『鎌倉殿』で菅田将暉の義経に違和感も「染谷将太が救いのワケ」 | FRIDAYデジタル

『鎌倉殿』で菅田将暉の義経に違和感も「染谷将太が救いのワケ」

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ファッションやヘアスタイルも独特な菅田。義経も意外なハマり役? 21年4月撮影

菅田将暉(29)によるダークサイド義経がザワついている。

現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。注目の“スダマサ義経”が、本格的に始動し始めた。義経といえば、平家滅亡に貢献したものの、その後兄の頼朝と敵対し非業の死を遂げたことで知られる。それゆえ悲劇の武将として多くの日本人の同情を買い、“判官びいき”という言葉を生み出したほど愛されてきた存在だ。

また、母親の常磐御前が絶世の美女だったと言われることから、その息子である義経も美少年だったに違いないと、多くの歴女ファンも獲得している。

そんな“薄幸の美少年”のイメージにピタリとハマったのが、2005年のNHK大河ドラマ『義経』で主演を務めたタッキーこと滝沢秀明(39)だ。従来の義経のイメージである、ひたすら兄を慕い兄のために戦った、というピュアな義経を見事に演じ、多くの視聴者たちの涙を誘った。平均視聴率は19.5%を記録。2000年代に作られた大河ドラマ22作品の中で、5位という好記録を樹立している。

ところが、だ。スダマサ義経は、そんな長く愛されてきた義経像をあっさり壊してきた。平然と人を騙して獲物を奪ったり、功を焦って露骨にイライラしたりキレたり。挙句の果てには、先日放送された第11話では、頼朝の覚え愛でたい兄の義円を陥れ死に至らしめてしまう。

全くけなげではないどころか、粗野で小賢しくて何をするか分からない不気味さをまとっていて、「義経といえばタッキー」という世代からすれば、大きな戸惑いを覚えるのだ。

「え、これが信長……?」

実際、ネット上も「これまでの清廉潔白な悲劇のヒーローの義経像を裏切ってきた」、「昔のタッキーが演じた義経では、何でここまで頼朝に嫌われたんだろうと思ったが、菅田将暉が演じている義経で分かったww」、「今までの義経像のイメージがない中学生の息子は、“菅田義経”が強烈に印象に残るだろう」など、タッキーが築いた義経と比較するコメントが多く見られた。

ではダークなスダマサ義経は、ピュアなタッキー義経を超えられるか? その答えのヒントは、2年前に放送されたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』に潜んでいる。

この大河で、同じく人気武将のイメージを大きく覆した人物がいる。それは、織田信長を演じた染谷将太(29)だ。信長といえば、天才的な戦の才能を持ち、圧倒的に不利な状況も奇想天外な策で撃ち破っていった希代の戦国武将だ。エキセントリックな性格な持ち主として描かれることが多いが、それは天才ゆえの定めのようなもので、むしろ後世の人間にとっては魅力となっている。夢半ばにして謀反に遭い悲劇の死を遂げたところも、また信長を神格化させている。

そんな、潔い激情型リーダーのイメージを持っていた信長だったが、染谷が演じた信長は全く違っていた。じっとりと陰気な目で人を見つめ、変な間で相手を困惑させる。同じ“難ありな性格”でも、染谷の信長は情緒不安定で、カッとなるというより闇メンタルに落ちていく、という印象だった。この陰な信長に、やはり多くの人は当初、「え、これが信長……?」と戸惑ったものだ。

が、終わってみれば、大絶賛の嵐。「既存の信長像を打ち破ってくれた」、「はっきり言って素晴らしかった。信長のいやらしさを見事に体現していた」、「実際、信長はこんな性格だったのだろう、とすり替わった」などと、完全に新・信長像を確立してしまった。

もちろんこれは染谷の演技力と、唯一無二の“食えない”キャラクター性あってのもの。しかし演技力と人間的魅力ならば、菅田将暉も引けを取らない。これまで、正義感あふれる好青年から飄々としたキャラクター、さらには残忍だったりエキセントリックな役まで、見事に自分のものにしてきている。

誰もが知るように、これから義経と頼朝は心を違わせ悲劇的な決裂へと向かっていく。その悲しいプロセスを新・義経はどのように見せてくれるのか。大いなる期待をもって見ていきたい。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影原 一平

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