<figure id="attachment_280024" aria-describedby="caption-attachment-280024" style="width: 1642px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cf21df88"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/9c3a97f6bb8a190a04f1a0e0c1aa30dd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-280024" class="wp-caption-text">映画『母性』の出演オファーに最後まで悩んだという戸田恵梨香（右）とその娘役の永野芽郁（左）</figcaption></figure>
11月28日、所属事務所から第一子を妊娠したことが発表された戸田恵梨香。松坂桃李との結婚から２年。しかしその道のりは、決して平坦ではなかった。
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「昨年10月、体調不良を理由に、今年公開された映画と４月期の連ドラを相次いで降板。これまで女優として休むことなく常に第一線を走ってきた戸田に何があったのか。
心配する声が相次ぎました。実はその降板の原因となったのが、戸田主演の今作『母性』ではないかといわれています」（ワイドショー関係者）
映画『母性』の原作は、累計発行部数120万部を突破した湊かなえの同名の話題作。無償の愛を与えてくれる母・華恵（大地真央）の元で育ち、その娘であることに何よりも幸福を感じていたルミ子（戸田）と、その娘に生まれ歪んだ母性の元、良き娘であろうと苦しみながら母の愛をひたむきに求め続ける清佳（永野芽郁）。
この作品は、華恵の悲劇的な死を境に２人の運命が大きく変わっていく衝撃のヒューマンミステリーが繰り広げられる。しかもベストセラー作家が
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「これが書けたら、作家を辞めてもいい」
そう思い定めて書いた原作。その映像化だけに、戸田は出演するかどうか悩んだ。
<div data-friday-nextpage-lead="戸田が出演オファーを受けるか悩んだワケとは…"></div>
<a href="#" data-ident_hash="68ff931d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/9b0700cdd349931b47f6de8eabdc3830.jpg" alt=""></a>
「オファーを受けた際、子供を産んだことのない戸田は明らかに経験不足であることから違和感を覚えました。しかし折角、オファーを受けたのだからその期待に応えたい。何かを見いだせるかもしれない。
そういった思いからルミ子役を引き受けました。ドラマ『大恋愛』（TBS系）で新境地を切り開いた戸田ですが、今回は感情でお芝居をするのではなく、理屈で詰めていかなければ役作りができない。今の自分の能力が試される作品だとみずからを奮い立たせ、難しい役に挑みました」（前出・ワイドショー関係者）
戸田は、理詰めでルミ子の心を懸命に探る。すると母・華恵と一緒に過ごしている時と娘・清佳と接している時では全然違う表情をしていることにまず気が付く。
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さらにルミ子自身も気がついていない“もうひとつの顔”を意識的に見せようと慎重に役作りに取り組んだ。しかもそこに、大学生から40代50代まで幅広い年齢層を演じる難しさも加わり、今回の役どころは
「今までの役の中で、ズバ抜けて難しかった」
と振り返っている。
「しかも今回演じるルミ子は、自身の母への愛ゆえに娘を母が喜んでくれるような娘に育てようとしますが、理想と現実の狭間で苛立ち、狂信的なオーラをまとっていく。そんな役どころを追い求めるうちに、戸田はどんどん痩せていき、精神的にも追い込まれていったのではないでしょうか」（制作会社プロデューサー）
さらにいやが上にも“母性”の問題が、戸田の前に立ちはだかる。
「“母性”といえば、まず是枝裕和監督の『万引き家族』『ベイビー・ブローカー』の２作が頭に浮かびます。子供を産まないけど母になろうとする信代（安藤サクラ）を描いた映画『万引き家族』。片や、いろんな事情から母になることを諦めたムン・ソヨン（イ・ジウン）を描いた映画『ベイビー・ブローカー』。
この両作には、“子供を産んだからといって母性に目覚めるわけではない”というテーマが描かれています。しかも『ベイビー・ブローカー』では、人身売買の罪で現行犯逮捕しようと追いかける女性刑事たちにも、赤ん坊と旅をするうちに母性が芽生えてくる。“母性”とは実に難しくも難解な代物です」（前出・プロデューサー）
戸田は以前、’19年のNHK朝ドラ『スカーレット』でも、母親役を演じたことがある。
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陶芸家・川原喜美子の半生を描いたこの作品の中で、白血病に冒された息子・武志（伊藤健太郎）に対して不安に打ち震えながらも感情を抑え、ぶっきらぼうに接する場面では何度も視聴者の目頭を熱くさせている。
そして最終週、感情を高ぶらせ「おれは生きたい」と涙をこぼす名場面で武志の気持ちをしっかり受け止め、頭を抱きしめる姿は母そのもの。今も語り継がれる名場面となっている。
今作でも、『スカーレット』に勝るとも劣らぬ母と娘の名場面がある。
「ルミ子が清佳を抱きしめるクライマックスシーン。原作者の湊かなえは、この場面を一番印象に残っているシーンとしてあげ、『自分が書いている時には、しっかり首を絞めているイメージがあったのですが、映画を見たら“首を絞めているのに、戸田さんの演技が抱きしめているような表情にも見える”と感じてすごく震えました』とコメント。戸田の深みのある演技を絶賛しています」（制作会社ディレクター）
奇しくも映画『母性』公開時に、第一子の妊娠が発表された戸田恵梨香。禁句だが、“もし”戸田が母になってからルミ子を演じていたらどんな“母性”をみせてくれたのか。ファンならずとも気になるところだ――。

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

中村和彦

11月に第一子を妊娠したことが発表された戸田恵梨香。だが、それまでに映画、ドラマなどを次々と降板したことが報じられるなど、”休養”に追い込まれたワケとは…

映画＆連ドラを相次ぎ降板…戸田恵梨香が映画『母性』に挑み“休養”に追い込まれたワケ

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