市川猿之助出演の映画「キントリ」が大幅修正しての再撮影が決定…「賠償請求」の金額が決まらない理由

６月16日公開予定だった映画「劇場版『緊急取調室　THE FINAL』」の公開延期を１日、配給元の東宝が発表した。

「警視庁捜査一課の取調べ専門チーム『緊急事案対応取調班＝通称キントリ』の活躍を描く、テレビ朝日の人気ドラマの完結編です。天海祐希主演で、これまでにシーズン４まで、そして２度のスペシャルドラマが制作されました」（スポーツ紙芸能担当デスク）

その劇場版で立ち向かう最後の被疑者が内閣総理大臣で、これを演じていたのが５月18日に一家心中を図った市川猿之助だった。

「その後に猿之助は警視庁捜査一課から事情聴取を受けるに至り、映画で描かれる内容が現実のものとなってしまいました。全ての準備がほぼ整い、映画館では天海と対峙する猿之助のシーンも含めた予告編が展開され、これから本格的な番宣というタイミングでのスーパートラブルは本当に悪い冗談でしかないですね」（同前）

事故から今日に至るまで、東宝を中心に公開の是非が検討されてきた。

「結論としては、そのまま公開は無理というものでした。警視庁の捜査の進捗を睨みつつ、身柄拘束の可能性もあるから致し方ないというところでしょう。テレビシリーズからの展開モノとはいえ、観たい人だけが観に来る映画ですから多少の不祥事があってもそのまま公開されることはあるのですがね……。事件のインパクトが大きすぎました」（同前）

今後はどうなるのか？

「猿之助の出演部分をカットし、代役を立てて脚本も書き直すなど大幅修正して再撮影することが決まりました。連日連夜の打ち合わせで、スタッフは疲弊困憊（こんぱい）で無力感が漂っているようです。ただ、このままお蔵入りになるよりは公開できた方がはるかにマシだと言い聞かせるようにして作業を続けているとのことです」（同前）

不祥事やスキャンダルを起こして番組やクライアントに迷惑をかけた場合、違約金が求められるケースはままある。

「猿之助への賠償請求はもちろんあり得ますが、簡単な額ではありませんから全額というわけにはいかないでしょう。形や状況は違いますが、亡くなった先代の市川團十郎が妻の実家の借金を連帯保証していた関係で多額の負債を背負ったことがありました。その際に、松竹がそれを肩代わりして借主から先代團十郎への督促を回避したうえで、松竹の庇護下で團十郎、当時の海老蔵がコツコツ松竹側に返済を続けました。そういうやり方ができるか否かですが……。そもそも身柄を取られてしまえばその青写真通りにはいきません。世の中は歌舞伎に甘いですが、松竹もそんなに丁寧な対応は取れないのではないかと感じますね」（同前）

再撮影にあたって追加のギャラもスズメの涙レベルか、そう多くは望めない中、とにかく映画を公開にこぎ着けようと粉骨砕身する面々について猿之助は何を思うのだろうか。