<figure id="attachment_270797" aria-describedby="caption-attachment-270797" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f301e4cf"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/1975041800011.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-270797" class="wp-caption-text">ドリフのメンバー。左から高木ブー、志村けんさん、加藤茶、仲本さん、いかりや長介さん。75年４月撮影（画像：共同通信社）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「志村けんさんや加藤茶さんが打ち合わせをしている会議室や、いかりや長介さんのお芝居の楽屋に、よく顔を出されていました。決して口数の多い方ではありません。いかりやさんらと一言二言話をすると、ずっとニコニコしている。穏やかな方でした」</span></p>
<p>こう語るのは、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』（ＴＢＳ系、86年１月～92年３月）の放送作家を務め「ザ・ドリフターズ」とも関係の深い、江戸川大学教授の西条昇氏だ。</p>
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<p>西条氏が「穏やかな方」と語るのは、神奈川県横浜市内の交差点で交通事故にあい、10月19日に急性硬膜下血腫のため81歳で亡くなった仲本工事さん。西条氏が、ドリフ時代の仲本さんの意外な二面性を明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「いかりやさんや志村さんは、笑いについてこだわりの強い人でした。テレビでの陽気な雰囲気と違い、素顔はストイック。ネタ会議の雰囲気は重かったですね。研究熱心でもありました。志村さんは東京・六本木にあった『ＷＡＶＥ』という輸入レコード店に行き、日本では発売していない海外のコント番組やコメディ映画のビデオを何十本と注文するんです。志村さんはお酒好きで有名でしたが、どんなに酔って帰宅しても必ずビデオをチェックしていたとか。</span></p>
<p><span class="strongInContent">一方、仲本さんは自分の考えをほとんど表に出しません。いかりやさんや志村さんがやりたい事を受け入れられる、柔軟性のある方でした。志村さんが夫を演じて笑わせれば、女装して『アナタ～』と引き立て役になる。『雷様』のコントではセリフが少なく、ビジュアルが特徴的な高木ブーさんの個性をうまく立てていた。誰にでも合わせられる仲本さんがいなければ、メンバーの個性が強いドリフは成り立っていなかったかもしれません」</span></p>
<h2>「ミュージシャン仲本工事」</h2>
<p>仲本さんが中学、高校時代、体操部のエースだったのは有名な話だ。西条氏は、仲本さんの運動神経の良さが、ドリフのコントをスケールの大きいモノにしていたと考える。</p>
<p><span class="strongInContent">「動きがキレキレでしたからね。ドリフの大がかりなドタバタ劇は、仲本さん抜きには語れません。特に、走って大コケするようなギャグはバツグンに上手かった。志村さんとの、ジャンケンで負けたほうが身体をはった罰ゲームを受ける『ジャンケン決闘』は、仲本さんの傑作のひとつでしょう」</span></p>
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<p>仲本さんには、コメディアンとは違う意外な一面もある。「ミュージシャン仲本工事」だ。西条氏が続ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「仲本さんはドリフに入る前、『ジェリー藤尾とパップ・コーンズ』というロカビリーバンドに所属していました。役割はセカンドボーカル兼ギターです。仲本さんの才能が、初期はコミックバンドだったドリフで重宝されます。センターボーカルに抜擢。66年にビートルズが来日した際には前座として中央に立ち、『のっぽのサリー』を歌ったんです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="黒縁メガネをかけるようになった理由"></div>
<p>以後、仲本さんがバンドを引っぱり加藤らが音を間違えボケるのが王道パターンとなる。</p>
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<p><span class="strongInContent">「楽器を持たない時のコメディアン仲本さんはメンバーの引き立て役ですが、ミュージシャンとしては中心にいたんです。ちなみに当初、仲本さんは黒縁のメガネをかけていませんでした。綱木文夫さんという黒縁メガネをかけていたメンバーが辞めてから、かけるようになったんです。仲本さんなりの、キャラクターづくりだったのかもしれまん」（西条氏）</span></p>
<p>天才的脇役だった仲本さん。天国でも、いかりやさんや志村さんの個性を引き立てているのだろう。</p>


共同通信社

「ザ・ドリフターズ」の仲本工事さんが交通事故で亡くなった。81歳。決して口数は多くなかったがドリフでは誰にでも合わせられる貴重な存在。ドリフと関係の深い放送作家が明かす仲本さんの意外な二面性だ。

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