黒柳さんが今一番会いたい人は…『徹子の部屋』番組Pが語る舞台裏 | FRIDAYデジタル

黒柳さんが今一番会いたい人は…『徹子の部屋』番組Pが語る舞台裏

放送46年目にして攻めた演出を連発。制作現場で起こっている、ある「変化」とは――

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『徹子の部屋』8月20日放送回では、ゲストの角野卓造さんの後ろから、ハリセンボンの近藤春菜さんが突然登場。このサプライズに、角野さんも思わず驚きの表情に 写真提供:テレビ朝日

ギネスブックに載るほどの長寿番組『徹子の部屋』だが、最近「尖った演出」がしばしば話題になっている。

角野卓造さんがゲストの8月20日放送では、話している角野卓造さんの「後ろの窓」に誰か姿が映り込んだなと思ったら、ハリセンボンの近藤春菜さんだった。角野さんには春菜さん登場のことは全く知らされておらず、しかも春菜さんは立ったまま少し雑談をして「じゃあ次の仕事がありますので」と、座ることもなくそのままスタジオを後にしたのだ。これにはTwitter上でも「面白すぎる」などの声が上がった。

9月20日には加山雄三さんがゲストで登場。脳梗塞そして小脳出血と立て続けに病気になり闘病中であるご自身の経験を語ったが、こちらもサプライズで突然、親交のある南こうせつさんがギターを持って登場。「加山さんに歌ってもらう伴奏をするため」ということで「旅人よ」を2人で熱唱し、やはりそのまま帰ったのだ。話をするときには病の後遺症で少し話しにくそうにしていた加山さんが「歌を歌う時だけは全く以前と変わらなかった」と視聴者を驚かせた。

なぜここに来て、日本のテレビ番組の中でも「古典中の古典」であると言っても良い『徹子の部屋』が、SNSをザワつかせるような斬新な演出を連発しているのか? 『徹子の部屋』のプロデューサーである、テレビ朝日の田原敦子さんに話を聞いた。田原さんによると、その一番の原因は「番組のディレクターに最近起きたある変化」だという。

田原P「実は昔は『徹子の部屋』に若いディレクターが配属になると、『もっと若者向けの番組がやりたい』とみんな“異動希望”を出してすぐ去ってしまっていました(苦笑)。それがここ5年くらいは、若い人が入ってくれて根付いてくれるようになりました。スタッフ内も活性化して、面白い展開が出来る様になったんです。

若いディレクターたちは、ベテランが『それはちょっと手間だな……』と躊躇するような手の込んだ演出をすることを恐れません。スタジオにどんどんサプライズゲストを呼んだり、ゲストに歌を歌ってもらったり手品をしてもらったりと、積極的にチャレンジをしてくれています」

『徹子の部屋』でプロデューサーを務めるテレビ朝日の田原敦子さん

かつては若いディレクターたちに人気がなかったという『徹子の部屋』だが、ここのところ「黒柳徹子さんはやはり面白い」ということで、若いスタッフが志願して入ってきてくれるようになったのだという。そしてそうした「若い発想」が現場の刺激となり、斬新で尖った演出が実現しているというのだ。

現在『徹子の部屋』には「下は20代から上は70代まで」の幅広い年齢層のディレクターがいる。これはテレビ番組としては極めて異例だ。60代・70代などの高年齢スタッフがいるのは「徹子さんに安心してもらうため」で、かつて番組のプロデューサーやスタッフを務めて定年退職したようなベテランにお願いしてディレクターをしてもらっているのだという。そして、『徹子の部屋』のディレクターにはかなりの取材力と説明力が必要らしい。

田原P「徹子さんは毎回ゲストと会うのをとても楽しみにしています。そして、収録の前には必ずディレクターに“インタビュー”するのです。初対面の方ならどんな人なのか、ご存知の方なら最近の様子はどうなのか。ディレクターに質問して、その説明をもとに“徹子メモ”を作られます。だからディレクターには取材力がないと大変です。若手の20代のディレクターなどには、60代などのベテランがついて補佐しています」

また、「尖った演出」が実現しているもう一つの大きな理由は、黒柳徹子さんの「好奇心の強さ」にあるという。

田原P「徹子さんはサプライズをとても楽しんでくれています。徹子さんのリクエストで急遽サプライズを増やしたりすることもあるくらいです。司会者が楽しんでいないと番組はどうしても沈んでしまいますが、徹子さんが一番楽しんでいるから『徹子の部屋』は面白いのではないでしょうか」

黒柳徹子さんは最近YouTubeチャンネル『徹子の気まぐれTV』を始めた。10月3日には福山雅治さんがゲストに来るということで、とても喜んでいるそうだ。Instagramも112万人のフォロワーを持ち、新しいことに対する好奇心はとても強い。そして若い人からも好感度が高い。

『徹子の部屋』自体は60代以上の視聴者層が多く、ゲストとしてはどうしても「オトナな人選」にならざるを得ないところがある。しかし、そんな中でも若い人やインターネット上でも話題になるような仕掛けをして、「ネットニュースにしてもらえるような番組作り」を田原プロデューサーは心掛けているという。

田原P「徹子さんはとても“旬なものや人”がお好きです。日頃あまりゲストの希望はおっしゃらないんですが、今会いたいとおっしゃっている人は何人かいます。一番会いたいとおっしゃっているのは大谷翔平さんですね。それから韓国ドラマ“愛の不時着”のヒョン・ビンさんもとてもお好きのようで、“会いたい”とおっしゃっています。本当に好奇心旺盛です」

かつて「徹子さんのたっての希望」で実現したゲストがひとりいたという。そのゲストを呼んだ時の「驚きのエピソード」を田原Pが明かしてくれた。そして、ハリセンボン春菜さんがサプライズ登場したあの「徹子の部屋の窓の後ろの庭」にも、実はとある「知られざる設定」があるのだという。

後編ではこうした「徹子の部屋の知られざる秘話」と、「父・田原総一朗さんの知られざる素顔」について田原プロデューサーのお話をさらに紹介していく。

あのスタジオセットの裏側も公開! 『徹子の部屋』Pが明かす「視聴者は知らない番組のウラ設定」【後編】

 

【田原敦子プロデューサー:1986年テレビ朝日入社。ワイドショーやドキュメンタリー番組のディレクターを経て『世界の車窓から』などのプロデューサーを経験。現在は『徹子の部屋』を担当している。】

  • 取材・文鎮目博道/テレビプロデューサー・ライター

    92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。また、ABEMAのサービス立ち上げに参画「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究、記事を執筆している。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)

  • 撮影安部まゆみ

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