空前の当たり年! プロ野球「キラ星」ルーキーたちの通信簿 | FRIDAYデジタル

空前の当たり年! プロ野球「キラ星」ルーキーたちの通信簿

番記者が書かないウラ話も取って出し! 阪神 佐藤輝明だけじゃない!

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阪神 佐藤輝明

近大時代に14本の本塁打を放ち、関西学生野球リーグの通算本塁打記録を更新した長打力は本物。オープン戦で6発打ってキングに

プロ初ヒットが本塁打。横浜スタジアムでは右中間場外にカッ飛ばすなど、プロ1年目から数々の「記憶に残るアーチ」をかけている阪神・佐藤輝明(てるあき)(22)。なかでも歴戦のOBたちが今季ナンバーワンに挙げるのが5月28日、交流戦の西武戦で放った「一試合3発」だ。

「衝撃でしたね。とくに2本目、インコース寄りの直球を左中間に放り込んだ一打が凄かった。ライトに引っ張り込むのならわかるんですけど、左中間に流して本塁打にするには、相当な能力が必要です」(元ロッテ・里崎智也氏)

阪神の暗黒時代のエース、川尻哲郎氏は「佐藤はすでに王貞治さんやバリー・ボンズら世界の超一流スラッガーと同じスイング軌道をしている」と感嘆する。

「アッパースイングの軌道でバットが入ってくるのに、振り終わりでヘッドが地面につく。8の字の動きになっているからで、テニスのサーブでもバレーボールのスパイクでも、最もスピードとパワーが出るのがこの軌道なのです。ただ、佐藤の場合、構えに問題がある。王さんもボンズも前傾姿勢なのに、佐藤は突っ立った状態で構える。グリップの位置も高い。これだとバットが最短距離で出にくい。少し遠回りして出てくるので、バットに近い内角高めの速球に振り遅れる」

実際、内角を徹底的に攻められ、一時は打率が1割台に低迷した。OBやライバル球団が唸(うな)ったのは「その後」だ。

「次第に内角の速球を見送ったり、カットできるようになり、ヤマを張ってホームランにするようになった。こうなるとバッテリーは『甘く入ると危ない』と警戒を強めるから、打者有利のカウントができやすくなる。力(りき)みから失投も増える。佐藤が凄いのは自ら有利な流れを呼び込み、失投をミスショットせず確実に仕留めていること」(川尻氏)

セ球団の中堅スカウトによれば、「阪神内でもドラフト前は必ずしも佐藤の評価は高くなかった」という。

「『内角に投げておけばまず打たれない』という評判でした。関西出身の大型スター候補だから指名しないわけにはいかないと入札した、というのがホンネでしょう。佐藤の成長スピードはプロのスカウトの予測を遥(はる)かに超えていたのです」

コロナ禍で来日が遅れたソト(32)ら助っ人の代わりに主軸を任されたDeNAの牧秀悟(23)の評価も高い。

「とにかく身体がゴツい。昨年だか、『巨人の四番・岡本和真(24)の太ももまわりは68㎝!』だとニュースになりましたが、牧は69㎝ですからね。バーベルスクワットは190㎏を挙げるそうです。阪神・佐藤のように明確な弱点はなく、理にかなったスイングでボールを強く叩けるから率もホームランも稼げる」(夕刊紙デスク)

ドラ6ながら正遊撃手の座を掴(つか)んだ阪神・中野拓夢(たくむ)(24)はセンスが光る。

「守備で言えば出足が早く、どんな体勢で捕球しても投げられる。打たせたら、左対左も苦にせずミートする。走らせれば盗塁成功率100%ですからね(成績はすべて6月7日現在・以下同)。課題はアグレッシブすぎること。『自分が』という気持ちが前に出すぎてしまい、バントや進塁打など自己犠牲のプレイが苦手。センスがあるゆえに、稀(まれ)に守備が雑になってしまうこと」(川尻氏)

元ミスターファイターズ・田中幸雄氏が推すのは西武・若林楽人(がくと)(23)だ。

「ケガをしてしまいましたけど、40試合で20盗塁の快足は魅力。フォアボールやヒットで出塁したらドンドン走ってくるからバッテリーは脅威でしょう」

守備範囲も広く、5月の月間打率は.333と打撃もシュア。それでも若林が争奪戦にならなかったのはなぜか。

「阪神、楽天などもリストアップしていたようですが、ある試合前の練習中、外野で投手陣がキャッチボールしているところに若林が思い切りボールを投げつけ、ゲラゲラ笑った――という出来事があり、『素行に問題アリ』と撤退する球団が相次いだ。こうして喫煙やスピード違反など次々問題を起こして退団した相内誠などヤンチャな選手に優しい西武の”単独指名”となった」(遊軍記者)

パにも将来の大砲候補となる新人はいる。西武のドラ1、渡部(わたなべ)健人(22)だ。

「軸がブレないですし、スイングも速いし、ミート率も高い。打球の質がいいんですよ。イースタンリーグでホームランを10本打っていますが、私の経験で言えば、二軍であっても15本以上打てる選手は一軍でも通用する。いずれ西武の主軸を打つ選手だと見ています。逆にキャンプ、オープン戦で期待された身長2mの秋広優人(18・巨人)はいま、最悪の状態ですね。結果が出なくなって、身体が萎縮。さらに打てなくなっている。大砲候補の雰囲気はない」(田中氏)

即戦力ルーキーがいる一方で、輝きを失う新人がいるのもまた事実である。 

DeNA 牧 秀悟

中央大では1年からレギュラー。3年春に首位打者に輝き、ドラフト2位でベイスターズに入団。”村田修一2世”との声多し

西武 若林楽人(がくと)

50m5.8秒の快足が武器。5月22日の日本ハム戦で一試合3盗塁を決めて12球団最速で20盗塁をマークするも、故障で離脱

メジャー帰りのマー君より早く7勝に到達!

空前の当たり年」と言われる今季の新人で阪神の佐藤と並び、「別格」と称されるのが、すでにチームの顔になりつつある楽天・早川隆久(22)だ。

「左で150㎞を超える速球を投げられる新人の先発投手、という存在自体が希少です。上背はそこまでないですが、奇麗なオーバースローだから回転のいい、角度がついた真っ直ぐを投げられる。変化球もカーブ、スライダー、チェンジアップと、いずれもカウント球、勝負球にできるクオリティ。スライダー全盛で横の変化で勝負する投手が多いなか、彼は縦の変化で勝負できるのが強み。

右バッターの懐(ふところ)に食い込んでいくボールが凄くいいから、右打者の被打率も低く抑えている。新人なら試合を作るだけでも十分なのに、すでに7勝。田中将大(32)、則本昂大(たかひろ)(30)らがいる先発陣に入っても見劣りしない。評判通りの好投手です」(元ソフトバンク・斉藤和巳氏)

早川は高校時代にヒジの故障で一度、投手を断念。だが、夏の大会前に打撃投手として登板すると、上級生は誰も打てず、監督が急遽(きゅうきょ)、投手に戻した経緯がある。不安があるとすればケガだけだろう。

元阪神・藪恵壹(やぶけいいち)氏が早川と「甲乙つけがたい」と評価するのが、弱冠19歳の左腕・オリックスの宮城大弥(ひろや)だ。

「外のストレートを軸に、カーブ、スライダー、チェンジアップを交えて緩急をつける大人のピッチングが魅力。制球できないボールがないから、大崩れすることがない。宮城も早川も、将来的にはソフトバンクの和田毅(40)のような好投手になれると思います」

今季は新人左腕が豊作だが、阪神・伊藤将司(25)の活躍は、名将・岡田彰布氏も見抜けなかったという。

「キャンプで球数を放ってなかったから、リリーフをやらすんかなと思うてたんやけどな。高橋遥人(25)の故障で巡ってきたワンチャンスをモノにしたんはたいしたモンよ。度胸は江夏豊さん並みやな」

伊藤は変則フォームが特徴的だ。

「グラブをはめた右手を高く上げ、ボールを持った左手を身体でギリギリまで隠して投げるから、球の出どころが見づらい。打者は急にピュッと出てくるように感じるはずです。しかも、真っ直ぐも変化球も同じ腕の振りだから、球種もわかりづらい。真っ直ぐは140・そこそこで、これといった変化球がないため、甘く入ると痛打を喰らうのですが、感心したのが5月15日の巨人戦です。

スライダーが甘くなってスモークに逆転3ランを喰らったんですが、その後の打者を普段通りのピッチングで抑えた。岡田さんが褒めていたように、あのメンタルがあれば伊藤は今後も勝てるでしょう」(川尻氏)

在京セ球団の編成担当は「阪神は当初、ドラフト2位で即戦力左腕の佐々木健(たける)(NTT東日本)の指名を考えていた」と言う。指名順の早い西武に獲られたため、伊藤に切り替えたというが、佐々木がケガで離脱していることを考えれば、まさに「残り福」である。

有望左腕をもう一人挙げておこう。ソフトバンクの大関友久(23)だ。

「185㎝、96㎏の恵まれた身体で、馬力のあるピッチングをする。真っ直ぐは常時150㎞超で奪三振率も高い。ホークスお得意の育成枠出身の剛腕は、苦しいブルペンの救世主となるはず」(元ダイエー・池田親興氏)

新人右腕のナンバーワンは、広島の守護神として開幕から無失点ピッチングを続けている栗林良吏(りょうじ)(24)だろう。

「変化球で簡単にストライクが取れるのが強みですよね。フォークはストライクを取るものと、空振りを取るものの2種類ある。スライダーやカットボール、縦に割れるカーブと他の変化球もクオリティが高い。『困ったらストレート』とならないからキャッチャーは助かるし、相手打線からすると絞りづらい」(里崎氏)

栗林は名城大時代に指名漏れの憂(う)き目に遭い、プロの道を諦めかけた。

「だが、トヨタに入って出会った細山田武史捕手(35)ら元プロ選手の助言でカーブを磨いたことがいまの無双状態に繋がった。塞翁(さいおう)が馬ですよ」(球団関係者)

日本ハムOB・田中氏は伊藤大海(ひろみ)(23)を「すでにエース格」と評する。

「ストレートに力があって、コントロールもいいから、右左どちらのバッターの懐も強気で攻めることができる。負けても試合を作れるし、欲しいところで三振も奪える。ピッチャーとしての能力の高さを感じます」

ペナントの行方と同時に、大激戦となった新人王争いもチェックしておきたい。

楽天 早川隆久

ドラフトで4球団が競合した即戦力左腕。4月18日の日本ハム戦以降、負けなしの6連勝を飾り、リーグ最速となる7勝目を挙げた

オリックス 宮城大弥(ひろや)

U-18野球日本代表では世界相手に大車輪の活躍。150㎞近い速球と90㎞台のカーブの緩急はプロでも有効で、すでに5勝をマーク

日本ハム 伊藤大海(ひろみ)

地元・北海道出身の最速156㎞を誇る剛腕。OBの田中氏は「新人ながら、試合の流れを読み、状況判断もできる」と最大限の評価

広島 栗林良吏(りょうじ)

投壊状態のカープでひとり気を吐く無双のクローザー。開幕から20試合連続無失点で「抑えの資質で言えばセ・リーグで一番」(里崎氏)

阪神 伊藤将司

”球威のある成瀬善久(元千葉ロッテ)”なる異名もついた変則フォームと強心臓で開幕からローテ入り。防御率2点台と安定感は抜群

 

『FRIDAY』2021年6月25日号より

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