次は天海祐希…『アバランチ』『エルピス』『罠の戦争』〝月9〟より注目「月10」ドラマのカンテレ枠 | FRIDAYデジタル

次は天海祐希…『アバランチ』『エルピス』『罠の戦争』〝月9〟より注目「月10」ドラマのカンテレ枠

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4月17日からスタートする〝月10〟ドラマ『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』に主演する天海祐希
4月17日からスタートする〝月10〟ドラマ『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』に主演する天海祐希

大きな反響を呼んだ草彅剛主演の月10ドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系)。視聴者をも欺き、罠にかけた“予測不能の結末”は、改めて大きな反響を呼んでいる。

このドラマは、『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く、草彅剛主演の〝戦争シリーズ〟第3弾。息子に重傷を負わせた犯人と事件をもみ消した政治家への復讐を遂げた主人公の鷲津亨(草彅)。ところがその鷲巣も権力の闇に堕ちる、今作はまさに予測不能のエンターテインメントと呼ぶにふさわしい。

「草彅は闇落ちして殺気立つ鷲巣を演じるために、私服の段階から黒いブルゾンをまとい、現場に入るところから役に入り込んでいました。

本番では、リハーサルをはるかに上回る熱演ぶりを披露。『いつもスタッフの想像の斜め上を超えていた』と、河西秀幸プロデューサーも驚きを隠せなかったようです」(ワイドショー関係者)

鷲津の私設秘書・蛯沢眞人役を演じた杉野遥亮は、そうした草彅の演技を目の当たりにして

「(草彅の)出ているエネルギーやオーラが変わるので、それに自分も引っ張ってもらった」

と当時を振り返っている。

’20年に公開された映画『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。この作品で〝100%憑依〟する新たな役作りの極意を会得した草彅の演技が、作品自体を異次元へと誘っているのかもしれない。

しかし今作は、前二作にはない産みの苦しみを味わっている。

「『罠の戦争』の企画は、前作『嘘の戦争』終了と共に準備を始めました。政界を舞台に、弱いものが強い権力者に立ち向かう復讐劇にすることと、視聴者を罠に陥れる〝あの結末〟も当初から決まっていました」(制作会社プロデューサー)

しかし、まさかの出来事が今作を襲う。主演する草彅剛がジャニーズ事務所を退所すると、諸事情から今作は暗礁に乗り上げ、放送までに6年もの年月を費やすことになる。

だが、産みの苦しみを味わったのは、今作ばかりではない。前クールで放送された話題作『エルピス―希望、あるいは災い―』も、なんどもお蔵入りの危機に瀕している。

「『エルピス』は’16年、〝未解決の冤罪事件〟として産声をあげましたが頓挫。企画を手掛けた佐野亜裕美プロデューサーは海外事業部に移動の末、TBSを退社。

しかし、佐野Pはこの企画を高く評価する関西テレビに移籍、執念を実らせ6年後に実現にこぎつけています。脚本を読んで『ぜひやりたい』と出演を快諾して待ち続けた長澤まさみにとっても、思い出深い作品となりました」(前出・プロデューサー)

’21年の10月期に放送された『アバランチ』から、長年バラエティ番組を放送してきたフジテレビ月曜10時の枠が〝ドラマ枠〟に衣替え。主演する綾野剛が映画『新聞記者』で日本アカデミー賞を席巻した藤井道人監督とタッグを組むチャンレンジングな企画が幕を開ける。

「法律や正義でさばき切れない〝悪〟を暴き、全世界に生配信する事で白日のもとにさらす。最終回で、アバランチが日本版CIAを作ろうとしていた巨悪の野望を打ち砕く壮大な物語は、まさに劇場型ピカレスク・エンターテインメントに相応しい。

何十回もアングルを変えて同じシーンを一連で撮る映画顔負けの手法も、Netflixをはじめとする全世界に配信されるドラマへの挑戦状となりました」(制作会社ディレクター)

そのDNAは、シネマカメラを駆使して配信ドラマにも負けない映像クオリティを実現した『エルピス』にも引き継がれ、関西テレビが制作する〝月10〟ブランドは今や、日本のドラマ界の最先端を走っていると言っても過言ではない。

「こうした努力の末に、Netflixの視聴ランキングTOP10に、先行配信の関西テレビ制作『インフォーマ』と共に放送直後配信の『罠の戦争』、放送期間終了後配信『エルピス』の3作が同時にランクイン。〝カンテレ・ドラマ〟は今後も、台風の目になりそうです」(前出・ディレクター)

4月17日からスタートする〝月10〟ドラマ『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』。

主演作にハズレなしと言われる天海祐希。そして月9ドラマ『監察医 朝顔』シリーズ(フジテレビ系)、『ハコヅメ〜たたかう! 交番女子〜』(日本テレビ系)を手掛けた根本ノンジがタッグを組むだけに、新たな爪痕を残してくれるはずだ――。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)
  • PHOTO坂口 靖子

島 右近

放送作家・映像プロデューサー

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

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