面白かったあの番組が突然つまらなくなる「3つの意外な理由」 | FRIDAYデジタル

面白かったあの番組が突然つまらなくなる「3つの意外な理由」

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写真:アフロ

面白かったあのバラエティが、あれ?なんだか突然面白くなくなった……と思うことはありませんか?

実はテレビには、テレビマンたち以外にはあまり知られていない「突然番組がつまらなくなってしまう意外な理由」があるんです。今回は、テレビ業界歴30年の筆者がそんな裏側を皆様にご紹介しましょう。

1.ネタが切れる

まず、視聴者のみなさんにもなんとなく想像がつくであろう「番組がつまらなくなる理由」の筆頭が、ネタ切れになってしまうこと。以前、とあるバラエティ番組の巨匠プロデューサーが「新番組の企画を考えるときに一番大切なのは『絶対にネタ切れしないフォーマット』にすることだ」と言っているのを聞いて、なるほどなあと思ったのですが、どんなに斬新で面白い番組でもネタが切れてしまってはお話になりません。というか、斬新な番組ほどネタが切れやすいのです。

「古くなった家を、匠が見違えるようにリフォームする」とか、「しくじった経験のある芸能人が教訓を語る」みたいな番組は斬新で面白かったですが、長年放送するうちに「だいたいどの家もリフォームのパターンが同じ」になってきたり、「面白い失敗を経験した芸能人がだんだん見つからなくなってくる」もの。

こうなると番組は急速に色あせてしまうので一旦レギュラー番組から外し、期末期首の特番にするというのがお決まりのコースですが、そのタイミングを誤ってしまうと「やらせ」を誘発してしまうこともありますから要注意です。

「究極の〇〇と、究極の△△の勝負」を無理矢理捏造してしまったあの番組や、「世界の面白いお祭りを番組で勝手に作ってしまった」あの番組や、「世界中にいる珍獣を捕まえる学者さんが売りだったけれど、捕まえやすい珍獣がいなくなったので嘘をついてしまった」あの番組(そういえば特番で復活するみたいですね)みたいなパターンです。

2.出演者が「燃え尽きる」

人気番組ほど、メインMCの役割は大きいもの。企画と出演者の相性がバッチリだからこそ番組は面白くなるのです。そして、冠番組を持ったり、ヒット番組のMCをするような出演者さんは、みなさんとても真摯に日々努力を重ねているものです。

「もっとここをこうしたら、面白くなるだろうか」とか、「このコーナーはこうするべきではないだろうか」とか、番組の内容について毎日考えて真剣に向き合いすぎると、ある日突然「燃え尽きてしまう」出演者さんが結構いるのです。「この番組をなんで自分がやっているのかわからなくなった」「どこが面白いんだかわからなくなってしまった」というモードに出演者さんが入ってしまうと、急に番組のテンションが下がり、つまらなくなってしまいます。

それまでは生き生きと出演していた方が、突然生気を失って抜け殻のようになってしまうというのを私も何回か経験しています。生放送直前にメインMCが楽屋から出てこなくなってしまった……という恐ろしい体験もしました。それを防ぐには、スタッフサイドが常に出演者さんと意思疎通を続けて、番組が目指す目標や世界観を共有し続けなければならないのですが、才能と実力がある出演者さんほど悩みがちなもの。

そして、これが高じると「突然の降板宣言」になってしまいます。私は、名番組と言われたニュース番組の「あの人の降板宣言」などはこのパターンではないかと思っています。

3.局プロデューサーの交代タイミング

そして意外と視聴者にはわからない「番組が突然つまらなくなる理由」が、「局プロデューサーの交代タイミング」。実はこれ、業界人なら誰しも悩まされたことがある、結構な「あるある」なんです。

いわゆる「長寿番組」になればなるほど、多くのプロデューサーが携わることになります。特に局のプロデューサーは「大手企業のサラリーマン」ですから、数年もすればだいたい人事異動で交代していきます。人気番組が先輩から後輩へと代々受け継がれていくわけですが、ここで登場しがちなのが「自分の痕跡を残したがる局プロデューサー」です。

「せっかく人気番組のプロデューサーになれたのだから、自分が何か新しいことを始めて番組を変革し、自分の名を残そう」といったメンタルの局プロデューサーが就任し、せっかくうまくいっている番組にいろいろと注文をつけて演出を変えたりすると、残念ながらだいたい失敗します。

なにせ視聴者は「長年見慣れた」その番組が好きで見てくれているわけですから、突然いろいろ新しいことを始められても、違和感しか感じないのが常です。人気番組は「これまで積み上げたものを、変わっていることを感じさせないように徐々に変化させていく」のが大切なのです。

ところが「若手で才能もあり、やる気もある局プロデューサー」ほど、意欲的に次々と斬新な改革案を打ち出したりしてしまうので、番組は見事に「変な方向」へ行き、気がつくと固定客がいなくなってしまいます。

私の持論だと局プロデューサーには「俺が俺がタイプ」と「調整型の人格者タイプ」がいて、だいたい「俺が俺がタイプ」の方が局内では肩で風を切って歩いていたりする目立つ存在なのですが、人気番組を受け継ぐなら地味な「調整型タイプ」のほうが良いのです。

そして「俺が俺がタイプ」の大半は、たいてい「この番組は俺の番組だ」的なことを言って威張り始めるので、歴代プロデューサーの下で働いてきたベテランスタッフたちと軋轢が生じがち。気がつくとスタッフに総スカンをくらって番組内がギスギスしたり、出演者と揉めたりするケースも多い。なので、局プロデューサーの交代時期は、人気番組にとっては「鬼門」なのです。

以上、人気番組が突然つまらなくなってしまう3つの理由をご紹介しました。みなさんも人気番組を見るときに、こんな視点でちょっと意地悪に裏側を想像してみると、ひとつテレビを見る楽しみ方が増えるかもしれませんよ。

  • 鎮目博道/テレビプロデューサー・ライター

    92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。また、ABEMAのサービス立ち上げに参画「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究、記事を執筆している。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)

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