テレビの”本当の実力”がわかる「コア視聴率バトルランキング」! | FRIDAYデジタル

テレビの”本当の実力”がわかる「コア視聴率バトルランキング」!

徹底調査 数字が取れるタレント&アーティストを全網羅! 日テレ圧勝の衝撃/テレ朝の「誤算」/音楽番組と『24時間テレビ』の存在感/ 最強MCがわかった!

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上:『水曜日のダウンタウン』などがベスト50入り。「還暦間近でコアが稼げるトーク術に脱帽」(キー局ディレクター) 下:『チョコレートプラネット』も高評価。「人気に実力が伴っている。逆に第7世代が苦しい」(制作会社スタッフ)
上:『水曜日のダウンタウン』などがベスト50入り。「還暦間近でコアが稼げるトーク術に脱帽」(キー局ディレクター) 下:『チョコレートプラネット』も高評価。「人気に実力が伴っている。逆に第7世代が苦しい」(制作会社スタッフ)

コア視聴率(13〜49歳男女の視聴率)が、テレビマンの最重要指標となって久しい。これまで重視されていた世帯視聴率や番組配信と比して、広告へのリーチが際立って高いというのがその理由だ。

本誌はこれまで、クールごとに連続ドラマの裏話やデータを紹介してきたが、その取材の先々でテレビマンたちが口にしていたのが、「バラエティなら、日本テレビの圧勝ですよ」という言葉だった。

今回、本誌は各局から7〜8月のコア視聴率データを入手。人気バラエティ番組を、コア視聴率の高い順にランキング化。

見事1位に輝いたのは日本テレビ系の『世界の果てまでイッテQ!』。調査期間中のコア視聴率は平均で8.4%超えと抜群の安定感を見せた。

「『ウッチャンナンチャン』の内村光良(58)は『笑神様は突然に…』や『THE突破ファイル』(ともに日テレ系)でもランクインしています。『イッテQ!』というトップ番組のMCを務めたことで、若い世代にも膾炙(かいしゃ)したことが大きいでしょう。広く知名度があり、誰にも嫌われていない稀有な存在。最強MCと言っていい」(キー局プロデューサー)

以下、ズラリと日テレ系のバラエティが並ぶ。どうしてここまで圧倒的なのか。

「他局に先駆けて’10年代半ばからコア視聴率を取り入れた編成の作戦勝ち」

というのが各局の見立てだ。

「コア層、つまり若者向けに特化した番組作りが浸透している。それ以外は通らないほど、企画を絞り込んでいますからね」(フジテレビディレクター)

キー局プロデューサーは「日テレ制作陣の風通しの良さ」を勝因に挙げる。

「定期的に異動があるし、バラエティのプロデューサー同士の仲がいいから情報共有もできて、共同戦線が張れる。他局からは囲い込みだなんて言われますが、たとえば『りんごちゃんが面白い』となると、日テレのバラエティで一斉に起用されるわけです。”連打”されることによって話題を呼び、タレントも成長するという現象がもう何年も続いている。

すると何が起きるか。芸能プロダクションや放送作家が日テレ最優先で有望タレントを売り込む。『日テレで売ることさえできれば、フジやTBSも自動的に起用する』と踏んでいるわけです。マンネリだと叩かれたりしますが、『24時間テレビ』の存在も大きい。コストも時間もかかりますが、制作陣総出で大目標を共有して放送する。各番組が『24時間テレビ』に向けて収斂(しゅうれん)していくプロセスも、風通しのよさに大きな役目をはたしています」

このプロデューサーは「制作陣の繋(つな)がりは社内に限らない」と続ける。

「『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』は系列局の中京テレビの制作です。やり尽くされた感のあるグルメ企画にダメ出しをせず、見事ヒット番組に昇華させたことに感服します。フジやTBS、テレビ朝日だと、こうはいかない」

もうひとつ、ランキングを見て一目瞭然なのが’21年度の視聴率三冠王、テレビ朝日系のバラエティが『アメトーーク!』など4本しか入っていないことだ。

「現会長の早河洋氏(78)が社長に就任した’09年当時はまだ、世帯視聴率が中心でした。テレビを観ているのは高齢者が多いと踏んだ早河テレ朝は、世帯視聴率を取りに行く戦略を採った。これが誤算でした。世帯視聴率で三冠王(’21年)に輝いたものの、世の中はコア視聴率の時代になってしまった。ところが、成功体験が邪魔をして切り替えがうまくいっていない。たとえば人気番組のひとつ『ポツンと一軒家』。7月17日放送回の世帯視聴率は13%でしたがコア視聴率は1.7%。世帯を取る番組作りには長(た)けているけど、コア層には届いていない」(民放幹部)

それはテレ朝もわかっていて、深夜にバラエティ番組の帯枠『バラバラ大作戦』を創設。若手ディレクターやプロデューサーと注目タレントを組ませて冠番組を作るという試みを続けている。

「目先の数字に追われている編成と、コアを稼げる番組を売りたい営業のせめぎあいですよ。10月期からはメタバースとVチューバーを取り入れた番組が強化されます。実際、Vチューバーが登場する小峠英二(46)MCの『超人女子戦士 ガリベンガーV』は木曜深夜から土曜午後6時台に昇格します。若手は頑張っているんですが、彼らのやる気をそいでいるのが編成なんです。若手が深夜帯でやっているようなチャレンジ企画を、関連会社のABEMAのプライムタイムで放送したりする。地上波バラエティ班の士気は下がっていますよ。テレ朝がNHK、フジと放送するサッカーW杯をABEMAが無料生中継すると発表したり……Huluと上手く棲み分けしている日テレとは大違いです」(テレ朝制作スタッフ)

各局明暗が分かれるなかで、等しく好調なのが音楽番組だ。

「ジャニーズやK-POPがいい例で、ファンは好きなアーティストのことを誰より把握しておきたいもの。歌番組に出るとSNSで話題になるから見逃せないのです。ほかにコア視聴率が取れるアーティストを挙げるならば、何と言っても、あいみょん(27)。『YOASOBI』、米津玄師(31)、優里(28)、『King Gnu』、Ado(19)、『back number』、『DISH//』、星野源(41)、『ONE OK ROCK』、宇多田ヒカル(39)あたりも数字を持っていますね」(制作会社幹部)

フジは10月期から人気ユーチューバーグループ『コムドット』の番組など、深夜バラエティを7本立ち上げる。今回、1番組もランクインしなかったNHKも、

「フジを早期退職した有能な人たちが企画を持ち込んでいるといいます。実験的なバラエティが生まれていますし、これから伸びてくるでしょう。一方、ディフェンディングチャンピオンの日テレは総合プロデューサーなど上層部の力が強すぎて、若手が育っていないと言われている。ウカウカしていられないですよ」(前出・フジディレクター)

激化するコア視聴率戦争。1年後の勢力図が見ものである。

『24時間テレビ』のチャリティーマラソンに挑戦した『EXIT』兼近大樹(31)。SNSで10万「いいね」を稼いだ
『24時間テレビ』のチャリティーマラソンに挑戦した『EXIT』兼近大樹(31)。SNSで10万「いいね」を稼いだ
右上:コア視聴率が取れるアーティストはあいみょん 左上:有吉弘行は冠番組のほとんどで視聴率を稼げる 右下:『back number』清水依与吏の歌詞と歌声が若者に刺さる 左下:最近の「傷つけないお笑い」にもマッチする内村。NHK紅白にも起用される最強MCだ
右上:コア視聴率が取れるアーティストはあいみょん 左上:有吉弘行は冠番組のほとんどで視聴率を稼げる 右下:『back number』清水依与吏の歌詞と歌声が若者に刺さる 左下:最近の「傷つけないお笑い」にもマッチする内村。NHK紅白にも起用される最強MCだ

『FRIDAY』2022年9月30日・10月7日号より

  • PHOTO原 一平(ダウンタウン) 足立百合(チョコプラ) 島 颯太(あいみょん) 高塚一郎(清水) 坂口靖子(有吉) 川上孝夫(内村)

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