<p>大幅リニューアルした『NISA』（少額投資非課税制度）が、いよいよ始まった。世間の関心は非常に高いが、まだ二の足を踏んでいる人も多い。口座開設はしたものの、ウェブサイトやアプリ画面の操作でつまずいてしまい、放置している人もいるという。そこで、「サイトや画面の使いやすいネット証券はどこか？」という観点で、専門家が比較をしてみた。</p>
<figure id="attachment_353560" aria-describedby="caption-attachment-353560" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a235436e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/fe2bae21893011ffcf5a4fb9437a0300.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353560" class="wp-caption-text">ウェブサイトやアプリの画面、使いやすい「ネット証券」はどこか？</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">投資初心者には重要な〝使いやすさ〟</span></h3>
<p>証券会社選びで考慮すべき点はいろいろある。よくある、ネット証券に関するアンケート調査をみると、最も関心があるのは「取引手数料の安さ」で、その次には、「画面やツールの使いやすさ」や「ポイントが貯まる・ポイントで投資できる」、そして、「取扱商品の多さ」、「サポート体制」などが続く、というパターンが散見される。</p>
<p>ただ、やはり投資初心者の場合は、「画面やツールの使いやすさ」を重視する傾向があるようだ。そこで、これからNISA口座を開設しようという投資初心者のために、「使いやすさ」という観点で、証券会社を比較、紹介していこう。</p>
<p>取り上げるのは、ネット専業証券のうち、証券口座の開設数の多い上位５社である、【<span class="strongInContent">SBI証券】</span>、【<span class="strongInContent">楽天証券】</span>、【<span class="strongInContent">マネックス証券】</span>、【<span class="strongInContent">auカブコム証券】</span>、【<span class="strongInContent">松井証券】</span>。いわゆる、大手ネット証券だ（筆者は５社すべてに口座開設をしており長年使っている）。</p>
<p>また、比較するのは、ログインのしやすさや、資産残高や買付可能額がすぐに表示されるかなど、基本的な画面に関する部分としたい。株式の取引ツールやチャートなどを含めてしまうと、多岐にわたってしまい、収拾がつかなくなるからだ。</p>
<figure id="attachment_353561" aria-describedby="caption-attachment-353561" style="width: 1217px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0a611cad"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/1a1309344f7b87a6451b52f700766e46.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353561" class="wp-caption-text">ネット証券各社の口座数と取り組み。上位２社の口座数が圧倒的に多いのがわかる（共同通信）</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">楽天市場のノウハウが生かされている【楽天証券】がリード</span></h3>
<p>インターネットサイトを評価する際、よく使われる言葉に「UI」がある。「ユーザーインターフェース」の略称で、簡単にいうと、ユーザー（利用者）がネット上のサイトを使うときの操作画面や操作方法を指す。サイトの「使いやすさ」という、極めて漠然とした概念を捕捉する言葉で、利用者が「使いやすい」と感じる画面とは、「優れたUIを有する画面」と言い換えることができる。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="最も優れたUIを持つのは…"></div>
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<p>そこで、改めてネット証券５社のサイトをチェックしてみると、最も優れたUIを持つのは【<span class="strongInContent">楽天証券】</span>だろう。日本最大級のインターネット・ショッピングモールである楽天市場をはじめとする、さまざまなネットサービスで培ったノウハウが生かされている。多種多様なユーザーの不満やニーズに応える形で改善してきたUIが反映されており、他のネット証券とは一線を画していると言っていい。新NISAのスタートに合わせて、NISAページをリニューアルするなど、UIの向上に余念がない。</p>
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<p>その次は【<span class="strongInContent">マネックス証券】</span>。ここ数年、積極的にサイトのリニューアルを繰り返し実施しており、使い勝手は向上している。トップ画面の右上には、ログイン用のウィンドウが表示されるが、すでにログインの履歴があれば、口座番号やパスワードなどが自動保存されるので、ワンクリックでログインができ、使い勝手が良い。大きなバナー告知も、現在のサイト構成の主流なので、馴染みがある人も多いだろう。</p>
<figure id="attachment_353562" aria-describedby="caption-attachment-353562" style="width: 260px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4a47ecbe"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/1c6107931d6da0ddc7a51ac49290c5d2.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353562" class="wp-caption-text">１月４日に公開されたオリコン顧客満足度ランキングでは、【SBI証券】と【楽天証券】が同点で総合１位だった</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">【SBI証券】はトップ画面の情報量が多すぎる？</span></h3>
<p>３番手は【<span class="strongInContent">SBI証券】</span>だ。独自路線と言うべきか、トップ画面にはマーケット情報を盛り込んでおり、情報量が格段に多い。ただ、以前よりは見やすくなったものの、増改築を繰り返した家のような〝継ぎ接ぎ感〟は否めない。「細かすぎる」と感じる人もいるだろう。ページの上部に配置されるボタン表示の「タブ」は、５つの証券会社のうち、SBI証券だけが最上部に金融商品を並べている。何度も使っていると、こちらの方が使いやすくなるが、投資初心者は戸惑うかもしれない。以上を前提に、ログインのしやすさで３番手とした。</p>
<p><span class="strongInContent">【auカブコム証券】</span>と【<span class="strongInContent">松井証券】</span>は、サイト全体のUIがひと昔前の印象が強い。後述するように、ログインまでに手数がかかり、口座番号やパスワードの保存機能も旧式となっている。この２社は、どちらかというアプリに注力しており、特に、<span class="strongInContent">【auカブコム証券】</span>のアプリのUIはかなり優秀だ。アプリ単体なら、いちばん使いやすいだろう（楽天証券やSBI証券はサイトが巨大なので、当面は、現状のサイトをスマホに最適化したものが続くことになるのではないか）。</p>
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<h3><span class="strongInContent">「ログイン」のしやすさを比較</span></h3>
<p>ここで、前記のランク付けの根拠にもなっている、定量的な部分について述べておこう。まず、<span class="strongInContent">ログインのしやすさ</span>。サイトのトップページを開いてから、ログインが完了するまでのクリック数の比較である。各社、ログインのボタンをトップページの右上に配置しているが、ページを開いたときに最初に人間の目がいくのは、右上のスペースだからだ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「口座開設」の手間"></div>
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<p><span class="strongInContent">【楽天証券】</span>、【<span class="strongInContent">SBI証券】</span>、【<span class="strongInContent">マネックス証券】</span>は、前述したように、ログイン履歴があれば、ワンクリックでログインが可能。しかも、ログイン後の画面は、資産残高や買付可能額などが表示される設定になっている。この辺の流れは非常にスムーズだ。</p>
<p>それに対して、【<span class="strongInContent">auカブコム証券】</span>や【<span class="strongInContent">松井証券】</span>は、ログインのボタンをクリックした後、口座番号やパスワードを手入力しなければならない。ログインまでのクリック数は、<span class="strongInContent">【auカブコム証券】</span>は２回、<span class="strongInContent">【松井証券】</span>は３回となっている。</p>
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<figure id="attachment_353563" aria-describedby="caption-attachment-353563" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="99c95b24"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/67047ea4847e57fb8d7796280a40c0a1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353563" class="wp-caption-text">岸田首相の唯一の善策といわれる新NISA（PHOTO：アフロ）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">スマホの「口座開設」の手間をサポートするには……</span></h3>
<p><span class="strongInContent">【楽天証券】</span>以外は、ログインのしやすさを除くと、それほど有意な差はない。<span class="strongInContent">【auカブコム証券】</span>や<span class="strongInContent">【松井証券】</span>の、詰め込み過ぎていない〝スカスカ感〟の方が使いやすい、と感じる人も少なくないだろう。これをきっかけに、ぜひ一度、各社のサイトをのぞいてみてほしい。</p>
<p>スマホを使っていない人やパソコンが苦手な人にとっては、そもそもの口座開設の方が高いハードルかもしれない。スマホでの手続きに挫折してしまい、郵送でのやりとりをする人も少なくないと聞く。この部分では、店舗のある対面証券にも存在意義がある。</p>
<p>せっかく、NTTドコモは、<span class="strongInContent">【マネックス証券】</span>を傘下に収めたのだから、ドコモショップでスマホによる口座開設の手続きをサポートしてはどうだろうか。初心者などには大きなメリットがあるはずだ。ショップでの口座開設のサポートとなると、法律的に乗り越えなければならない条件があると考えられるが、証券外務員の派遣などでクリアできるのではないか。同じようなことは、当然、auショップでもできるので、今後、各社の動向に注目したい。</p>
<figure id="attachment_353564" aria-describedby="caption-attachment-353564" style="width: 1534px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bd763098"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/104eae7c37bee8bf13c7faabb321dd88.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353564" class="wp-caption-text">同上のオリコン顧客満足度ランキングの評価項目別では、全９項目のうち、【SBI証券】は「取引手数料」「取扱商品」ほか４つで１位、【楽天証券】は「口座開設・特典」「取引のしやすさ」「情報提供」「問い合わせ」ほか５つで１位だった</figcaption></figure>
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<p><a href="https://life.oricon.co.jp/rank_certificate/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■2024年 満足度の高い“証券会社”ランキング（オリコン顧客満足度）の詳しい内容はコチラ</a></p>
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マネーライター、ファイナンシャルプランナー／証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資１年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる！ キャッシュレス決済で絶対得する本 』。

松岡賢治

大幅リニューアルした『NISA』が、いよいよ始まった。口座開設はしたものの、放置している人もいるという。「サイトや画面の使いやすいネット証券はどこか？」という観点で、専門家が比較をしてみた。

実はいちばん重要！？新NISA「ネット証券」のWEBサイト、アプリ……使いやすいのはどこ？

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