埼玉県さいたま市出身。明治大学経営学部卒。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオなどにも出演中

荒木田 範文

<figure id="attachment_318586" aria-describedby="caption-attachment-318586" style="width: 5472px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3075e4b6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/1914f663cfa3d63f2086217ebb74af1c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318586" class="wp-caption-text">夫の隆光さん（左）の〝熱烈〟応援でメジャーデビューを叶えた歌手の星陽子</figcaption></figure>
「今でもブリヂストンの中では、１店舗あたりの売り上げ台数が全国で上位に入ってるんです。一番売った時は年間2500台。ブリヂストンだけでですよ。ヤマハなどのほかのメーカーさんもたくさん売りましたから」
愛知県名古屋市のベッドタウンとして発展を続ける春日井市。そんな街に大手サイクルチェーンが幅を利かせる現在も、絶大な人気を誇る自転車店『春日井サイクル』があります。
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「現在は２階建ての広い店舗なんですが、元々は高蔵寺という場所で18坪の店舗で始めたんです。今の場所は夫の親が自転車屋さんをしていまして、別の場所に夫婦で出店したんです。
２人で頑張って切り盛りしたら店は繁盛し、そのことを義理の親に報告したら、あまりにも業績が良かったので、〝もう陽ちゃんにここのお店もすべて任せる〟って言って、引退しちゃったんです。〝じゃあ戻ってきます〟っていうことで、ここで営業することになったのです」
そう満面の笑みで話すのは、春日井サイクルの〝女将〟である星陽子さん。元々宝石店の店員さんだったということで、愛想の良さやしゃべりの面白さはピカイチです。
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「当時、街には小さい自転車屋さんはいっぱいあったんです。もう30年前ですかね。多くがちょっと薄暗くて修理だけはしますけど、新車は並んでない。そういう店ばっかりのところをウチは18坪の店に70、80台新車並べたんですね。詰めに詰めて（笑）。
あと、当時の自転車屋さんって、まあ愛想も悪いんですよ。〝パンクしました〟って言っても、ボソッと〝その辺置いといて。2時間後ね〟みたいな感じで。でも、私たちはスピード修理。もうすぐに修理しましたから」
夫婦で支え合いながら大きくなった〝街の自転車店〟。ですが、陽子さんにはサイクルショップの女将さんだけでなく、〝プロ歌手〟としての一面もあります。
そして６月28日には、日本クラウンから新曲『春色風車/どうせ、どうせ』で、ついにメジャーデビューを果たしたのです。
<div data-friday-nextpage-lead="メジャーデビューのウラにあった思いとは……"></div>
<figure id="attachment_318588" aria-describedby="caption-attachment-318588" style="width: 4098px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cf4c911f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/959fe18234facda29a3436b420a5a084.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318588" class="wp-caption-text">自転車に囲まれながら、楽しそうにインタビューする星陽子。話の面白さはピカイチだ</figcaption></figure>
「元々メジャーデビューを目指して活動してたので、すごく嬉しいですね。ただ、まだ実感がわかないんです。メジャーがどういう風なのかとか、分からないから……（笑）」
そんな陽子さんがメジャーデビューを目指したきっかけがあります。
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「実は歌手デビューする前に、子宮筋腫の手術をしたんですよ。ものすごい痛くてね。やった人は〝痛くない〟って言ってたのに、私はものすごい痛くてびっくりしちゃって。しかも手術して半年経っても全然元気にならなくて……。
もし元気になったとしても、またずっと自転車だけの人生は嫌だって言ったんです。そしたら夫が〝好きなことやれば〟って言ってくれて。ちょうどその頃にお店のPRも兼ねて地元のFM局から〝ラジオやりませんか〟という話が来ていたんです。それで始めたら、ディレクターさんが〝歌も出せるよ〟ってなって、トントンってデビューしちゃったんですよ」
’19年５月に『五つ星/小さな願い』でインディーズデビュー。’20年２月には２枚目となる『幾千年の時を越えて～久遠の恋歌～』をリリースしています。
そして今回、満を持してのメジャーデビューとなったわけですが、そんな陽子さんをそばで支え続けたのが、夫の隆光さんです。
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「デビューの話があった時、まあとにかく１回やってみたらって思いました。なんせ、 歌手なんて未知の世界ですからね。
妻は21歳から一緒に自転車屋さんを一生一懸命やってくれて、 お店も大きくしてくれた。今まで遊んできたわけじゃないですからね。歌手として輝いてほしいです」
記念すべきメジャー１作目となる『春色風車』。そこには、うれしい偶然もあったそうです。
「今回はちょっと演歌寄りの、メッセージソング的な優しい歌なんですよ。実はですね、夫の両親が『春色風車』を初めて聞いた時に泣いたらしいです。自分たちが苦労した昔を思い出して……。
歌詞のサビに《くるくる》、２番には《からから》って入ってるんです。作詞の先生は私が自転車屋さんって知らなかったのに、この詞を作って下さった。もちろん風車のことなんですけど、偶然ですが自転車にぴったりなんですよね（笑）」
’22年３月にはお店の一部を改装してカラオケ喫茶を開店。陽子さんのホームグラウンドというだけでなく、近所の〝歌好き〟さんたちの憩いの場所になっています。
「この先どういう風になるのか、メジャーデビューしたはいいけど、くじけちゃうかもしれないし……。いやいや、メジャーになったら、勢いに乗ってアレアレってなるかもという楽しみもあります。
さっき女性のお客さんは〝陽ちゃん、あんまり売れないでよ〟って言うんです。売れたらお店に来なくなっちゃうからって（笑）。そんな温かいお客さんが多いので、この曲が〝売れたよね〟ってなったら、お祝いとして１週間とか10日間とか、カラオケを無料にしようと思ってます。お祝い記念に（笑）」
そう話す陽子さんの笑顔は、希望に満ち溢れていました。夫と素敵な〝歌仲間〟に囲まれた自転車屋さんの女将は、これからも素敵な歌声を届けてくれるでしょう――。
<figure id="attachment_318590" aria-describedby="caption-attachment-318590" style="width: 5472px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4f292c59"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/5944e92bf5f2e75f04db16d4a3ab3729.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318590" class="wp-caption-text">’22年からは自転車店の一部を改装してカラオケ喫茶をオープンさせた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_318592" aria-describedby="caption-attachment-318592" style="width: 5472px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7b1c7dfc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/de2bc6dd8db390db104d49f5178e4220.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318592" class="wp-caption-text">街では知らない人がいないほど有名な『春日井サイクル』。そこの女将さんが星陽子だ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_318593" aria-describedby="caption-attachment-318593" style="width: 2158px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4f08971e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/1d3e7cb33b68cb52920fb36e8a4d34ca.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318593" class="wp-caption-text">６月28日に日本クラウンからメジャーデビューした星陽子。『春色風車』の歌詞には自転車を思わせる一節も……</figcaption></figure>

‘75年生まれ、埼玉県出身。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオにも出演中

荒木田 範文（FRIDAYデジタル芸能デスク）

大病を乗り越えて、6月28日に『春色風車』でメジャーデビューを果たした星陽子。そのウラには、彼女を身近で支え続けた夫の存在があり……

「街の自転車屋」の〝女将さん〟星陽子がメジャーデビューを手にしたウラにあった「大病克服と夫婦愛」

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