「お前ら全員必ず不幸が訪れます」めるるが『日曜の夜ぐらいは…』で評価が爆上がりしているワケ

「殺しました。何度も何度も夢の中で、毎晩毎晩…全員ね。思いつく限り残虐な方法で。『いやいや、人間のカラダその角度で折れ曲がらないよ』みたいな死に方」

ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』（テレビ朝日系）の第5話、めるること生見愛瑠（22）が祖母（宮本信子）と２人、勤務していたちくわぶ工場を辞めるシーン。全従業員の前で「お疲れ様でした、お世話になりました」と頭を下げた彼女だが、これまで自分に陰湿な嫌がらせをしてきた彼らへの鬱憤が爆発するのだ。

「私がいったい何をしたの？ あんたたち、いや、お前らに。教えておいてあげるけど、お前ら全員必ず不幸が訪れます。なぜなら、あたしがお前ら全員に呪いをかけ続けてきたからです。絶対不幸になる」

これまで、これ見よがしに嫌味を言っても口答え一つしなかった彼女の豹変ぶりに、従業員たちは呆気にとられるばかりだった…。

このシーンのめるるの演技に対してネットには賞賛の書き込みが溢れた。

《『スカッとジャパン』みたいな爽快感》

《人としてありえない角度で殺す！って言うめるるがカッコ良すぎる》

《めるるに泣かされた。めるるは泣いていないのに、こっちが泣いてる》

めるるの演技が好評だ。同じ４月クールの『風見公親－教場０－』でも第４話にゲスト出演して、自分を妊娠させて捨てた男を殺す19歳の女子大生を演じて評判となった。

「彼女の犯行であることを新垣結衣演じる刑事に解き明かされ、感極まって涙を流すシーンは台本にはなく、自然に涙が流れてしまったそうです。このシーンでは『めるるがガッキーを食った』という声も上がっていました」（制作会社関係者）

そして、現在出演している『日ぐら』では清野菜名（28）、岸井ゆきの（31）と並んでメインキャストの１人を演じている。同作品はそれぞれ悩みを抱えて日常に行き詰っていた３人の女性が偶然出会って友情を育んでいく物語だ。丁寧に３人の心情を描く演出で往年の『ふぞろいの林檎たち』のようだという声も。前期話題になった『ブラッシュアップライフ』（日本テレビ系）のように、視聴率は５～６％ぐらいとそこそこなのに最も注目されている作品だ。

「母親（和久井映見）が車いす生活になったのは自分のせいだと自身に不幸な生活を強いている清野、元ヤンで明るいけど周囲から浮いて家族とも断絶している岸井という、演技巧者の２人が演じる濃いキャラクターに挟まれても、めるるはまったく引けを取っていません。奔放な母親のせいで財産を失い、祖母と２人きり田舎でずっと孤立して生きてきた『わぶちゃん』を好演しています。先輩２人を頼っているのではなく、誰が欠けても成り立たない３人、という関係性が成立しているのです」（ドラマライター）

『ニコ☆プチ』『Popteen』のモデルから、’20年にはバラエティ中心に209本の番組に出演してブレイクタレントとなっためるる。バラエティ番組では同じギャル枠のタレントのようにガツガツ行くタイプではなく、黙ってニコニコしていることが多いことから「何もしないでのし上がった女」とネットに書かれたこともあった。

だが実は’21年に『THE突破ファイル』（日本テレビ系）の再現ドラマに出た頃から、演技は上手いと言われていた。しかし、そこからわずか２年ほどで主演クラスにまで駆け上がれたのには、理由があるという。

「’21年にはドラマ『白杖ガール』(日本テレビ系)に出演し、６～７番手ながら存在感はありました。’22年には映画『モエカレはオレンジ色』にヒロインを演じてアカデミー賞新人賞を取っています。しかし、視聴者に強烈な印象を与えたのは、昨年『石子と羽男』(TBS系)でのひき逃げ事件の被告となった元不良役と、『教場０』での殺人犯役でしょう。やや天然系で、ふだんバラエティでニコニコしている彼女とは、ギャップがあり過ぎる不幸で悲惨な女性ばかりです。２作とも１話だけのゲスト出演でしたが、かえってインパクトがありました。インパクトがあるがゆえに演技の上手さも記憶に残るのです」(同前)

『日ぐら』でめるるが演じている「わぶちゃん」も今のところ不幸な女だ。めるるには意外と不幸が似合う？