったり出場してもらえたりするかもしれません。そのためにも、これから社会を担っていく10・20・30代の方々へのアプローチを積極的に行っていきたいと思います」

  • 取材・文田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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