『半沢直樹』『ナギサさん』…夏ドラマ「おっさんモノ」圧勝の理由

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『半沢直樹』で堺雅人が仕事に集中できたのは妻・菅野美穂の献身があったればこそ。芸能界きっての理想の夫婦だ。19年4月撮影

コロナ禍に揺れた2020年の夏ドラマ。終わってみればTBSと、“おじさん”の圧勝だったと言えるのではないだろうか。というのも視聴率の上位を占めたのは、ほぼすべておじさんが主役、またはメインキャラクターを占める作品ばかりだったからだ。

ダントツは誰もが知るように、昨今ではあり得ない視聴率20%越えを記録し続けた『半沢直樹』(TBS系)。46歳の堺雅人を筆頭に、54歳の香川照之、48歳の片岡愛之助、44歳の市川猿之助など、次から次へと新たなおじさんが登場し話題をさらっていった。

そして平均視聴率15.56%で2位を勝ち取ったのは、キムタク主演の『BG』(テレビ朝日系)。終了が少し前だったため忘れられがちだが、『半沢』というモンスタードラマとかち合わなければ充分1位を取れていた成績だ。あの希代のアイドル・キムタクも今や47歳。それでも変わらぬ強さを見せつけた結果だった。

3位は、ダークホースだった『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)。主演こそ多部未華子だが、15.07%という高視聴率は、ナギサさん役の48歳・大森南朋の好演なくしてはあり得なかっただろう。

4位の『特捜9』(テレビ朝日系)の主演も44歳・井ノ原快彦、5位『警視庁‐捜査一課長2020』(テレビ朝日系)の主演も65歳・内藤剛志と、やはりおじさんたちが続いている。また6位『ハケンの品格』(日本テレビ系)も、当初は苦戦していたが、おじさん・大泉洋(47)が登場して一気に盛り返した印象だ。

ベビーブーム世代が牽引!?

『ナギサさん』の撮影でも息の合ったところを見せていた多部未華子(左)と瀬戸康史(右)。今年3月撮影

視聴率ランキングにようやく若手の主演作品が現れるのは、29歳・波留主演の『未解決の女』(テレビ朝日系)の7位だ。ただしこれも、鈴木京香(52)とのWヒロイン作品だ。33歳・石原さとみの『アンサング・シンデレラ』(フジテレビ系)、平野紫耀(23)&中島健人(26)W主演の『未満警察』(日本テレビ系)、そして横浜流星(24)と浜辺美波(20)W主演の『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)など、若手だけの主演作品となると軒並み視聴率二ケタに届かないという結果だった。

『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や『きのう何食べた』(テレビ東京)などのヒットもそうだが、昨今、なぜここまでにおじさんドラマが強いのだろうか?テレビ事情に詳しい芸能記者に聞いてみた。

「一番の理由は、今のおじさんたちはベビーブーム世代だということにあると思います。数が多いので、単純にドラマを見る人の数も多い。『半沢』主演の堺雅人さんなどは、年間出生数が約209万人と、第二次ベビーブームのピーク年に生まれています。もちろん、それだけの数の中から勝ち上がってきているだけに実力も群を抜いていると言えるでしょう。

ですが、歳をとると若い人の作品というのはどうしても物足りなく感じてしまいがち。加えてこの世代はテレビで育った世代でもある。ネットにあまり流れないので、視聴率となるとどうしてもおじさん世代が強くなるのが実情です」

加えて夏クールは、コロナの影響も大きかったと指摘する。

「先行きが見えない不安定な社会になれば、安定を求めるのは人の常。それゆえ今は、実績と、単純に年齢としても安心感のあるおじさん俳優が求められるのではないかと思います。

そう考えると次期クールは、久々にドラマに帰ってきた39歳・妻夫木聡の『危険なビーナス』(TBS系)、おじさんではないけど貫禄の大河女優・柴咲コウ(39)の『35歳の少女』(日本テレビ系)あたりが支持されるのではないかと見ています。若手には不運な時代ですが……」

あくまでテレビ界での話だが、おじさんたちの勢いは今後ますます増していきそうだ。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影西 圭介 根本麻紀

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