追悼・梅宮辰夫さん 写真で回想“東映スターの黄金時代と家族”
’19年12月12日、俳優の梅宮辰夫さんが慢性腎不全のため神奈川県の病院で死去した(享年81)。’59年にデビュー後、映画『仁義なき戦い』シリーズではコワモテのヤクザ、『不良番長』シリーズでは男前の兄貴分を演じ、東映が誇る映画スターとして活躍。バラエティー番組にも出演するなど、多方面で人気を博した。「昭和最後の名優」が逝ってしまった。
「葬儀が行われた前日の朝、辰っちゃんと対面しました。彼の顔は本当に綺麗で、寝ているみたいだったんです。声をかけたら目覚めるかと思うほどでした」
こう話すのは、映画監督の内藤誠氏である。梅宮さんが主演を務めた『不良番長』シリーズの監督だ。
「若い頃は、辰っちゃんによく銀座のクラブへ連れて行ってもらいました。彼は周囲に気を使って、酒の席では楽しい話しかしません。銀座ではモテモテで、石原裕次郎さんとも一緒に飲んでいたみたいです」(内藤氏)
晩年は病魔に苦しんだ。36歳でがんを患って以来、6度のがん手術を経験。今年に入ってからは人工透析を始めていた。数多くの映画で梅宮さんを起用した映画監督の中島貞夫氏が話す。
「辰兄と最後に会ったのは’17年、松方弘樹さんの葬式のときです。落ち込んだ雰囲気で、かなり弱っていました。それまでは、会うと『おぅ!』って話しかけてきてくれていたので、『年をとったんだな』と感じました。そんな状態でもテレビドラマに出ていたので、視聴者の皆さんには元気に見えていたかもしれませんね。やっぱり役者だから、カメラの前では元気に振る舞っていたのでしょう。
予感はしていましたが、これで一連の東映のスターたちがみんないなくなっちゃって……それが本当に辛いです」
ヤクザ映画の黄金時代を彩った「最後の映画スター」が逝った。






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撮影:結束武郎写真:日刊スポーツ/アフロ写真:時事通信社写真:産経新聞社写真:講談社資料センター