ベテラン芸能レポーターも驚いた橋本環奈『紅白』司会抜擢のウラ側
芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”
《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”》
歌謡曲、演歌歌手の出場が減らされ続けているNHK『紅白歌合戦』。今年の司会者が発表されて驚いた。
今年の紅組の司会者は、女優の橋本環奈さん。いままでのNHKの選び方なら、紅組は今年の大河ドラマで活躍した女優、朝の連続テレビ小説で主役を演じた女優から、なんとなく決まっていた感がある。
翌年の大河ドラマのヒロイン役、もしくは“朝ドラ”の主人公が選ばれたケースもあった。昨年の司会者も“沖縄返還50周年”の記念作となったテレビ小説『ちむどんどん』に出演した川口春奈さんが選ばれた。
それを踏まえると、今年も朝ドラ『舞い上がれ!』の主演を務めている
「福原遥さんなのだろうな…」
くらいに考えていたら、NHKのドラマには関係がない橋本さんが選ばれたことにオレもビックリ。だから、大半の視聴者、ファン、芸能記者も
「まさか橋本環奈さんが…!?」
という思いになったんだろう。
昨年の川口さんは『ちむどんどん』だけでなく、大河『麒麟がくる』でも立派に代役を務めた。’13年、’19年に司会をした綾瀬はるかさんは『八重の桜』『精霊の守り人』で主演を務め、’20年の二階堂ふみさんも『エール』のヒロインだった。
つまり、ここ3年間だけみても、NHKに貢献した女優さんが司会に抜擢されている。だからこそ、橋本さんも
「お話を伺った時に、まず、え、司会?私が?そもそもなんで私なんだろう、と耳を疑いました。もしかしたら夢なのかなって」
と驚きの心境を打ち明けている。
「発表になった今は、紅白の司会と言う大変光栄な役目をしっかり全うせねば!という気持ちです。誠心誠意向き合い、臨みたいと思います」
と、気合を入れている。でも、こんな発言も。
「実感がなく、ただただ驚きに包まれました。今まで女優として邁進してまいりました私にとって司会の経験もなく、お受けして良いのか散々逡巡いたしました」
と戸惑いも覗かせる。しかし、SNS上などでは
《ハスキーボイスの司会が楽しみ》
《環奈ちゃんの司会からは、ひと時も目が離せない魅力》
と、当然、祝福の声も多く上がっている。俳優・大泉洋さん、『嵐』の櫻井翔さんら、かつてはドラマなどで共演をした先輩たちと、歌のステージに立つ。NHKの看板アナウンサー・桑子真帆さんも一緒だ。
橋本さんが「テレビに出たい」と思うようになったのは7歳だったという。生まれ故郷の福岡のプロダクションに所属し、数々のオーディションにも参加。小学校の卒業文集に、将来の夢は「女優」と書いている。
それから15年。年末の国民的番組の司会者として登場するのだから、夢は確実に前進している。
それだけに、橋本さんが選ばれたということは、NHK内部でもすごいことなのだろう。でも、ローカルアイドルとしてデビューしたころから「1000人に一人の逸材」とまで呼ばれた橋本さん。
9年前、博多リバレインで開催されたイベントで踊っている姿が当時の『2ちゃんねる』やTwitterに取り上げられ、“可愛すぎるローカルアイドル”として瞬く間に拡散。この写真が“奇跡の一枚”といわれた。
それを考えたら、NHKが選んだのは遅すぎた感もあるが、年齢層に幅広いファンを持つ橋本さんを選んだ背景には、NHKといえども視聴率を取りたいという強い意志が感じられる。
そうなると、今後はNHKに出演していなくても、司会などの大役を任される人が出てくるのだろう。だけど、オレみたいな昭和の演歌・歌謡曲を聴きたいと思っているお年寄りもたくさんいるということをNHKは忘れないでほしいなあ…。
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文:石川敏男(芸能レポーター)
‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中
写真:Pasya/アフロ