“おバカキャラ”りゅうちぇるが23歳「理想のパパ」になったワケ | FRIDAYデジタル

“おバカキャラ”りゅうちぇるが23歳「理想のパパ」になったワケ

年間300本のテレビに出演していた人気者が家庭を持ち、感じたこと

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自作の歌詞を歌うりゅうちぇる。リリースイベントでは、全国を駆け回ってライブを行なった
自作の歌詞を歌うりゅうちぇる。リリースイベントでは、全国を駆け回ってライブを行なった

「タレントをやめて沖縄に帰ろうと思ったこともありました。自分が自分でなくなる感じ。自分が壊れていく感覚。テレビに出始めたころは楽しかったんです。僕の個性を出せるお仕事に巡り合えたと思って。だけどそのうち、なんでも『かわいい〜』とリアクションすることに抵抗がでてきて。だって、とくにかわいくないこともありますから(笑)。”おバカキャラ”で番組に呼ばれているのはわかっていたけど、自分の意見を言ったら、『意外としっかりしてる。つまらなくなった』と言われたり、そういうことに疲れて、自分がすり減っていく感じがしました」

個性的なキャラでテレビに出ずっぱりだったりゅうちぇる(23)は、ほんの数年前の”ブーム”を振り返ってこう言う。

「このままでは消えるなと思いました。そして、本当にやりたいことをと考えた結果、出た答えが『音楽』でした」

’18年にRYUCHELLの名前でデビュー曲を発表、この4月、初めてのアルバムをリリースした。自作の歌詞で、「ありのままの心で突き進もう」と歌う。

「かつての僕自身に伝えたいです。中学時代は、『声が高い』とか『女っぽい』とか言われて、いじめられてましたから」

 校の階段で吹き抜けを見上げたら、先輩と目が合って放課後呼び出され、ボコボコにされたこともあった。

「一人になるのが怖くて、クラスのヤンキーと友だちになって、声も低くして、自分の好きなものを全部隠しました。これからずっと自分を隠して生きていくんだと覚悟したんです」

それを変えたのがSNS。

「中3の頃、ツイッターが流行りだしたんです。原宿のショップの店員さんたちが、バンバン自分を主張していて。こんな生き方があるんだと衝撃を受けました」

「ちぇるちぇるランドの王子様りゅうちぇる」というキャラを作ったのもこの頃。妄想の世界で自分の居場所を作っていた。

「もう自分を隠すことはやめたいと思って、中学までの自分を断ち切るために、地元の宜野湾市の子がだれも行かない、沖縄市近くの自由な校則の高校に進みました。SNSでキャラができて、どんどん自分の人生が華やかになって。堂々とおしゃれしようと決めたんです」

ツイッターを見た原宿の古着屋から、「うちで働かないか」と声がかかり上京し、「ぺこ」ことオクヒラテツコと出会う。21歳で結婚、年間300本近い番組に出演する売れっ子になる。

ままごとと言われたけれど

 昨年7月、長男リンクくんが誕生。カタカナでの命名や、その名前をタトゥーにしたことが話題になった。そして1年。先日発表になった「たまひよ 理想のパパランキング」では、第2位に輝いた。

「バラエティ番組に出ていたころに比べると時間なんて余るほどあるから、育児は、おっぱいをあげる以外はなんでもします。子育て支援センターへ行って、ふつうに溶け込んで。じつはリンクが生まれるまで、仕事以外では他人とあまり話せなかったんです。だけどリンクのおかげで、ほかのお父さんやお母さんとコミュニケーションをとれるようになりました」

「理想のパパ」と評価されて「涙が出るほどうれしかった」と言う。

「リンクには困ったときはSOSを出せる子になってほしい。ぺこりんとも、そう話しています。僕もつらい時期があったけど、親から愛されてると感じていれば、絶対大丈夫だと思う」

いつかは沖縄に帰りたいとも。

「地元は宜野湾市で普天間飛行場のすぐそば。毎日飛行機が爆音で飛んでました。18歳で東京に来たとき、東京って、なんて静かなんだろうと思った。小学生の時、米軍のヘリコプターが沖縄国際大に落ちた事故を目撃しました。父方のおばあは戦争中、集団自決のグループから1人だけ逃げて助かった生き残りなんです」

東京にいても、毎年6月23日の沖縄慰霊の日には手を合わせて祈る。故郷への思いは強く、そして深いのだ。

「もっともっとやりたい仕事があるし、家族ももっと増やしたい。自分の子がほかの子と違って変わっていても、『ふつうはこうでしょ』とは絶対言わない。恋愛だって、好きな人ができて、お互いに愛し合っているなら、性別年齢問わずOK。人を愛したことがないというほうが問題でしょ。音楽でそれを伝えたい」

究極の夢は「ぺこりんと、かわいいおじいちゃん、おばあちゃんになること」。それまで進化し続けたいと言う彼はまだ23歳。一発屋ではなく、りゅうちぇるの波は、まだまだ何度もやってきそうだ。

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『FRIDAY』2019年7月19日号より

  • 撮影福岡 耕造取材・文中川いづみ

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