<figure id="attachment_264658" aria-describedby="caption-attachment-264658" style="width: 1583px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="623cd123"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/3ca97e8bc6af65c0d0311eb8a005bf40-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-264658" class="wp-caption-text">俳優の”ゲイ疑惑”について「アウティング」ともとれる発言をしたガーシー議員。NHK党はどんな対応をするのだろうか…（YouTubeチャンネルより）</figcaption></figure>
暴露系ユーチューバーとして人気を博し、7月の参院選ではNHK党から出馬し当選したガーシー氏。そんな彼が9月11日に行った“暴露”が問題となっている。
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「ライブ配信サービスの『ツイキャス』で行われた配信では、男性俳優Aと男性タレントBに関して、実名を挙げて“ゲイ疑惑”を暴露しました。その情報元としてゲイの世界では“有名な話”としており、当人サイドに“裏取り”取材した形跡はなく、あくまでウワサとして話していましたね」（ワイドショー関係）
そんな衝撃的な暴露にネット上でも話題になっている。Twitterなどでは、
《他人のセクシャリティを暴露するのが議員の仕事なの？》 
《ガーシーのやっている事はアウティングに当たる行為。嘘であっても相手の人権やイメージに関わることだし最低》
と、暴露したガーシー氏に対して厳しい言葉が並んでいる。だが、悲しいことに一部にはAとBに対し差別的な発言もある。
今回問題なのは、この発言が事実だった場合、AとBがセクシュアリティを明らかにしていないにもかかわらず、あくまでウワサ話を元にしてガーシー氏が断定的に発言したこと。そして、国民の代表である国会議員が、（特に性的マイノリティの当事者について）本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露する“アウティング”を行ったことだ。
アウティングとして思い出されるのは、’15年に起こった『一橋大学アウティング事件』だ。
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クラスメイト同士のLINEグループで、同性愛者であることを同級生に暴露された学生が、大学の建物から転落死。遺族が暴露した同級生と大学の責任を追及する民事訴訟を起こしたのだ。
「遺族と同級生は和解が成立しましたが、大学側の責任を問うため東京高裁まで争われました。高裁は一審の東京地裁に続き遺族側の請求を棄却しましたが、裁判長は『人格権ないしプライバシー権などを著しく侵害するものであり、許されない行為であることは明らか』とアウティングの違法性に言及した判決となりました」（全国紙記者）
このような裁判所の判断が出ているにもかかわらず、暴露ネタとしてアウティングを行ったガーシー氏。性的マイノリティに関する情報を発信する『一般社団法人fair』代表理事である松岡宗嗣氏は、彼の暴露に怒りを露わにする。
「そもそも今回の発言はあくまで“噂”であり、事実は誰にもわかりません。『アウティング』と断定することは、ガーシー氏の発言を事実かのように印象付けてしまうため、注意が必要です。
ただし、ガーシー氏は参議院議員でもあり、本来市民の権利を守るはずの国会議員が、自らの利益のために、アウティングのような、他者のプライバシーを侵害する行為を率先して行うことは、極めて悪質で問題だと考えます。権利侵害や差別や偏見の助長という点から、議員としての立場も厳しく問われるべきです」
今回の暴露の中でガーシー氏は、
「別に僕はゲイのことも否定しないし、バイのことも否定しません。レズ（ビアン）のことも。僕は人それぞれだと思うので。全然いいと思います」
と同性愛に否定的でないと発言している。それについても松岡氏は
「セクシュアリティの暴露をネタとして利用している時点で同性愛蔑視であり、何の弁明にもなっていません。この発言の直後に“週刊誌が取り上げた方がオモロイのかなと思っていた”などとも発言しており、ここからも明らかに差別的な態度が見て取れます」
と指摘する。しかも、ガーシー氏は
「これを聞いたらね、ちょっといろいろ見方が変わってくるよね。（中略）Aはオレもかなり意外やったし」
と話している。つまり、自身の暴露がAに対して重大な影響を与えることを理解しているのだ。
<div data-friday-nextpage-lead="NHK党立花党首からは”厳しい対応”の可能性も…"></div>
「ガーシー氏はAが所属するプロダクションを敵視し、YouTube開始当初から別の所属俳優を攻撃していました。実際に今回の暴露もこのプロダクションの名前を挙げ、そこに所属するタレントの名前を1人ずつ挙げながら、“待ってました”とばかりに最終的にAの名前を出しました。
今回の件は極めてプライバシー性が高い個人情報であるセクシュアリティに関する問題なため、本人も事務所も反論しにくい。それをわかったうえで暴露したのであれば、国会議員として責任を追及されても仕方がありません」（スポーツ紙記者）
ガーシー氏が所属するNHK党は、ジェンダーや多様性について国会での議論を積極的に求めていくことを公約に掲げている。そこで立花孝志党首に“国会議員が芸能人に関するアウティングを行ったとするならば、NHK党及び立花党首は今回の暴露についてはどのように考えているのか？”と聞いてみると、
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《当事者（AさんやBさんやその関係者）からNHK党に対してクレームなどの申し出があれば真摯に対応させて頂きます》
とメールにて回答を寄せた。
また、“今回、ガーシー議員の暴露がアウティングであるという認識が党ないし立花党首にあるのであれば、党としてガーシー議員になんらかの処分などを下す考えはあるのか？”という質問には、
《『一橋大学アウティング事件』について承知しておりません。よって、アウティングという言葉も初めて知りました。おそらくアウティングというのは、刑事罰のある違法行為ではないと思われますので、当事者からの申し出があればNHK党として対応させて頂いた上で、その結果次第で東谷に処分を下す可能性があることは否定致しません。
つまり、当事者から申し出が無ければNHK党として何もしない事が確定し、当事者から申し出があれば、その顛末次第では、処分を下す可能性があるという意味です》
と回答した。
ガーシー氏のアウティングによって、AとBは差別や偏見による具体的な被害や不利益を受ける可能性がある。
そんなセンシティブな問題にもかかわらず、ネット上で吹聴したガーシー氏。彼が議員としてどう責任を取るのかはもちろんのこと、擁立したNHK党、および“良識の府”といわれる参議院は、どんな判断を下すのだろうか――。

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