芦田愛菜さん「慶応大医学部」なら芸能活動両立可能の納得理由 | FRIDAYデジタル

芦田愛菜さん「慶応大医学部」なら芸能活動両立可能の納得理由

私学ナンバー1である「慶応義塾大学医学部」の意外な内情

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〈芦田愛菜さんが進学を目指しているのでは……とささやかれる「慶応義塾大学医学部」。私学ナンバーワンの医学部で、日本人女性宇宙飛行士である向井千秋医師を輩出するなど、名門中の名門だ。

その分、授業や課題が非常に厳しいと言われている。実際に彼女が医学部を目指すのかどうか、現時点では確かめられないが、もし、芦田愛菜さんが慶応義塾大学医学部に入学した場合、芸能活動と両立することは可能なのだろうか。そもそも、同大学の医大生はどんな学校生活を送っているのか。

2002年に慶応義塾大学医学部を卒業し、現在は高座渋谷つばさクリニックの院長を務める武井智昭医師に、同大学医学部の実態について話を伺った〉

慶応大学医学部病院(写真:共同通信イメージズ)
慶応大学医学部病院(写真:共同通信イメージズ)

知られざるキャンパスライフ

慶応医学部の1年目は、その他の多くの学部生と同じ日吉キャンパスでの授業が行われます。この1年目の生活は、他の単科医科大学とは異なる点です。

このため、キャンパスライフの雰囲気や楽しさを、ほかの慶大生と同じように満喫することが可能です。慶応義塾の福澤諭吉の理念である「半学半教」「文武両道」などの精神から、医学部であっても真の人間力を公私ともに学べることが、慶応大学医学部ならではの特徴であります。

さて、医学部に入学すると、総勢20以上の医学部独自の体育会と一部の文科系クラブから勧誘を受けます(ちなみに、私自身は慶応大学医学部管弦楽団に所属しておりました)。

当時は入学した医学部生の8割以上がどこかの部活に所属していました。ここで、医師になったあとに必要となる人脈を構築したり、社会性を学んだりするのです。もちろん、慶応大学医学部以外の他のサークルや自分自身の活動を展開する方もおります。

私の時代は、授業も部活も、1年目はそこまできついものではありませんでした。授業に関してはほぼ出席はせずに、部活動等に熱中する方も多数おりました(私もその一人でした)。

例えば、ヨット部であれば信濃町キャンパスのみではなく、ヨットハーバーがある江の島で生活をしていたり、ゴルフ部であれば平日のラウンドの方が混雑がないので、安く早くラウンドをすることができたり……と「1年目の特権」を生かしている人が多くいました。

この大学での上下関係や横のつながりで得られた貴重な経験・財産の一部は、卒業してからもつながっています。

〈1年生のうちは、医学部以外の大学生と同じように楽しくキャンパスライフを送ることができるようだ。ただし、医学部ならではの授業が2年生から急速に増えていく。そのため、芸能人が芸能活動を続けようと考えたときには「要領の良さ」が欠かせないだろう、と武井医師はいう〉

医学部の授業の出席は、現在では以前と比べて厳しくなってきていると聞きます。数回欠席するだけで単位取得不可となる科目もあるそうです。

そんななか、本当に大変になるのは2年生からです。

医学部2年生からは、解剖学・生理学などの基礎医学が始まります。このため、医学部ならではの独特の試練がはじまり、医学への真摯な姿勢やある程度まとまった勉強時間、要領の良さが求められます。

私の場合、試験対策には、解剖学や発生学、生理学の基礎医学の試験合格には各教科20時間を必要としました。そのため、学校生活やサークル、学外のイベントで、毎日の睡眠時間は5時間なかったと思います。

さらに医学部3年生ころから臨床医学の座学が主となり、内科・外科・小児科・産婦人科……など各科目に関しての座学が中心という「医学生らしい生活」になってきます。悲しいことに、このころには、他学部学生との接点はほとんどなくなってきます。

そして医学部5年生からは臨床実習が始まり、拘束時間も非常に長くなります。実際の患者さんと家族と接したり、手術などの処置を見学したりすることによって、医師への職業観が醸成されていくのもこの時期です。

その後、医師国家試験合格へ向けた勉強を行います。幸いにも95%程度の学生は1回で合格していきます。前述の部活動等の課外活動は6年生の夏休みくらいまで精力を注ぐ方が多かったです。

問題は5年生になってから

こうした状況を鑑みて結論を出すなら、忙しく芸能活動をしている人がもし医学部に入られても、4年生までは現在のペース、あるいはそれ以上の芸能活動は可能であると思います。

自分も慶應内部進学者ですが、いかなるジャンルに関しても、比較的要領よくこなすタイプの方が多いのも内部進学生の特徴です。幼いことから芸能活動をこなしてこられた方なら、要領はいいはずですから、4年生までは授業を順調にこなしていくでしょう。

ただ、問題になるのが、医学部5年生になった時です。前述のとおり、学業が恐ろしく大変になることに加えて、今後の進路を決めなければならないからです。本気で医師を目指していくか、あるいは芸能活動に邁進していくかどうか、自分自身の人生観に関して「大きな決断」が必要になるのです。ここで「自分は医師として活躍いていきたい」という決断をしたならば、どれだけ要領よく頑張ったとしても、芸能活動との両立は難しくなるでしょう。

その時は医師になるために懸命に勉強されて、その後、医師になったあとにまた活動を両立させる――そんな流れになるのではないでしょうか。

〈最近では、医学部を卒業しても、臨床医以外の進路選択を選ぶ人も増えてきているという。そもそも彼女が医学部に進学すれば…の話ではある。もちろんそれ以外の選択肢をとっても素晴らしい人生を歩むことは間違いないが、聡明な芦田愛菜さんがどのような決断を下していくのか、今後も注目を集め続けるだろう。〉

  • 武井智明

    2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院で小児科医・内科医の経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

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