石原慎太郎氏を偲ぶ会に集まった盟友たちの「独特な追悼」 | FRIDAYデジタル

石原慎太郎氏を偲ぶ会に集まった盟友たちの「独特な追悼」

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なんとも独特の空気が漂う「偲ぶ会」だった――。

2月12日、東京都文京内の公共施設で「石原慎太郎先生を偲ぶ会」が開催された。集まった著名人は、元衆議院議員の西村眞悟氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏、戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏氏ら12名。

生前、腹を割って話し合った仲だから、なのだろう。報道陣や一般の参加者もいるなかで、各々が独特の言い回しと言葉で、89歳で亡くなった慎太郎氏を偲んだ。

「『たちあがれ日本』という名前では弱い。『勃起せよ日本』にしませんか、と伝えたら石原先生は自然に受け入れてくれた」

10年に石原氏らが設立した新党名について、仰天の「裏話」を披露したのは西村氏だ。

西村氏と言えば、数々の「暴言」が問題になったことで有名だ。ある雑誌の対談で、集団的自衛権に反対を唱えた女性議員について「おまえが強姦されとってもおれは絶対に助けたれへんぞ」と述べたり、突然「核武装論」をぶち上げるなどして「国会の暴言王」とも呼ばれた。

「日本政府を叱咤してきた」と石原慎太郎氏を称えた西村氏

その西村氏が明かした、慎太郎氏との「秘話」。「勃起せよ日本」とはなんとも奇怪な党名であるが、西村氏は本気だったようだ。式では、こう続けた。

「ほかの議員が西村眞悟除名の署名活動をしているときに石原先生は、それは止めとけ、と言ってくれたのでありました。言葉への拒絶でなく、心情を理解してくれた方だと思います。

(『勃起せよ日本』と聞けば)腰を抜かすような方もおるかもしれんが、まあこういう問答も(石原氏は)自然に受け入れてくれた」

おそらくこんな提案を聞いてくれるのは慎太郎氏だけだったのだろう。西村氏の表情には「良き理解者を失った」という無念が浮かんでいた。

次に「閣下」こと田母神氏が登壇した。田母神氏は08年、航空自衛隊のトップの航空幕僚長時代に「我が国が侵略国家だったなどは濡れ衣である」と民間の懸賞論文で論陣を張ったことで更迭された。

その後、14年の東京都知事選に出馬し、61万票を集めるも、この都知事選を巡り公選法違反容疑(運動員買収)で逮捕される。波乱の人生を送っているが、慎太郎氏には相当世話になったようだ。

「自衛隊をクビになってから(石原さんと)親しくさせていただいた。石原さんの朝食会で講演させていただいたり、雑誌で対談もした。テレビ番組で石原さんから『日本を自立させるための核武装についてはどう思うか』と問われ、『核兵器を持つべきだ』と返したら『同感ですな』と言われた。『アメリカは日本を守らないから自衛すべき。首都の上空を横田基地に抑えられているのはおかしい』と語った姿が印象的でした」

自説を述べながら石原氏を追悼した田母神氏

田母神氏は、慎太郎氏こそ「戦うリーダー」と讃え、こう自説を述べた。

「いま総理以下、問題を起こさなければいい、という病気に罹っている。リーダーが戦えないと後ろの人も戦えない。戦いの象徴は靖国神社参拝だと思う。総理が靖国神社に参拝しません、ということは、戦えません、と最初から白旗を上げている。このような総理では強い日本を取り戻すことができない。

問題を起こすな。仕事をするな、とリーダーが言っていることが日本の政治の問題点。いまの総理に期待もしていませんが、石原さんには総理になってもらいたかった」

これが田母神氏流の追悼の仕方なのだろう。

「2時間の対話」

「やり残したことは教育だ、と慎太郎さんは言っていた。あの人から声をかけてくるのを待っていたんやけど、かからんかったな。こっちから電話しても本を書くのが忙しい、と。死ぬまでそうやった」

そう慎太郎氏の死を悼むのは、ヨット仲間で戸塚ヨットスクール校長の戸塚氏だ。実は石原氏は「戸塚ヨットスクールを支援する会」の会長も務めている。1969年に出版した『スパルタ教育 強い子どもに育てる本』(光文社)で「子どもを殴ることを恐れるな」「いじめっこに育てよ」と述べるなど、根底には戸塚氏と同じ教育観があったのだ。

戸塚氏は慎太郎氏との思い出をこう振り返った。

「(1968年の)参議院議員選挙に当選後、ヨット仲間皆でお祝いに行った。それまでは慎太郎さん、と呼んでいた。先生、と呼んだら『先生はよせよ!いままでと一緒でいい』と言われ、それ以後、慎太郎さんと呼んだ」

30分の面会の中、ヨットの話を2時間もし、やがて秘書から遠ざけられたという。

「新しい教科書をつくる会」の副会長の藤岡信勝氏、文芸評論家の小川榮太郎氏らも参加した「偲ぶ会」。慎太郎氏は彼らの声をどう受け取っただろうか。

  • 取材・文岩崎大輔

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