「10月まで休演発表」の市川猿之助 それでも〝勧進元〟松竹が「有罪でも復帰支える」の覚悟 | FRIDAYデジタル

「10月まで休演発表」の市川猿之助 それでも〝勧進元〟松竹が「有罪でも復帰支える」の覚悟

芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”

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10月まで休演が決まった市川猿之助(左)。七月大歌舞伎ではいとこの香川照之(右)が代役を務めるが……
10月まで休演が決まった市川猿之助(左)。七月大歌舞伎ではいとこの香川照之(右)が代役を務めるが……

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”》

歌舞伎界の超人気者・市川猿之助さんが起こした前代未聞の心中事件。父・市川段四郎さんと母・延子さんが亡くなり、猿之助さんは意識不明という中で救助された。

しかも、彼は東京・明治座で『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』の真っただ中。急遽代役が立てられ、昼の部は市川團子さんが、夜の部は中村隼人さんが見事に演じ切り、劇場は超満員となった。

ふたりの熱演に対し、会場からはすすり泣きが聞こえた。

両親が亡くなった出来事への謎はまだまだ残っていて、正確な原因がわからず解明が気になるところだが、警察の事情聴取を受けた猿之助さんは

「家族で死んで生まれ変わろうと話し合った。両親が薬を飲んだ」

と、告白しているらしいが、動機などの真実は明かされていない。

「セクハラ、パワハラと証言された出来事が大きかった」

と言う声もあるが定かじゃない。真実が出てくるまでは時間かかかりそうだ。

だが、猿之助さんが出演予定されていた歌舞伎公演は待ったなしだ。6月3日からは『六月大歌舞伎』も東京・銀座にある歌舞伎座で始まった。

昼の部の『傾城反魂香』で猿之助さんが演じる予定だった(女房おとく)役は、中村壱太郎さんに決まり、歌舞伎関係者も

「壱太郎さんなら猿之助さんの信頼も厚く。若手の女形をリードする若手のひとりですからね」

と、太鼓判を押す。

しかし、代役探しで難航したのが『七月大歌舞伎』だ。昼の部『菊宴月白浪』で猿之助が演じるはずだった斧定九郎役を一門の市川中車(香川照之)が代役を務めることになったが……。

「猿之助さんが演じる予定だった役はとても難しく、『澤瀉屋』の三代目猿之助さんが古典を紐解いて復活させたお家芸。なので、なかなかできる役者がいないんです。

一門などの人間関係から中車さんに代役が決まりましたが、はっきり言って彼には荷が重いはず。あと1か月でどう仕上げてくるのか、楽しみと不安が入り混じっていますよ……」(歌舞伎関係者)

今の猿翁が〝猿之助〟の名前を大きくしたが、それを側で支えた女優・藤間紫さんの存在も大きかった。彼女は名前を大きくすることに、命を懸けていたからね。

その紫さんが、生き別れた猿之助さんと香川さんの親子の仲をとりもった。だけど、香川さんの梨園入りに後ろ向きだったのは有名な話だ。

そんな彼女が今生きていたら、三代目が復活させた『菊宴月白浪』の斧定九郎役を香川さんが演じることに何と言うのだろう。きっとこれも反対したんだろうなあ。

中車さんが代役を務める七月大歌舞伎だけでなく、松竹は猿之助さんの10月までの休演を発表した。

「松竹という会社は、何があっても猿之助さんを守る姿勢に変わりはありません。たとえ有罪となったとしても、歌舞伎の舞台復帰に何年でも猿之助さんを待つことになるのでしょう」(松竹関係者)

4代目を襲名した猿之助さんが、命を削って歌舞伎の発展に寄与していたことは、周囲の誰に聞いて認めている。その彼が、パワハラ、セクハラというスキャンダルに負けてしまったのだろうか……。

いまさらながら「澤瀉屋」関係者から教えてもらった

「あんな恥ずかしいことは絶対に出来ない。僕は嫌だな」

と香川さんのスキャンダルを見て、猿之助さんがそう言っていたということを思い出す。152年続いた「澤瀉屋」は今後どうなるのだろうか――。

  • 取材・文石川 敏男(芸能レポーター)

    ‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中

  • PHOTO原 一平

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