清野菜名『キングダム2』原作者が涙した演技でハリウッド進出の夢 | FRIDAYデジタル

清野菜名『キングダム2』原作者が涙した演技でハリウッド進出の夢

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映画『キングダム2』で絶賛のアクション演技を披露した清野菜名
映画『キングダム2』で絶賛のアクション演技を披露した清野菜名

未曾有のコロナ禍が立ちはだかる中、1か月半に及ぶ中国ロケを神業ともいえる”リモート撮影”で乗り切り、公開に漕ぎ着けることができた『キングダム2 遥かなる大地へ』。そうしたスタッフ・キャストの執念が実ったのか、公開からわずか10日間で興行収入22億円を突破。早くも’19年に公開された前作(57.3億円)超えを狙う勢いを見せている。

この映画は、累計発行部数9000万部を超える原泰久による人気漫画が原作。中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を夢見る戦災孤児の少年・信(山﨑賢人)と、中華統一を目指す後の秦の始皇帝・嬴政(えいせい)の血湧き肉躍るドラマを壮大なスケールで描くアクション巨編。

今作では隣国・魏と蛇甘平原で繰り広げる壮大な合戦シーンが最大の見せ場だが、中でも今作から登場する清野菜名演じる羌カイ(注・ヤマイダレに鬼。キョウカイ)の演技には、目を見張るものがある。

「伝説の“暗殺一族”の生き残り羌カイは、殺された姉同然の羌象の仇討のために魏との戦いに身を投じます。“巫舞(みぶ)”と呼ばれる人並み外れた動きで敵を圧倒する原作でも人気のキャラクターだけに、原作ファンの期待に応えられるか、人間離れした動きを体現できるか、清野自身も葛藤を抱えていたと話しています」(制作会社ディレクター)

清野は撮影の半年以上前からトレーニングを開始。筋トレや体幹作りは勿論のこと、ジャッキー・チェンが映画で演じる修行シーンのように、両手の上に紙コップを載せて落とさないように動いたり、首や腰など、体の各部位を単独で動かすダンスの基礎トレーニング「アイソレーション」を練習に取り入れたりするなど、アクション女優として更にスキルアップしている。

しかし今回、清野演じる羌カイの役作りは、アクションだけにとどまらない。

「とてつもなく重たい過去を背負い、心を閉ざし羌象の復讐のためだけに生きている羌カイ。そんな羌カイの闇に落ちた悲しみを、マスクで顔を覆い隠しているため佇まいと目だけで表現する清野の演技は、圧巻としか言いようがありません。

こうした難しい役どころを見事に演じきる清野を観て、原作及び今作でも黒岩勉氏と共に脚本を手掛ける原泰久氏は『途中から羌カイが出るたびに涙が込み上げてしまう』と発言しています」(前出・制作会社ディレクター)

中でも印象に残ったのが、信と羌カイが一夜を過ごし、羌カイの過去が明らかになり、ふたりの間に絆が芽生える場面。さらに戦場で傷つき死を覚悟する仲間の尾平(岡山天音)に

「お前はまだ生きてるじゃないか!」

と言って奮い立たせる場面など、原作にないオリジナルシーンで見せる清野の演技が、なんと魅力的なことか。

実は清野は’19年に公開された前作を、一観客として劇場で観ている。観終えて

「漫画原作を実写で見事に成立させていらっしゃることに感動して、ここに自分も出たいという気持ちになった」

と、話している。

清野の心が震え立ったのには、もう一つ別の理由もある。この作品には、高校時代アクション養成所で手ほどきを受けた恩師・坂口拓も出演。信に立ちはだかる左慈役を演じ、身震いがするほどの剣さばきを披露。清野が前作を観て、

「本物のアクションをもう一度演じてみたい」

と思ったのも、頷けるところだ。

「そもそも清野は上京して間もない頃、偶然映画『バイオハザード』を観て、主演するミラ・ジョヴォヴィッチに衝撃を受け、アクションに目覚めました。そして’14年映画『TOKYO TRIVE』のヒロインに抜擢されると、押井守監督のアクション大作『東京無国籍少女』で映画初主演を勝ち取り、“若手アクション女優”の地位を確立。しかしその後、アクションを封印。

’17年には『とっとちゃん!』(テレビ朝日系)で連ドラ初主演を飾ると翌年には、朝ドラ『半分、青い。』(NHK)、さらに倉本聰脚本のドラマに出演して演技力を磨いてきました」(制作会社プロデューサー)

その後、ドラマ『今日から俺は!!』、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(共に日本テレビ系)でアクションを披露するかたわら、去年ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)ではGP帯で単独初主演を飾りトップ女優の仲間入りを果たす。

その一方、私生活では’20年に俳優・生田斗真と結婚。さらに今年3月、第一子を出産。女優として今後、どうしていくのか。清野は岐路に立たされていた。

「そんな清野が今年5月、事務所移籍を発表。移籍先は、木村佳乃はじめ杏、佐々木希などママになっても女優として活躍する先輩たちが多く、中村倫也、松坂桃李、菅田将暉など若手実力派俳優を育てたことでも知られるトップコート。

この事務所なら、子育てをしながら女優としても新たなスタートが切れる。そう判断したのではないでしょうか」(ワイドショー関係者)

女優・清野菜名には、諦めきれない夢がある。

「清野は映画『東京無国籍少女』の頃、女優としての目標を聞かれると“ハリウッド進出”と即答。当時、憧れのミラ・ジョヴォヴィッチとアクション映画で共演する夢を語っていました。

しかし今年で28歳を迎え、近頃取材の際『自分のアクションに限界を感じている』と弱音を吐くこともありました。ところが今回『キングダム2』で羌カイ役を演じることで“もっとアクションを追求したい”という思いが、フツフツと込み上げてきたようです」(前出・制作会社プロデューサー)

羌カイを演じたことで、再び“アクション”への思いを強くした清野菜名。諦めかけていた“夢の扉”が開く可能性は、充分にある。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • PHOTO坂本 信二

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