「先に亡くなった母を目撃か…」市川猿之助「悲しき家族会議」で話し合われた〝絶望〟
歌舞伎俳優の市川猿之助が5月18日午前、東京都目黒の自宅で両親とともに倒れているところを発見され、救急搬送された。父親の市川段四郎さんと母親は死亡した。
自宅を訪れたマネジャーが半地下のクローゼット内で意識もうろうとしている猿之助を見つけ119番通報。近くにあったキャンバスには、知人俳優Xに宛てたメッセージが書かれていた。両親は2階リビングの床の上に並べられ、掛け布団がかけられていたという。
猿之助をめぐっては18日発売の「女性セブン」でセクハラ疑惑が報じられた。性的マイノリティーに関する記述もあり、これにショックを受けた猿之助が衝動的に動いた可能性も否定できない。
猿之助は19日に搬送先の病院を退院。その足で警察の聴取を受け、
「家族会議を行った。死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」
と証言した。その言葉通り、両親の死因は「向精神薬中毒の疑い」だった。
「猿之助さんが女性セブンの直撃取材を受けたのは15日。質問事項は歌舞伎の興行を行う松竹に届けられ、その時点で梨園では『猿之助さんのスキャンダルが出る』とウワサされていた。猿之助さんは記事が出ることを理解し、17日夜までに両親に事情を説明するために自宅を訪問したのではないか」(梨園関係)
目黒の自宅周辺を取材すると、両親に関連したエピソードは出てくるが、猿之助の生活感はない。関係者によれば、
「ずいぶん前に出て行き、別のところで暮らしていると聞いている」
ただし、決して親子仲が悪いわけではなかったという。
その猿之助が血相を変えて実家を訪問。そこで「家族会議」が開かれた。
詳細は猿之助の聴取でこれから明らかになるであろうが、
「家族会議で『皆で死のう』という結論に至るのだから、全員が追い詰められ、行く末を悲観したことが容易に想像できます。我々には想像もできない、つらい話し合いだったのではないか」(梨園関係者)
と推察する。
司法解剖の結果、両親の遺体はともに死後1~2日が経過。母親は18日午前に捜査員が自宅に踏み込んだ時点で、すでに死後硬直が始まっていたとされる。
「お母さんは猿之助さんを溺愛していたし、寝たきりだった夫の段四郎さんの面倒も甲斐甲斐しくみていた。ハキハキと喋り、しっかり者という印象。その母親が先に亡くなっていくのを猿之助さんはその目で見ていた可能性が高い」(捜査関係者)
猿之助も薬物を摂取したというが、昏睡状態には陥らず、半地下の部屋に移動し、そこで自死を図った。前出のキャンバスのほかに、別の紙にもメモ書きが残されており、そこには
「遺産をXに相続させたい」
という趣旨の言葉が綴られていたという。
「法的な話になりますが、Xに遺産を相続させるには、両親がすでに亡くなっていることが前提条件になります。もちろん、緊迫した状況下で猿之助さんが法的な相続順のことまで考えていたとは思えませんが……。
また、血の繋がっていない第三者に遺産を相続させるには、フォーマットにならって書かなければならないので、メモ書きでは無効となります」(法曹関係者)
猿之助には今後、自殺ほう助などの嫌疑がかけられることになる。罪を犯したのであれば償わなければならないが、両親は亡くなり、歌舞伎界への復帰は絶望的。誰も救われない結末になってしまった――。
- PHOTO:Motoo Naka/アフロ