出待ちファンも減るばかり…襲名から2ヶ月 市川團十郎の不安だらけの年初め
1月上旬午後3時過ぎ、東京都中央区の新橋演舞場の楽屋口からスタッフにガードされながら出てきたのは十三代目市川團十郎白猿(45)である。昨年10月の襲名を機に、来年10月まで全国で続く襲名披露興行で大忙しの團十郎。この日は6日から始まった『新春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム「SANEMORI」』の舞台出演を終えた後だった。
團十郎はダンディーなスーツ姿にサングラス、足元はスニーカーを素足で履いている。その周辺には出待ちと思われる女性ファンがちらほら見受けられたが、道路を横切るためにしばしその場で立ち続けた團十郎を見ても全く反応していないようだった。
「出待ちのファンは『Snow Man』のメンバー・宮舘涼太(29)目当てでしょう。実は宮舘にとって歌舞伎舞台への出演は初めてではありません。2019年、宮舘がまだジャニーズJr.だった時に同グループの阿部亮平(29)と共に出演しており、今回は3年ぶりの出演となります」(スポーツ紙記者)
『SANEMORI』初演は2019年、團十郎(当時海老蔵)が“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”を掲げ始めた自主公演プロジェクト『ABKAI』で上演され、宮舘も出演して大きな話題を呼んだ。その時以来の再演とあって、チケットは全日売り切れとなっている。團十郎もホッと胸を撫で下ろしていることと思われるが、この結果に首を捻る梨園関係者も少なくない。
「メインであるはずの11月、12月に行われた『襲名披露公演』では、チケットが売れ残ったのに、こちらは即完売。図らずも、古典歌舞伎や團十郎の名前だけでは客席を埋めることができないということが改めて証明されたわけです。まあ、それも仕方ありません。正直、團十郎の芝居は『襲名披露公演』でも名跡に値するレベルとは言えませんでした。
でも、宮舘さんはしっかり芸の腕を上げておられましたよ。團十郎はこの結果に“悔しい”とか、“もっと芸に精進しなければ”と思ってくれればいいんですが…。『ABKAI』の舞台はいつも素晴らしく、客も呼べる。プロデュースする力はあるんですけどね。市川宗家の方ですから、やっぱり古典歌舞伎の舞台で輝いてほしいのですが…」
海老蔵時代の2015年ごろは、新橋演舞場の公演後は道路の両側を埋め尽くすほどの多くの女性ファンによる出待ちが見られ、本人も「ありがとう」と声を掛ける余裕すら見せていたのだが、こんな調子で10月まで続く襲名披露興行を無事、乗り切ることはできるのだろうか。
- 写真:島颯太(4枚目)蓮尾真司(5枚目)