思ったよりも小さかった…「ガーシー被告」に暴露された芸能界の〝被害者〟たちに残ったダメージ
6月4日に滞在していたドバイから帰国後、成田空港にて芸能人や著名人らに対する暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで警視庁に逮捕・起訴された前参院議員のガーシーこと東谷義和被告(51)(以下、ガーシー被告)。昨年2月17日にYouTuberデビューしてから約1年4ヵ月での逮捕劇となった。
「暴露系YouTuberとしてあっという間に登録者100万人を突破しましたが、暴露内容が大物たちの逆鱗にふれてアカウント停止になってしまい、’22年8月から独自のオンラインサロンに移行せざるを得ませんでした。
’22年7月に参院選で当選しましたが、『国家権力により不当な拘束を受ける危険性を排除できない』などとして一度も国会に登院せずに今年3月に除名処分になりました。その後、旅券返納命令が出て国際手配をうけ、逮捕されてしまいました。あまりにも濃厚過ぎる1年4ヵ月でしたが、除名の話が浮上し始めた昨年12月以降、テレビ各局にとっては格好のネタを提供してくれた恩人です」(テレビ局関係者)
YouTube開設後、ガーシー被告はホワイトボードにタレントたちの名前を書き、今後の「暴露リスト」としたが、そもそも、その人数が物理的に無理だったという。
「最初は週に2、3回の配信でしたが、ホワイトボードにはすさまじい人数が書かれていました。『全部やったらいつまでかかるの?』というレベルです。案の定、ほとんどのタレントはネタを暴露されないままでした」(同)
YouTuberとして人気が出始めたガーシー被告から深刻な話を暴露されたのは、俳優の城田優(37)、新田真剣佑(26)、そして、ガーシー被告の逮捕案件となった事件で被害届を出している綾野剛(41)の3人。
「3人とも金と女性関係の話を洗いざらい暴露されてしまいました。とはいえ、城田は決まっていた仕事に影響はなく、新田は一時期は日本での露出が一切ありませんでしたが今年4月に主演映画のイベントで帰国。綾野はテレビドラマはないが映画主演などが続々と決まっています。
ほかにも、細かいネタを暴露されたタレントは多かったんですが、結局、大半のメディアが黙殺していたこともあって特に問題視されていません。YouTubeと並行してツイッターへの投稿、インスタグラムのライブ配信などでネタを暴露することもありましたが、大きな反響はありませんでした」(同)
昨年7月に初当選した参院選にはNHK党(現:政治家女子48党)から比例区に出馬したが、ガーシー被告らしい公約を掲げるも、その公約は果たされないままだった。
「47都道府県のNHKの政見放送で、芸能人のみならず有名アスリートや起業家のネタをイニシャルでプチ暴露したんです。当選後、そのイニシャルを全部実名で暴露することを公約に掲げていましたが、47のネタのうち10程度を暴露しただけで終わってしまったので、思い当たる節がある人は胸をなでおろしたでしょう」(同)
そして、YouTubeチャンネルが停止された後、オンラインサロンに移行したが、以前に比べ、明らかにネタを暴露する頻度は減少。その代わり、ゲストを出演させてのコラボ企画などが増え、大きなネタを引き当てたのだが、そこでも影響力を発揮することはできなかった。
「ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏からの性被害を告発した元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏と昨年11月にコラボしたんです。そこでカウアン氏がジャニー氏からの性被害を初告白したんですが、その時点ではまったくカウアン氏の存在が注目されることはありませんでした。ほかにも複数の有名女優達のパパ活を暴露しましたが、その女優達の仕事にもまったく影響はなかったんです」(スポーツ紙デスク)
それから4ヵ月後の今年3月、英の国営放送・BBCがジャニーズ事務所の性加害問題の特番を放送したことで、カウアン氏の存在も注目されることになった。
その暴露は「ガーシー砲」と呼ばれ芸能人とその事務所は恐れをなしていたが、今になってみると暴露された「被害者」たちのダメージはほとんどない。
昔から、何を言うかよりも誰が言うかで信用が大きく変わるといわれている。選挙の公約や暴露のするする詐欺など、口だけで行動が伴っていなかったガーシー被告。そんな彼の発言には信用がなかったのかもしれない。